全国に3校しかない男子小学校の一つで、男子だけの環境だからこそ、性別による違いを過度に意識せず、それぞれの興味や関心を追求しながらのびのびと成長できます。
ただし、入学試験は一般的なペーパー試験とは異なっており、「どのような子どもが合格するのか」「どのような対策が必要なのか」と悩む方も少なくありません。
この記事では、立教小学校の教育や、入試内容、合格する子どもの特徴などを解説します。
受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
立教小学校はどんな学校?教育と校風の特徴
まずは立教小学校がどのような学校なのか、教育方針や校風を見ていきましょう。

立教大学までつながる一貫教育
立教小学校は、立教学院の一貫教育の入り口に位置する学校です。
卒業後はほとんどの子どもが立教池袋中学校・高等学校または立教新座中学校・高等学校へ進学し、立教大学や大学院へと繋がります。
一貫校ならではのつながりを生かした授業も特徴で、体育では立教大学の水泳部やアメリカンフットボール部、サッカー部の学生が指導に訪れるなど、中・高・大の生徒や教師との交流も盛んです。
学校の垣根を越えた交流も交えながら、人格形成に重要な約20年間を見据えて子どもを育てる教育は、立教学院の大きな魅力の一つです。
全国的にめずらしい男子小学校
立教小学校は、全国に3校しかない男子小学校の一つです。
男子だけの環境だからこそ、性別による違いを過度に意識せず、それぞれの興味や関心を追求しながらのびのびと成長できます。
また、男子の発達や興味を理解し、子どもの心をつかみながら、一人ひとりの個性や成長に寄り添う教師が多いことも立教小学校の特徴です。
男子教育のノウハウを持つ立教小学校は、男子ならではの好奇心を伸ばしたい家庭にとって適した学校といえるでしょう。
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キリスト教を土台とした愛の教育
立教小学校の教育は、キリスト教(プロテスタント)の精神を土台としています。
立教学院は、アメリカ聖公会から派遣された宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズによって設立されました。
現在も、神や人を敬う心を大切にしており、学校生活の中でも多くの礼拝でキリスト教に触れる機会が設けられ、日曜礼拝や日曜学校への参加も推奨されています。
男子だけで学校生活を送る中では、ときに友人同士で意見がぶつかったり、いざこざが起きたりすることは少なくありません。
そうした日々の中で、キリスト教信仰による愛の教育が土台となって、相手を敬い思いやる心を育めることも、立教小学校の大きな特徴です。
豊かな体験を通して広い視野と思いやりを育む
立教小学校では、自然や文化、人との関わりを通じた経験を大切にしており、以下のようなさまざまな体験の機会が用意されています。
- 選択制の宿泊体験学習(北海道や屋久島、沖縄、小笠原など)
- 軽井沢キャンプ
- 清里ボランティアキャンプ
- 関西フィールドワーク
- 立教英国学院でのサマープログラム
なかでも設立以来、大切にされている行事がキャンプです。
立教学院が所有する軽井沢の小学校専用キャンプ場では、1年生のキャンプに加え、2〜4年生による縦割りキャンプも実施しています。
自然の中での野外炊事やテント泊を通して、神を賛美する心を育み、キャンプの技術を身につけるとともに、他者の価値観にも触れます。
こうした経験が、豊かな感性や広い視野を育む点も、立教小学校の魅力です。
立教小学校の倍率から見る難易度
2025年に実施された入学試験では、倍率4.3倍の高倍率となりました。
- 募集人数:120人
- 志願者数:約515人
- 倍率:約4.3倍
繰り上げ合格は毎年10〜20人程度に及ぶとみられるため、実質倍率は3.7〜4.0倍前後で推移していると考えられます。
ただし、2026年に実施される入試では、募集人数が108人に変更されました。
また、年度によって試験日程が変わる立教小学校は、ほかの私立小学校との併願状況によって志願者数も変動しやすい傾向があります。
もともと難関校ですが、募集人数の減少や志願者数の動向によっては、今後さらに競争が激しくなる可能性があります。
立教小学校の入学試験内容と特徴
立教小学校の入学試験は、一般的な私立小学校の試験とは異なり、ペーパーテストがなく、集団と個々、それぞれの様子をしっかりと見る試験です。
どのような試験が実施されるのか見ていきましょう。
1日目:行動観察・個別質問
1日目の試験では、集団で絵本の読み聞かせやDVDを視聴した後、数名ずつ別室へ移動し、先生から一人ずつ質問を受けます。
質問では、カードなどの小物を使って物語の内容を答える問題のほか、「登場人物はどう思ったのか」「自分ならどう考えるか」といった、自分の考えを問う問題も出題されます。
過去には、以下のような絵本が題材として使用されました。
- としょかんライオン
- かいじゅうたちのいるところ
- くまのコールテンくん
- はじめてのおつかい
- わすれられないおくりもの
冒険や挑戦を描いた作品、登場人物の気持ちが変化する作品が選ばれる傾向があります。
一般的に、小学校受験で頻出する「お話の記憶」は、音声で流れる話を聞き、その後にペーパーで質問に答える形式です。話を正しく聞き取る力や記憶力などが問われます。
一方、立教小学校の考査では、物語の流れを覚えているだけでは十分とはいえません。
耳と目で物語をしっかり理解し、登場人物の気持ちを考えたり、自分なりの感想を持ったりする力も求められます。
また、考査で見られているのは、先生とのやり取りだけではありません。
読み聞かせを聞く集団での様子や、順番を待つ時間の過ごし方なども含めて、一人ひとりの様子が丁寧に見られています。
2日目:運動・個別テスト
2日目は、運動と個別テストが実施されます。
運動では、過去に模倣ダンスや創作ダンス、歌、かけっこ、ぞうきんがけなどが出題されました。
単に体幹の強さや、運動が得意かどうかだけを見ているわけではありません。
指示を聞いて動けるか、順番を落ち着いて待てるか、周囲と一緒に楽しめるかといった集団での様子を含めて観察されます。
また、先生1人に対して受験生1〜2名で行う個別テストも、重要な課題の一つです。
机の上に置かれた用紙や具体物を使い、授業形式で先生が考え方を確認しながら、練習問題、基礎問題、応用問題の順に取り組みます。
出題内容には、数の分配や位置の推理、四方観察など、思考力を問う問題があります。
そのため、正解を知っているかだけでなく、先生の説明を聞いてルールを理解できるか、間違いを指摘されたときに考え方を修正できるかなど、問題に取り組む過程も見られていると考えられます。
単に知識や正解を求めるのではなく、その場で説明を聞き、考え、学びながら対応する力が問われる考査といえるでしょう。
保護者面談
保護者面談は、10月の指定された日に保護者のみを対象に実施され、次のような内容について質問されます。
- 保護者の自己紹介や出身地・出身校
- 保護者の仕事内容
- 学校に期待すること
- 入学後の送迎は誰が担当するのか
- 寄付についてどう考えているか
- 子どもの成長を感じた出来事
質問内容からは、学校の教育方針を理解し、入学後も学校と協力して子どもを育てていける家庭かどうかを確認していることがうかがえます。
ときには保護者の職業などについて詳しく質問されることもあり、保護者自身の考えや人柄を知ろうとする姿勢も見られます。
こうした質問では、単に家庭の背景を確認するだけでなく、説明や対話の様子から、日ごろの親子の対話力や親子関係を見ていると考えられます。
学校への理解や志望理由だけでなく、日頃の子育てや保護者自身について、真摯に伝えられるよう準備しておくことが大切です。
試験のポイントと対策
立教小学校の入学試験ではペーパーテストを実施しませんが、数や位置、図形など、一般的な小学校受験のペーパー試験と共通するテーマも出題されます。
そのため、受験対策としてペーパー学習に取り組み、基礎的な知識や思考力を身につけておくと、立教小学校の考査にも対応しやすくなるでしょう。
また、絵本の読み聞かせも大切な対策の一つです。
子どもの心情が丁寧に描かれた作品や、さまざまな登場人物が出てくる作品など、幅広い絵本に親しみ、物語について親子で語り合う時間をつくるのもおすすめです。
同時に、集団の中で適切に行動する力も育てる必要があります。
家庭でも、ルールや条件のある遊びを取り入れ、説明をよく聞き、ルールを理解して行動する習慣を身につけておくとよいでしょう。
立教小学校に受かる子・家庭の特徴
試験の特徴をもとに、立教小学校がどのような力を持つ子どもを求めているのかを解説します。
人の話を聞き、考えながら取り組める子
人の話をよく聞き、考えながら取り組める姿勢は、立教小学校に合格する子どもに共通する特徴です。
立教小学校の考査では、個別テストや創作ダンスなど、先生の話や説明から、自分なりに試行錯誤して取り組む課題が設定されています。
そのため、自分の考えを持つだけでなく、人の話を素直に受け止め、新しい考えを取り入れられる柔軟さや、間違いを指摘されたときの気持ちの切り替えが大切です。
また、男子校であり活発な子どもたちが集まる学校生活では、ときに意見がぶつかったり、友人同士でトラブルが起きたりすることも少なくありません。
長い付き合いとなる一貫校のなかでは、相手の話を聞き、自分とは異なる考えも受け止めながら行動する姿勢が、入学後の学校生活でも大切になるでしょう。
ルールを守りながら活動を楽しめる子
ルールを守りながら活動を楽しむ姿勢も、立教小学校に合格する子どもの特徴の一つです。
立教小学校の考査では、子ども同士で相談や話し合いをする一般的な行動観察とは異なり、集団での読み聞かせや歌など、同じ活動に取り組む中での様子が見られます。
そのため、自分勝手に行動するのではなく、周囲の状況や決まりを理解し、場面に応じて行動を調整する力が求められます。
一方で、ただ指示に従えばよいわけではなく、周囲の子どもと一緒に活動を楽しみながら参加できるかどうかも大切です。
決まりを理解したうえで、その場の活動をのびのびと楽しめる子は、立教小学校の入試でも力を発揮しやすいといえるでしょう。
自分の考えや気づきを、自分の言葉で伝えられる子
自分の考えを自分の言葉で伝える力は、立教小学校に合格する子どもが共通して持っている特徴です。
入試では、2日間の考査のどちらにも先生と個別にやり取りする時間があり、受験生個人をじっくりと観察する内容となっています。
そのため、先生の問いかけを理解し、自分なりの考えを丁寧に伝える力が必要です。
立教小学校では1年生から日記教育を大切にしており、先生が子ども一人ひとりと日記を通してやり取りをします。
「自分はこう思う」と自分なりの考えを持ち、それを相手に伝えようとする姿勢は、入試だけでなく、入学後の学びでも大切になるでしょう。
キリスト教教育・男子教育に賛同する家庭
立教小学校に合格する家庭は、キリスト教教育や男子校であることをよく理解して志望するという共通点があります。
立教小学校は、学校と家庭が協力して子どもを育てる考えを大切にしているため、教育方針や特色に対する家庭の理解が欠かせません。
そのため、立教大学への内部進学だけを目的にするのではなく、学校が大切にしているキリスト教を土台とした価値観や男子校ならではの特色をよく理解しておきましょう。
学校の教育に共感し、入学後も学校と協力しながら子どもの成長を支えていこうとする姿勢は、立教小学校を志望する家庭に求められる要素の一つといえます。
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立教小学校卒業後の進路
立教小学校を卒業した子どもには、立教学院の中学校へ進学する道が用意されています。
- 立教池袋中学校
- 立教新座中学校
- 立教英国学院中学部
内部進学制度がありますが、希望者が内部推薦枠を上回った場合には抽選が行われます。
例年の進学先を見ると、立教池袋中学校へ約50〜60名、立教新座中学校へも約50〜60名と、同数程度が進学する傾向です。
立教英国学院への進学者はあまりおらず、ほとんどが立教池袋・立教新座のどちらかに進学します。
また、立教池袋・立教新座高等学校から立教大学へは8〜9割が進学します。
一方で、全員が立教大学まで進学するわけではありません。
中学受験や大学受験など、途中で別の進路を選ぶケースもあり、子どもの興味や学び方に合わせて選択できる点も特徴といえるでしょう。
内部進学、外部進学のどちらを考えるにも、家庭学習の習慣が大切です。
通信教育や、RISU算数などタブレット教材を活用して基礎的な思考力を伸ばしておくと、内部進学にも、外部受験にも対応できるでしょう。
立教小学校の受験でよくある質問

最後に、立教小学校の受験を検討する保護者からよく寄せられる質問を紹介します。
立教小学校の学費はいくらですか?
立教小学校の2026年度の学費は、入学金を含めると初年度に170万円以上の費用がかかります。主な費用は以下のとおりです。
2026年度学費
- 入学金:340,000円
- 授業料:804,000円
- 維持資金:318,000円
- 健康管理費:39,000円
- 教材費:36,000円
- 冷暖房費:9,000円
- 校外行事等費用:100,000円(1年生・学年によって異なる)
- PTA費:4,800円
- 給食費:110,000円
また、任意ではあるものの、1口10万円の寄付金も案内されています。
なお、立教小学校の公式サイトでは、2027年度から学費を改定する予定であると発表されています。
立教小学校の受験に幼児教室は必要ですか?
立教小学校を受験する場合、幼児教室などで一定の対策をする必要があります。
立教小学校はペーパーテストを実施しない「ノンペーパー校」ですが、かといって特別な準備をせずに受験できるわけではありません。
個別テストでは数の分配や位置の推理、四方観察など、一般的な小学校受験のペーパー学習と共通する思考力が問われます。
また、絵本を使った口頭試問や、先生の説明を聞きながら進める個別テストなど、立教小学校ならではの考査にも慣れておく必要があります。
問題を大量に解かせたり、答え方を完璧に訓練したりする必要はありませんが、入試の特性を理解している幼児教室の指導のもと、子どもの力を伸ばしていくことが大切です。
立教小学校の学校説明会や運動会には参加したほうがいい?
立教小学校の受験を考えている場合は、できる限り学校説明会や行事に参加しておくとよいでしょう。
学校側は、説明会や行事への参加回数が合否に影響するわけではないと案内しています。
しかし、説明会や、学校探検、運動会といった行事への参加は、学校への理解を深めるとともに、受験生本人の意欲にもつながります。
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立教小学校の受験は難しい?まとめ
立教小学校は、男の子がのびのびと過ごせる環境がある一方、キリスト教を土台とした教育を通して、敬愛や感謝、思いやりの心を育める学校です。
倍率4倍を超える難関校ですが、試験日程によって志願者数が変わりやすい点も特徴です。
想定外の倍率となる可能性もあるため、入念に準備しておきましょう。
入試ではペーパーテストを行わず、個別テストや口頭試問、運動などを通して、一人ひとりの子どもを丁寧に評価します。
そのため、知識を詰め込んだり、問題を早く解く訓練をしたりするだけでは十分とはいえません。
先生の話を聞いて考える力や、自分の言葉で気持ちや考えを伝える力など、立教小学校の考査に合った準備を進めることが大切です。
立教小学校の教育方針や入試の特徴をよく理解したうえで、子どもらしい素直さや好奇心を大切にしながら、必要な力を伸ばしていきましょう。
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中学受験をご検討の方はぜひこちらもお読みください。
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