RISU 学び相談室

Q

年中幼児から通信教育を始めるのは早い?効果的な進め方を教えてほしい!

Q RISU算数スタッフの回答
「年中から勉強を始めるのは早いのかな?」
「同じクラスの〇〇ちゃんは通信教育を始めたみたい・・・」
小学校入学を少しずつ意識しはじめる年中(5歳)という時期。そろそろお子さんに通信教育を受けさせるか悩んでいるご家庭は多いと思います。
そこで今回は年中幼児から通信教育を始めるメリットや注意すべきデメリット、そして効果的な通信教育の進め方について詳しく解説していきます。

早めに通信教育を始めるメリット・デメリット

小学校入学前から取り組める通信教育や市販のドリルがたくさんある一方で、「幼いうちは伸び伸びと過ごさせてあげたい」と、早くから子供に勉強をさせることに抵抗を感じるご家庭もあるでしょう。

そこでまずは、年中から通信教育を始めるメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。 

年中幼児から通信教育を始めるメリット

まず年中から通信教育を始めるメリット4つを紹介します。

1 学習習慣が身に付く

学習習慣は小学校をよりよく過ごすための基本になります。

学習習慣のあるお子さんは「学校は勉強するところ」「学校に入ったら、勉強は進んで取り組むもの」と捉え、スムーズに小学校生活に移行できます。

また、学習が歯磨きレベルの「当たり前」の習慣になると、早いうちから自学力が身に付いていきます。自学力とは文字通り、自分で学ぶ力のことです。

自分で学ぶ力を身に付けたお子さんは、親や教師の指示を受けずとも、自ら課題を発見し、解決しようとする力を付けていきます。

学習習慣の定着はお子さんの将来にとても大きな力になります。

2 基礎学力が身に付く

通信教育の年中向けカリキュラムの多くは、ひらがなの読み書きや、たし算・ひき算のベースとなる「数の概念」を1年間かけてじっくり身につけられる内容で構成されています。

学力の土台がしっかりとしていることで、その後のお子さんの学力の成長度は変わってきます。反対に、基礎学力が定着していない状態で小学校の学習を進めていくと、「わかっているようでわかっていない状態」が続いてしまいます。

特に積み上げ学習となる算数では、小学校1年生でつまずいた分野が、小学校6年生でもつまずいたままになってしまっているお子さんは意外にも多いです。

つまり小学校低学年で習う内容を確実に理解していかないと、小学校全般の学習がどんどん難しくなってしまうのです。

3 「勉強が楽しい!」という気持ちが芽生える

小学校入学直後のお子さんで一番問題になりやすいのが、小学校生活に馴染めなくなってしまう小1プロブレムです。

遊びが中心だった幼稚園や保育園での生活から、勉強が中心となる小学校生活に変化するのは、子供にとって実は大きなストレス。「勉強が嫌だ!学校が嫌だ!」という感情が一度でも芽生えると親から離れられず、通学に支障が出てしまう場合もあります。

しかし、「勉強が楽しい!」「学校が楽しい!」という気持ちがあれば、お子さんは喜んで学校に通います。

年中幼児の通信教育を通じて得られる「できた!」「わかった!」という喜びは、「もっと知りたい!」という学習意欲を喚起させ、「勉強って楽しい!」という気持ちを芽生えさせてくれます。

幼児期からの小さな成功体験は、将来の学びのエネルギーにもなります。

年中幼児から通信教育を始めるデメリット

続いて、年中幼児から通信教育を始めるデメリットもご紹介していきます。

1 勉強嫌いになる可能性がある

「勉強を好きになってもらいたい!」というご家庭の思いとは裏腹に、「勉強なんて嫌だ!」という感情をお子さんがもってしまう可能性もあります。

もちろん、幼児向けの通信教育はどれも「楽しく学ぶ」点を重視していますから、イラストを交えた分かりやすい教材が用意されており、勉強が難しくてつまずく心配はあまりありません。

しかし、たとえば次のような親の取り組み態度については注意が必要です。

・子供の間違いを否定する

・子供の間違いをフォローしない

・嫌がる子供を無理やり課題に取り組ませる

子供の教育に熱心な親御さんほど、つい感情的になってしまいがちなもの。

しかしこうした態度はどれもお子さんの学習意欲を削ぐ原因になります。

幼児期のお子さんは自分自身の感情と折り合いをつけることがまだ難しい時期ですから、ご家庭でお子さんの気持ちを支えてあげることが重要です。

「間違えても大丈夫!」「間違えてももう一度やればいいよ!」「おしかったね!」などといったお子さんの気持ちに寄り添う言葉掛けを意識して、お子さんが勉強嫌いにならない配慮をしましょう。

2 「勉強さえできればよい」と思い込む可能性がある

幼児期から本格的な学習をスタートさせることで、効果的な学力の向上が見込めますが、「勉強ができることが一番よいこと」「頭さえ良ければよい!」という偏った思考にお子さんが陥る可能性もあります。

さらに言うと、机上の勉強を重視しすぎてしまうことで、他者と協力をする社会性の成長を通信教育が阻害してしまうかもしれません。なぜならば、人との関わりによって発達する社会性を通信教育に求めるのは難しい面があるからです。

言葉や数などの知識はどんどん増えていっても、それに比例して人への思いやりや想像力が発達するわけではありません。たとえ勉強はできても、相手の感情を想像できずに言葉を発したり、行動したりし、相手を傷つけたりてしまうこともあります。

また、基礎学力を身に付けることは「自分ならできる」という本来ならば自信や自己肯定感に繋がるはずなのに、「そんなのことも知らないの?」と歪んだプライドから他のお子さんを見下すケースも多々あります。

思いやりや想像力などの社会性の基礎は、現実の人との関わりの中で身に付きます。

「勉強さえできればよい」という偏った価値観にならないよう、親御さんは他のお子さんと比較するような発言は絶対にせず、人や社会との繋がりを大切にしてお子さんが豊かな経験を積み重ねることも意識していきましょう。

3 通信教育に任せがち

子供の教育を通信教育に任せがちになってしまうこともデメリットの一つです。

これを聞いてドキッ!とした方もいるのではないでしょうか?

できることならば、子供が自力で意欲的に学習する姿が理想ではあります。しかし、幼児期の教育ではそのような姿を求めていません。むしろ、「勉強って楽しい!」という感情面での経験こそが大事です。

そのためにも、お子さんの喜びや悩みに共感し、パパ・ママも一緒に楽しく取り組んでいる気持ちをお子さんにしっかりと伝えましょう。

これだけでも教育効果は絶大です。全て通信教育に任せず、適度に手をかけ、目をかけ、声をかけてください。

また、読み聞かせなどの昔から実践されてきた家庭教育も通信教育と合わせて取り組むことをオススメです。子供が一人で文字を読めるようになっても、親子で共感し合いながら絵本や本を読みきかせることで、言語能力や柔軟な感性が身に付いていきます。

通信教育に全てを任せるのではなく、適度な距離感で親御さんもお子さんの学習に関わりましょう。

こちらの記事では、年中さんから勉強を始めるべき理由と注意するポイントを詳しく解説しています。

年中幼児の通信教育の効果的な進め方

ここまで年中から通信教育を始めることのメリットとデメリットを見てきましたが、ここからは通信教育のメリットを最大限に生かし、効果的に活用するためのポイントをご紹介していきます。

幼児期からの通信教育は「一緒にやる」がポイント

なぜ子供と一緒に通信教育をやるのでしょうか?

以下の3つがポイントです。

・安心感

・信頼関係

・お子さんへの理解(児童理解)

 安心感

まずいつも近くにパパ・ママがいてくれる、しかも一緒にお勉強をやってくれる、それだけでお子さんは安心して学習に取り組めます。

たとえ間違えても「困ったときは必ずパパやママが助けてくれる!」という安心感の中で学習する成果は計り知れません。

これは幼児期の子供に限らず、大人でもそうですよね。

人は仲間がいると心強くなる生き物です。初めて料理をする時、一人では怖くて何もできません。自動車の免許を取得する時、最初から一人で自動車には乗らないでしょう。必ず伴走してくれる人がいます。

幼児期の通信教育も同じです。大好きなママやパパがいつも温かく見守り励ましてくれるから、お子さんは安心して学習に取り組めます。

 信頼関係

そして、いつも寄り添ってくれる伴走者(パパ・ママ)にお子さんは絶対的な信頼を寄せていきます。

親子の良好な信頼関係は、お子さんを健全に成長させる重要な教育環境の一つ。

親と子なのだから信頼関係があって当然とつい考えがちですが、信頼関係は何もないところからは築けません。たとえ親子であっても、経験を共有することを通じて信頼関係を育てていくのです。

通信教育を通じて親と子の信頼関係を築くことは、お子さんの学習成果にとってよいだけでなく、家族仲にとってもよいことづくめです。

幼児期にお子さんの信頼をガッチリとつかめば、後々の子育てもしやすくなるはずです。勉強を通してお子さんに寄り添い、少しずつ親子の信頼を育んでいきましょう。

 お子さんへの理解(児童理解)

通信教育をお子さんと一緒にやる最大の成果は「お子さんに対する理解」ができることです。

教育界では「児童理解」が重要であると言われています。教師が学習指導や生活指導を効果的に行うためには、子供の特性などを理解することが重要です。

それと同じように、親御さんも、「我が子は何が得意で、何が苦手か?」「何に興味があって、何に飽きっぽいのか?」といった、お子さんの特性を教育の視点で理解していくと、お子さんに対する見方が広がっていきます。

たとえば、普段の生活では「人懐っこい」「人見知り」「おしゃべり好き」などの特性も、学習になると「一緒に考えるのが好きなタイプ」「ヒントをもらうより一人でじっくり考えたいタイプ」といった、違ったお子さんの一面が見えます。

子供の特性を理解して、接し方やかける言葉などを選択していくと、お子さんはさらに学習へのモチベーションをアップさせていくことでしょう。

年中という早めの時期から通信教育に取り組むことによって、その時々のお子さんの特性や興味を見つけることができるので、親子で一緒に通信教育に取り組むメリットは絶大です!

幼児教育に重要な言葉と情緒の発達も忘れずに!

お子さんに通信教育を始めるにあたって、今一度確認しておきたいことがあります。

それは幼児教育の重要性です。

文科省の「幼稚園教育要領(幼稚園での教育目標、教育課程、教育内容を定めたもの)」では、6歳終了時までに育ってほしい姿を明示しています。

(1) 健康な心と体

(2) 自立心

(3) 協同性

(4) 道徳性・規範意識の芽生え

(5) 社会生活との関わり

(6) 思考力の芽生え

(7) 自然との関わり・生命尊重

(8) 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

(9) 言葉による伝え合い

(10) 豊かな感性と表現

幼稚園教育要領第1章総則第1幼稚園教育の基本第2幼稚園教育において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」より抜粋

10の姿の中で通信教育によって伸ばせそうなものは、「(6) 思考力の芽生え」「(8) 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」でしょう。その他の能力・資質は「人との関わり」であったり、「経験」の中で育つものです。

幼児期は言葉の発達、情緒の発達に重点をおいてお子さんを育む意識が大切です。学力だけではなく、人間性の基礎を培うことにも忘れず、お子さんを見守る必要があります。

通信教育は万能ではありません。あくまでも、子供の能力の一部である、学習の基礎を補う目的であることを心にとめておきましょう。

通信教育のポイントをおさえて年中から余裕をもって取り組ませてみよう!

年中幼児から通信教育を始めるメリットは非常に大きいものですが、取り組み方や親の関り方次第では、デメリットとなることもあります。

これまで述べてきたポイントをしっかり押さえて、ぜひ親子で楽しみながら通信教育に取り組んでみましょう!

算数が好きになるのには、理由があります。
今だけ限定!RISUを1週間お試しできるキャンペーン実施中!
サービスお申し込み