苦手克服のための塾・家庭教師・通信教育の使い分け

回答

苦手克服のための学習形態は「つまずきの重症度」と「家庭環境」の2つの軸で考えます。軽症(つまずきが1〜2単元)なら通信教育、中症(複数単元でつまづき・一人で進められない)なら個別塾か家庭教師、重症(強い苦手意識があり、苦手意識が長期化している)なら家庭教師が最も合います。費用・通塾の負担・保護者の関与コストも合わせて判断します。

「算数が苦手なのに塾で大勢と一緒に授業を受けても追いつけない」「通信教育を試したが一人では続かない」——学習形態の選択ミスは、苦手克服を遅らせます。この記事では3つの選択肢の特性・重症度別のおすすめ・費用対効果を整理します。

① 各選択肢の特性比較

通信教育(タブレット含む)の強みは、自分のペースで前の単元に戻りやすい・保護者の送迎不要・コストが低いことです。弱点は、一人で取り組む力が前提になることと、疑問点をその場で解消しにくい点です。集団塾は競争する環境と授業進度が一定である一方で、苦手な子には授業のペースが合わないことが多く、「わからないまま授業が進む」という状態が続きやすいです。個別指導塾は講師が子どものペースに合わせられ、その場で質問できる環境が強みです。ただし、コストと通塾の負担が高くなります。家庭教師は子どもの理解度に合わせて指導できる・保護者が様子を見やすい・通塾不要という点が特徴で、最もつまずき箇所を個別に修正しやすいです。ただし、コストも最もかかります。

② 重症度別のおすすめ

つまずきが軽症(特定の1〜2単元・本人が一人で進められる)なら通信教育がおすすめです。費用が低く、前の単元に戻ることができるタブレット教材であれば、保護者の負担を最小化しながら苦手を克服することができます。中症(複数単元でつまづき・一人で進められない)なら個別指導塾か家庭教師を検討します。詰まったときにすぐに対応できる環境が必要になるためです。重症(強い苦手意識があり、苦手意識が長期化している)なら家庭教師が最も適しています。「どこでつまずいているか」を時間をかけて特定しながら、子どものペースで進めることが苦手意識の回復に必要です。

③ 費用対効果の考え方

費用対効果は月額の費用だけでなく、「子どもの状態に合っているか」が最も大事な要素です。個別塾が月3万円かかっても軽症なら通信教育(月5,000円)と同等以上の効果が得られる場合があり、逆に通信教育でコストを抑えても重症では効果が出ず時間を無駄にするケースもあります。重症度を正確に把握したうえで形態を選ぶことが、費用対効果を最大化する唯一の方法です。

4つの学習形態の特性比較

比較ポイント 通信教育 集団塾 個別指導塾 家庭教師
年間費用目安
(公立小)
約5〜6万円 約20〜30万円 約12〜36万円 約24〜48万円
前の単元へ
遡って対応
教材次第で可 困難 対応可 高い柔軟性
詰まったときの
即時対応
解説動画で補完 授業後のみ 授業中に可 授業中に可
保護者の学習以外での
関与コスト
低い 中(送迎) 中(送迎) 低い(自宅)
向いている
重症度
軽症 苦手克服には
不向き
中症 中症〜重症

統計

文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」によると、公立小学校で通信教育・家庭教師費を1円以上支出した児童の割合は39.5%でした。また、実際に支出した家庭に限った年間平均額は、学習塾費が約19万3,000円、通信教育・家庭教師費が約5万7,000円で、約3.4倍の開きがあります。費用だけでなく、子どものつまずきの程度・自走力・家庭で支援できる時間などを照らし合わせて学習形態を選ぶことが、費用対効果を考えるうえで重要です。
参照:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」

通信教育の設計・費用・対象学年の詳細な比較については、RISU教材比較ガイド をご覧ください。

よくある質問

塾と通信教育、どちらが苦手克服に向いていますか?

つまずきの重症度次第です。1〜2単元のつまずきで本人が一人で進められるなら通信教育が費用対効果で優れます。つまづきが複数単元にまたがり、一人では学習を進められないなら、個別に質問ができる個別指導塾か家庭教師の方が向いています。集団塾は苦手克服よりも受験対策・先取りに向いており、苦手が強い状態での集団塾は、わからないまま授業が進むリスクがあります。

費用対効果が最も高いのはどれですか?

子どもの状態に合っている形態が費用対効果も最も高くなります。高額でも状態に合っていれば短期間で苦手を克服でき、低コストでも合っていなければ何ヶ月も効果が出ないまま費用だけかかります。軽症なら通信教育が最も費用対効果に優れ、重症なら費用が高くても家庭教師を選ぶ方が苦手を克服できるようになります。まず重症度を確認してから形態を選ぶことが費用対効果の最大化につながります。

家庭教師が向いているのはどんなケースですか?

「どこでつまずいているかを個別に時間をかけて見てほしい」「自宅で対応してほしい・通塾が難しい」「苦手意識が強く集団の場に出づらい」というケースで家庭教師の適性が高くなります。特に、複数学年にまたがるつまずきがある・苦手意識が強い・保護者が学習を見る時間がないという状況では、家庭教師が他の選択肢より機能しやすいです。

今木智隆
RISU Japan株式会社 代表取締役
今木智隆

京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、デジタルマーケティング専門コンサルティングファームのビービット入社。
 金融・消費財・小売流通領域のサービスに従事し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した幼児から小学生向け算数教材で、のべ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。