大手各塾のカリキュラムやテキストはよく研究して作成されています。よって、どこの塾だから算数が伸びる!算数が伸びない!ということはありません。しかし、各塾のテキストや指導法には一長一短があるのも事実なので、四谷大塚の長所・短所をよく知った上で算数を伸ばす学習法を考えていきましょう。
四谷大塚では1クラスの上位と下位で成績差が大きいにもかかわらず、授業は同じ内容、宿題も同じですから、クラス内で成績の悪い場合は伸びなやむ場合もあり、下位はついていけなくなりがちです。その現状から脱却しようと、演習問題に取り組んでも、解き方を理解できていないため、脱却するどころか、自己嫌悪陥り、受験へのモチベーションが大きく低下してしまう可能性すら否めないのです。しかし、小学校の漢字の宿題は一律10回練習しなさいと言う宿題が出ます。何度練習したら覚えられるか?は人によって違いますので、このような宿題はおかしいと感じる保護者もいます。しかし、これと同じことが塾で行われていても気に留める人はいません。しかしながら、受験のための知識を身に付けるための場所である塾だからこそ、一律で勉強させていては全く意味がありません。ですので、四谷大塚に通う塾生は、塾の勉強にプラスアルファーで個別に勉強しなければいけないのです。これでは、子どもの負担が大きくなるだけです。それどころか、勉強に追われて息抜きする時間が無くなってしまいストレスが溜まってしまいます。たしかに、基礎問題は重要ですが、少ない練習で計算もすらすらとこなす子が、同じ基礎問題を繰り返しやるのは時間がもったいないと思いませんか?逆に基礎問題を繰り返したほうがしっかり定着しそうな子供に、基礎はそこそこですませて、他の問題も仕上げて提出しなくてはいけないのは無理があると思いませんか?本当に成績を上げるためには、それぞれのレベルに合った指導をしなければいけません。しかし四谷大塚の授業スタイルは、レベル分けをしたらそのクラス内の授業の進捗状況及び宿題のレベルは一律です。その結果、テストや模試で差が大きく開いてしまうのです。
四谷大塚では、クラスによって週例テスト(学習内容のチェックテスト)の内容が異なります。下位クラスのテストはほとんどが基礎問題であり、上位クラスは標準、応用問題が中心になっています。しかしながら、この学習形式には、いくつかのデメリットがあるのです。まず、焦点を絞り過ぎているというところです。苦手なところだけ徹底的に克服させようとするあまり、偏った知識を身に付けさせてしまっているのです。次に、レベルが高い子どものレベルを低下させてしまう可能性があるという問題点があります。高い理解力を持っているからといって応用問題ばかりさせていると、基本の解き方が分からなくなってしまい、レベルが下がってしまう可能性があるのです。そのような事態を防ぐために、クラスごとに決め細やかに対応しているようですが、算数だけ現クラスより高い力がある場合、また逆に算数はついていくのがやっとの場合は、週例テストの内容が子供の学力に合っていないことがあります。テストは自分の今の実力を確かめるためにやるものなので、その子の実力に合ったテストを受けなければ意味がありません。レベルに合っていない簡単すぎるテストで100点近くとって「自分はできる」と勘違いして満足していればこれ以上成績は上がることはなく、伸びなやむことになります。反対にむずかしすぎると、テストの半分も復習もできないままに次週に進むこともあります。そうなると、せっかくテストを受けても、内容が定着せずに終わってしまうので全く意味がありません。ですので、テストを受け終わった後に、しっかりと自分で復習しなければいけません。ですが、復習の時間までなかなか確保することができないのが現状です。
四谷大塚では夏季講習、冬期講習は基礎問題レベルからの復習になります。定期的な復習はとても大切ですし、解法が身につきにくい子供にはよいシステムですが、算数が得意な場合は学習する必要がないことも含まれており、授業や宿題がもったいないケースも出てきます。
クラス替えが少なく、クラスの上位と下位では算数の学力はかなり違いますので、算数に自信があり、塾友と切磋琢磨したほうがやる気になる子供にとっては、四谷大塚は生ぬるく感じることがあり、これに甘んじていると伸びなやむケースも出てくるでしょう。それだけではなく、受験本番のイメージを付けることができないので、本番で緊張してしまい実力を発揮できないかもしれません。ですのである程度の緊張感を持って取り組む必要があります。
四谷大塚で、現在クラスの算数だけでは満足できない子供は、宿題以外の応用問題を解くなど、算数の学力をどんどんつけていけるように学習を進めましょう。まだ塾で習っていない単元の先取りを進めるのもよいでしょう。宿題に追われる他塾に比べ、四谷大塚の現クラスで算数に余裕がある子供は、このような個別学習をプラスしやすいので、他塾よりもより算数を伸ばすことができます。しかし、現在のクラスで算数についていけない子供は、基礎重視で繰り返し学習したほうが、解法の基盤がしっかりできて、季節講習など先々の学習では、一段階上の問題がすんなり頭に入るようになります。このように算数は、子供の学力にあったカリキュラムで学習すると、ぐんと伸びる!科目です。四谷大塚は集団指導であるため、どうしても差がついてしまうのです。