四谷大塚のテキストである予習シリーズは何十年もの実績があり、自学自習できる教材として定評があります。また、四谷大塚は社員が授業をしてくれるので有名です。テキストに定評があり、指導も手厚い四谷大塚に通っていて、「算数ができない」となってしまった原因はどこにあるのでしょうか?
四谷大塚は塾のクラスが3~4編成になっていますので、1クラスの子供の偏差値の上下幅が大きいです。授業はクラスの平均に合わせて進められますので、クラスの下位にいる場合は、授業をほとんど理解しないままに塾通いをしている場合も多いです。ですので、家で予習や復習をしようとしても、そもそも内容を理解していないため、一人でするのは困難です。復習のための宿題は出ますが、しっかり内容がわからなくとも、例題の解説をまねして数値を当てはめたり、できなければ解説を写したりしながらその場をしのいでいる場合もあります。「よくはわからないけれど、ここは+1するようだ。」「先生がかけ算を先にするようにいっていたはず。」などうろ覚えな知識や解法で宿題をしている子供は結構多いです。これでは時間をかけても、「授業」も「家庭学習」も「ほとんど勉強していない」のと同じことになります。そのような曖昧な知識ではなく、確実な知識を定着させるためには、塾で出される課題だけでなく、別に問題集を購入して、問題を繰り返し解かせることが大切です。それだけでなく、問題を解いている様子をしっかりと観察してカンニングしないように見張ることが大切です。カンニングする癖がついていると、テストの時に全く太刀打ちできなくなりますし、何より勉強する意味が全くありません。そのような癖を治すためには、宿題をさせる時は、答えと解説の部分を隠して自力で解かせることが重要です。ただし、筆箱や他の教材は軽いので答えを見ようと思えば、すぐに見る事が出来ます。それを防ぐためには、厚紙をセロハンテープで張っておくのが効果的です。さらに他の問題集を解かせる時は、解答を切り離せるものを選ぶことで、カンニングを防ぐ事ができます。
予習シリーズは2012年度に改定され、それまで小5で習っていたことが小4に降りてきて、テキスト、授業の進度も早まりました。またカリキュラムがスパイラル方式になったことで、小4で習った基礎は小5では簡単に説明するくらいで、次のステップの学習が進むこともあります。小4でしっかり知識や計算方法が定着していない場合は、現在の授業もテキストもわからないところだらけで、「算数ができない!」となってしまうのは当然です。また、途中で入塾した場合は、前年度の知識がないために、はじめから授業やテキストにわからないところが多く、はじめから「算数ができない!」となってしまうケースもあります。このような事態を防ぐためには事前に四谷大塚の問題集を購入して、どのような傾向があるのか確認しておく必要があります。問題集を購入したら、どの問題が解けそうにないかを把握しておきましょう。そして、解けそうな問題から挑戦させてみて、できるだけ、問題集やテキストを進めておきましょう。それだけでなく、塾の体験学習にもできるだけ参加して、教室の雰囲気や授業の様子を見学して算数の授業が子どもに合っているかどうかを見極めることが大切です。見学の際に、授業の進捗状況を確認するのも忘れないようにしましょう。
そもそも、予習シリーズは算数が得意でない子供が自学自習できるほど簡単なテキストではありません。授業でわからなかったところを自分で読んで理解しようとしても、書いてある内容がむずかしく、わからないままにして進んでしまっていることがあります。その結果、わからないことが雪だるま式に増えてしまいますと、算数の苦手意識がますます強くなります。
一問ずつ、問題の解法を自分の頭で理解しながら勉強を進める必要があります。しかし、自分で解きたい気持ちはあっても、解説を読んでも理解できない事がほとんどなので、そういう時は、親が協力してあげる事が重要です。そのためには親がきちんと解説を読み、解き方を理解した上で、教えていかなければいけません。しかしながら、問題のレベルが非常に高いため、親でも教える事が難しいというのが現状です。だからといって、わからないところをそのままにせずに、なるべく早く解決していきましょう。その対策としては「分からない」が煮詰まっている単元については、その単元を勉強させようと必死になるよりは、その単元はいったん飛ばして、「基礎の基礎」や「前学年の知識」までさかのぼって、一から徹底的に学習し直したほうが、結果としては、現在習っている単元も確実に理解できるようになりますよ。しかしながら、できるようにするだけでは意味がありません。できるようにすることが重要です。出来るようにするためには、繰り返し問題を解くしか方法はありません。ですので、問題集をたくさん購入してできるだけたくさん問題を解かせましょう。