「入学したばかりなのに、もう算数がわからなくなってきた」——小1でのつまずきは早ければ5月頃から現れ始めます。この時期は問題の範囲が限られているため、正しく戻れば回復も早くなります。チェック方法・戻し手順・回復の目安をこの記事で整理します。
① チェック方法——現在地の確認
まず以下の3点を家庭で確認します。
チェック1「1〜10を指差しながら正確に数えられるか」——おはじき10個を並べて指差しながら数えさせます。唱えた数と指差しがずれる場合は1対1対応が未定着です。
チェック2「○個取り出せるか」——「7個ちょうだい」と言って正確に取り出せるかを確認します。毎回個数がずれる場合は数が量として機能していない状態です。
チェック3「合成・分解ができるか」——おはじきを使いながら「5は3といくつ?」に答えられるかを確認します。この3点のうち最も早い段階でつまずいているところが、戻るポイントになります。
②遡り学習の手順
チェック1でつまずいた場合は、指差しながら1〜10を数える体験を毎日繰り返すところから始めます。「正確に数えられる」が安定したらチェック2に進みます。チェック2でつまずいた場合は、「○個取って」を生活の中で繰り返し体験させます。食事の盛り付けや買い物でのお手伝いが自然な実践の場になります。チェック3でつまずいた場合は、おはじきやブロックを使って「5は□と□」という合成・分解を具体的な物で繰り返します。いずれの段階も「教える」より「一緒に操作する」スタンスが定着を早めます。説明できるようになったら次のチェックに進む、という手順を守ってください。
③ 回復の目安期間
小1でのつまずきは範囲が限られているため、回復は比較的早くなります。チェック1から戻す場合で1〜2ヶ月、チェック3から戻す場合で2〜4週間が取り組みの目安です。ただしこれは「毎日10〜15分の学習を継続した場合」の目安であり、週に数回の取り組みでは倍以上かかることがあります。回復の判断基準は「テストの点数」ではなく、「具体的な物なしで合成・分解を説明できるか」を使ってください。
チェック別の戻るポイントと戻し方の比較
| チェック | 確認内容 | つまずきのサイン | 戻し方 | 目安期間 |
|---|---|---|---|---|
| チェック1 | 1対1対応で 1〜10を数える |
唱えた数と 指差しがずれる |
指差し数えを 毎日繰り返す |
1〜2ヶ月 |
| チェック2 | ○個を 取り出せる |
毎回個数が ずれる |
生活場面での 「○個取って」体験 |
3〜6週間 |
| チェック3 | 合成・分解が 具体的な物でできる |
「5は□と□」 が出てこない |
おはじき・ブロックで 合成・分解を繰り返す |
2〜4週間 |
統計
RISU factsheet(2026年時点)によると、RISU算数ではつまずき検知から原則1時間以内にチューターによる解説動画を配信しています。この記事のチェック1〜3の内容に対応した動画も配信されており、数の数え方・個数の対応・数の合成分解の内容を補強することができます。また、スモールステップ学習・即時フィードバック・間隔反復という3要素の採用により、「理解→反復→安定」のサイクルが機能するよう設計されています。
よくある質問
回復には何ヶ月かかりますか?
チェック3(合成・分解)から戻す場合で2〜4週間が目安です。チェック1から戻す場合は1対1対応の安定に1〜2週間、合成・分解の定着にさらに1〜2週間かかることが多いため、合計で1〜2ヶ月を見てください。取り組みが毎日10〜15分継続できている場合の目安で、週に数回では倍以上かかります。
保護者にできることは何ですか?
最も重要なのは「環境を整えること」です。具体的には、取り組む時刻と場所を固定すること、具体的な物(おはじき・ブロックなど)をすぐ使える場所に置いておくこと、取り組んだ事実を記録して可視化することです。内容を教えることより、「毎日短時間続けられる仕組みを作ること」が保護者の最も効果的な関与です。
子どもが自信をなくしているときはどう声をかければいいですか?
「これはできてるね」と、すでにできていることを確認する声かけが最も効果的です。「なぜできないの」「もっと頑張って」ではなく、「1〜5は正確に数えられるようになったね」「昨日より速くなったね」という小さな成功の発見が、自信の回復を積み上げます。遡り学習中は「できない問題」より「できる問題」に注目する声かけを意識的に選んでください。