算数オリンピック・キッズBEEとは?
算数オリンピックは、国境・言語・人種の壁を超えて、地球上すべての子供たちが、算数という万国共通の種目で思考力と独創性を競い合う大会です。
「算数」を世界の共通語と認識し、世界の子供たちに「算数」をスポーツやゲーム同様に楽しんでもらい、未来を担う新しい才能を発見し育成する場として、フィールズ賞受賞者であり世界的な数学者である「広中平祐先生」により提唱されました。
1992年に第一回大会が開催され、以後毎年開催されております。
算数オリンピックは、世界中の子供たちが競い、語り合うのが目的ですから、学習進度や受験の目安のテストではありません。
(算数オリンピック公式HPより引用)
2024年 算数オリンピック開催情報
本年度の算数オリンピックの開催予定は次の通りです。
算数オリンピック・キッズBEEに出るためには、公式HPから申し込みを行う必要があります。
地方大会は、予備校や学習塾が会場となっているため、地方にお住まいの方も、自宅の近くで受験することができます。
トライアル地方大会
算数オリンピックではまず予選として各地方でトライアル大会が開催されます。
会場は塾・予備校を中心に全国250か所以上ありますので、お近くの会場で参加することができます。
【日程】 :2024年6月16日(日)
【参加費】 :1人 5,250円(税込み)
【会場】 :算数オリンピック委員会の指定する全国の会場
【申込期間】:申込期間は4/1(月)~5/20(月)
※詳しくは算数オリンピック公式HPをご確認ください。
ファイナル決勝大会
トライアル地方大会を勝ち上がった全国の兵(つわもの)たちが集結し、さらにハイレベルな闘いに臨みます。
【日程】 :2024年7月21日(日)
【参加費】:無料(交通費は自己負担)
【会場】 :東京・大阪・福岡予定
表彰式
入賞者は東京で開催される表彰式に参加することができます。
メダルやトロフィーの授与が行われ、6月から始まった熱い夏の戦いが感動のフィナーレを迎えます。
【日程】:2024年8月18日(日)
【会場】:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京代々木)
算数オリンピックの5部門
算数オリンピックには、対象学年ごとに全部で5つの部門が存在します。
それぞれの部門について、簡単にご紹介します。
①キッズBEE(小学1〜3年生)
キッズBEEは、小学1〜3年生を対象(未就学児は参加不可)とした大会です。
算数オリンピックの中では最も対象年齢が低く、複雑な計算問題というよりは、ひらめきを重視した問題が多いことが特徴です。
大人でもパッと見ただけでは解けない問題も多く、IQテストにも通じるような柔軟な発想が求められます。
算数の勉強を始めてみて、「うちの子センスがいいかも」と気づいて、キッズBEEに興味を持たれたおうちの方も多いのではないでしょうか。
キッズBEE専用のテキストも出版されていますので、出場を検討される場合は、まず専用テキストで対策するとよいでしょう。
②ジュニア算数オリンピック(小学1年生~5年生)
ジュニア算数オリンピックは、小学校5年生以下を対象とした大会です。
小学校3年生以下を対象とするキッズBEEがあるため、主な参加者層は4、5年生が中心です。
より幅広い年代の子どもに算数を楽しんでもらうことを目的として、1997年に創設されました。
出題される問題のレベルは小学4年生修了を目安としていますが、必ずしも文科省の指導要領に準拠しているとは限らないため、注意しましょう。
③算数オリンピック 小学生全学年(主に小学6年生)
算数オリンピックは、小学6年生以下を対象とした大会です。
1992年の創設以来、すでに30回以上開催されており、算数オリンピックの中で最も歴史ある大会です。
小学生であれば学年を問わず参加することができますが、主な参加者層は小学6年生です。
出題される問題のレベルは小学5年生修了を目安としていますが、前述のジュニア算数オリンピックと同様、必ずしも文科省の指導要領に準拠しているとは限らない点に注意しましょう。
④ジュニア広中杯(中学1年~2年)
ジュニア広中杯は、中学校1、2年生を対象とした大会です。
小学生は参加することができません。
2004年に創設されたジュニア広中杯は、次に紹介する広中杯の腕試しに最適なレベルとなっています。
広中杯を目指しているお子様は、一度ジュニア広中杯にチャレンジしてみることをお勧めします。
原則として、出題範囲は中学1年生修了を目安としていますが、「平面幾何」の単元に関しては例外となっています。
⑤広中杯中学生数学大会(中学校1〜3年生)
広中杯中学生数学大会は、中学校1〜3年生を対象とした大会です。
数学界において最高の栄誉であるフィールズ賞の受賞者で、算数オリンピック会長でもある広中平祐京大名誉教授にちなみ、2000年に創設されました。
中学生であれば学年を問わず参加することができますが、主な参加者層は中学3年生です。
原則として、出題範囲は中学3年生1学期修了を目安としていますが、ジュニア広中杯と同様、「平面幾何」の単元に関しては例外です。
算数オリンピックの問題例
算数オリンピックではどんな問題が出るのでしょうか?
キッズBEEファイナルと算数オリンピックファイナルで実際に出題された問題をご紹介ていきます。
解答解説や他の問題は算数オリンピック公式ホームページの過去問紹介をご確認下さい。
【キッズBEE ファイナル】
【算数オリンピック ファイナル】
(算数オリンピック公式HPより引用)
いかがでしょうか?
大人であっても何から考えればいいか、瞬時に思いつく人は少ないかと思います。
算数オリンピックやキッズBEEで出題される問題は、該当する学年の文部科学省指導要領に沿って作成されています。
しかしながら、指導要領に準拠した内容とはいえ、算数オリンピックの問題はかなり手強い難問ばかり。
単純な計算力ではなく、問題文を理解するための読解力や条件を整理する力など、複合的な「算数力」が求められるます。
算数オリンピックで身につく3つの能力
過去問でご紹介したように、算数オリンピックの問題はとてもハイレベルです。
確かな算数の基礎力を築いた上での、深い思考力が求められます。
(算数をが得意な子に育つ方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています)
このような難問にじっくりと取り組み、正解にたどり着く達成感を通して、さまざまな力を伸ばすことができます。
ここからは、算数オリンピック身につく3つの能力について解説します。
①柔軟な思考力
算数オリンピックでは、複雑な計算問題というよりは、思考力を重視した問題が多数出題されます。
そうした問題に対応するには、柔軟な発想と論理的思考力が必要不可欠。
まずは過去問や専用テキストでじっくりと問題に取り組み、柔軟な思考力をトレーニングしましょう。
思考力とは、問題解決の道すじを考えて、最適な選択を判断する力のこと。
思考力は、算数の問題を解く時のみならず、社会においてさまざまな場面で求められます。
算数オリンピックを通じて身につけた柔軟な思考は、きっと将来にわたってお子様の心強い味方となるでしょう。
②粘り強く考え抜く力
算数オリンピックで出題されるのは、簡単に答えが出るような問題ではありません。
そのため、答えにたどり着くまで何度も試行錯誤を繰り返し、最後まで粘り強く考え抜く力く必要不可欠です。
対策勉強をこつこつ継続するのはもちろん、本番の緊張感の中でも落ち着いて最後まで考え抜くというのは、お子さんの一生に役立つ大きな力となるでしょう。
③難問への耐性
算数オリンピックへの出場を検討されている方の中には、中学受験をめざしているという方も多いでしょう。
算数オリンピックを通じて、中学受験で出題される算数の難問への耐性をつけることができます。
算数は、中学受験で最も差がつきやすい教科だと言われています。
算数をしっかり自分のものにすることが、志望校合格への近道なのです。
したがって算数オリンピックで難しい問題形式に慣れておくことで、中学受験で周りと差をつけることができるでしょう。
算数オリンピック対策におすすめの勉強法
算数オリンピックで出題される問題は、該当する学年の文部科学省指導要領に沿って作成されています。
しかしながら、指導要領に準拠した内容とはいえ、算数オリンピックの問題は非常に手強いもの。
大人でも簡単には解けない問題が多く、算数オリンピックで結果を残すためには、算数オリンピック対策に特化した勉強が必要になります。
算数オリンピックに向けた準備としては、特殊な問題形式に慣れることが最も重要です。
算数オリンピック対策専門塾などもありますが、まずは公式問題集や専用テキストを入手して、どのような問題が出るのかを知ってから対策を行いましょう。
算数オリンピック過去問題集
算数オリンピック大会、ジュニア算数オリンピック大会、広中杯ジュニア広中杯、に実際に出題された問題と解説解答が10年分収録されています。
算数オリンピック公式HPから購入できます。
キッズBEE過去問題集
キッズBEEトライアル、ファイナル大会の問題と解答解説が10年分収録されています。
初めて算数オリンピック キッズBEEに挑戦するという方は、まずはどんな問題が実際に出題されるのか、おうちの方が確認してみましょう。
「こんな問題が出るんだよ!面白そうだから一緒にやってみよう」と、親子で一緒に楽しんでスタートできるといいですね。
明日への算数
キッズBEE、ジュニア算数オリンピックのメダルを目指す小学校3~5年生対象ハイレベルの問題集。
「どんどん難問を解きたい!」という意欲のあるお子さんは、ぜひ挑戦してみましょう。
「RISU算数」で難問揃いとして大人気の「スペシャル問題」には算数オリンピック対応問題も収録されています。
RISU算数
いきなり過去問に挑戦するのはちょっとハードルが高いかもしれませんよね。
RISU算数では無学年制を採用しており、算数の基礎から応用まで、お子さんのペースに合わせて効率よく学ぶことができ、応用問題にもどんどん挑戦できます。
(RISU算数「スペシャル問題」より抜粋)
数学オリンピックとの違いは?
ここまで、小中学生を対象とした「算数オリンピック」について解説してきました。
最後に、高校生を対象とした「数学オリンピック」をご紹介します。
数学オリンピックとは、高校2年生以下であれば誰でも出場できる数学の大会です。
したがって小学生や中学生であっても参加可能です。
数学オリンピックで結果を出せば、大学の推薦入試に使うことができます。
また、就活のアピールポイントとしても使えることから、資格の一つとして捉えることもできます。
ただ、算数オリンピックは市販の問題集で対策すれば誰でも手が届く大会でしたが、数学オリンピックはきわめてハイレベルな大会です。
数学を趣味として常に楽しんでいるレベルでなければ、結果を出すことは難しいかもしれません。
将来的に数学オリンピックを目指すのであれば、小さい頃から熱心に算数に取り組み、まずは算数オリンピックで難しい問題形式や大会の雰囲気に慣れておくのがベターでしょう。
算数オリンピックは数学オリンピックと比べて難易度が低く、気軽に参加することができます。
しかし、全く対策を講じずに本番に臨んだ場合、一問も解けない可能性もあります。
もし記念に参加するという軽い気持ちで合っても、お子様にとって意味のある経験にするために、しっかりと対策した上で臨みましょう。
国際数学オリンピック
数学オリンピックの成績優秀者は、国際数学オリンピックの日本代表に選抜されます。
国際数学オリンピックは、世界のさまざまな国と地域の数学的才能に恵まれた人たちが集まり、才能を伸ばすチャンスを与える大会。
数学好きの若者から教育関係者まで、数学の世界を牽引するリーダーたちが互いに国際交流を深めることも目的としています。
大会は、1日4時間半・各3問の筆記試験に2日間に渡って取り組むという内容で、2日間の合計得点で成績が決まります。
国際数学オリンピックでは、金・銀・銅メダルそれぞれ1名ずつが表彰されるのではなく、金メダルは参加者の1/12、銀メダルは1/6、銅メダルは1/4が受賞できる仕組みになっています。
日本では1990年以来毎年、全国から選出された6名の高校生が日本代表として国際数学オリンピックに参加しています。
算数オリンピックと比べるとかなりスケールが大きく、遠い世界の話に感じられるかもしれませんね。
しかし、小学生のうちから算数オリンピックに参加しておくことで、お子様が算数への興味を深めるきっかけとなり、将来的には日本代表として国際数学オリンピックへ出場するのも夢ではありません。
算数オリンピック・キッズBEEに挑戦し算数への興味を広げよう!
本記事では最新の算数オリンピック開催情報に基づき、算数オリンピックの対策法や、算数オリンピックに挑戦することで身につく3つの能力などについて徹底解説しました。
算数オリンピックへの挑戦を通じて、将来にも役立つ様々な能力を養うことができます。
そして数学的センスは生まれつきのものではなく、正しい方法で勉強すれば誰でも磨くことができます。
まずは地道に問題演習を重ね、一歩一歩着実に力をつけていきましょう。
お子さんの算数への興味を深めるきっかけ作りに、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。
RISU算数を活用した中学受験のリアルな体験談や口コミはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
またRISU公式ブログでは、成績優秀者へのインタビュー、算数検定合格者、中学受験合格の声を多数ご紹介しています。RISU利用者のリアルな体験談をぜひお読みください!