特に小4後半から小5にかけてSAPIXの算数は急激に難しくなり、多くのご家庭で「算数の壁」にぶつかります。
算数の壁を乗り越えるポイントは次の3つです。
・膨大なプリントを全部やろうとしない
・「わからない場所」まで戻る
・「一人で解けた!」という成功体験を増やす
本記事では、SAPIXで成績が上がらない原因と対策法を具体的に解説しています。
サピックスに通うお子さんの成績が上がらずお悩みの方はぜひ最後までお読みください。
目次
SAPIXで勉強しているのに点数が伸びない理由

勉強はしているのに塾のテストで点数が取れない、というケースはとても多いです。
ここではサピックスの家庭学習に毎日追われているにも関わらず、成績が伸びない原因について詳しく解説します。
①「宿題を終わらせること」が目的になっている
質が高いと言われるサピックス教材の特徴は以下の通りです。
- 最新の中学入試から逆算された実践的な内容
- 全クラスが同じ教材を使用
- 基礎から応用まで隙なく大量の問題を網羅
サピックスではデイリーサピックスというメイン教材を使います。
授業用と家庭学習用が一体となったプリント冊子で、最上位のαクラスから全アルファベットクラスまで共通で使用します。
(他にも基礎力トレーニングや漢字トレーニングといった家庭学習用教材もあります)
デイリーサピックスは類題が多く非常にボリュームのある教材ですが、真面目なお子さんやクラスアップに必死なご家庭ほど「全部やらなきゃ」となりがちです。
無理に全部を解こうとする結果、「理解する」ことよりも「埋める」ことが目的になってしまうケースが目立ちます。
サピックスのテストはどのクラスも同じ問題です。
最上位層の子にとって解き応えのある難問も含まれるので、作業的な家庭学習で理解が浅いままでは、サピックスの問題に太刀打ちできません。
②「前の学年の内容」でつまずいている
算数は積み重ねの教科です。
たとえば小5で「比」がわからない原因を辿ると「割合」の理解や小4で学習した「分数」の理解が曖昧だったというケースは多いです。
さらに遡っていくと、低学年の内容理解が曖昧だったり、基礎的な文章題のトレーニングが不十分なことが高学年に影響することも珍しくありません。
SAPIXのカリキュラムはスパイラル学習。
何度も繰り返し学習していく前提なので、授業進度がとても速いという特徴があります。
スパイラル学習では、繰り返しながら内容がどんどんレベルアップしていきます。
前の単元に不安があるままでは土台がぐらついてしまい、できること以上に「できないこと」も増えてしまいます。
③テスト直しが「解説の丸写し」で終わっている
サピックスでは小テストからクラス分けテストまで、多くのテストがあります。
これらのテストを受けっぱなしにしたり、解説を読んで写すだけで終わってしまっているご家庭は多いのではないでしょうか。
解説を読んだだけ、写しただけで「わかったつもり」になってしまうと、いつまでも自力でできるようにはなりません。
このようにテストの復習が不十分な場合も成績が上がらない要因となります。
サピックス算数の成績が上がらない時の対策法

成績が上がらない時こそ、実は「引き算」の考えが重要。
闇雲にテキストを全てやろうと学習量を増やすのではなく、家庭学習の「質」を見直しましょう。
「わからない場所」まで戻る
今の単元をどんなに勉強してもわからない時は、勇気を持って「前の学年」の関連単元に戻ってみてください。
例えば図形が苦手なら、角度や面積の基礎まで戻る。
一見遠回りに見えますが、「どこからわからなくなったのか」を特定し、そこを埋めることが、成績を上げクラスアップにつながる近道です。
どんどん進む塾の「今」の勉強は多少手薄になるかもしれませんが、この勇気がお子さんの将来を明るいものにします。
合否を分ける「重要単元」
小4後半から小5にかけて登場する単元は、入試本番で配点の高い「勝負どころ」ばかり。
ここでつまずいたまま放置すると、6年生の実践的な問題演習や志望校の過去問で手も足も出なくなってしまいます。
特に以下の3つに注意しましょう。
- 「割合と比」: 5年生の最重要テーマです。
割合の最も基本である「1にあたる量は何か」が曖昧なままだと、応用問題で必ず崩れます。
ここでの理解不足は、6年生の「速さと比」「図形と比」すべての単元に悪影響を及ぼします。 - 「平面図形・立体図形」: 図形問題は難関校頻出のテーマ。そのためサピックスでは急激にレベルアップしていきます。
補助線の引き方や、図形を分割して考えるセンスの元となる、基礎的な面積・体積の理解の深さが分かれ道です。 - 「速さ」の壁: 旅人算、時計算、通過算など「図や表で整理する力」が必要な単元です。
公式に数字を当てはめるだけの学習では、6年生でグラフ(ダイヤグラム)が出てきたとたんに点数が取れなくなります。
「中学受験の植木算とは?基本パターンと解き方のポイントを解説(学び相談室)」
SAPIXの膨大なプリントを全部やろうとしない
サピックスの「どのクラスでも同じ教材」というのは大きなメリット。
頑張り次第で誰でも難問にも挑戦でき、大幅なクラスアップを狙うということも理論上可能です。
しかし実は上位クラスを目指すからといって、テキストのすべての問題を解く必要はありません。
サピックスのテストはハイレベルですが、平均点は6割前後と決して高くありません。
つまり上のクラスであっても解けない問題がそれなりにあるということ。
したがって、今のお子さんの実力に合った問題(=少し頑張ればできそうな問題)に絞り、それを「完璧に、自力で解ける」ようにする方が、確実な成績アップが狙えます。
分かりやすい解説ツールを用意する
SAPIXのテキストの解説は、非常に簡潔です。
これは上位層の子にちょうど良いレベルを想定しているため。
ただ多くの生徒にとっては途中の解説が足りず、「なぜこの式になるのか」が分かりにくいので、どうしても答えを写すだけの作業になってしまいがちです。
しかしご家庭で全面的に解説してフォローしようとすると、親子の衝突に繋がります。
そもそもおうちの方の負担があまりに大きく現実的ではありませんよね。
そこでお子さんに合った解説ツールを用意しましょう。
ただし問題集を闇雲に増やすと、ただでさえ忙しいSAPIXの学習を圧迫してしまいます。
忙しいSAPIX生にはタブレット学習や動画解説など、細切れ時間を有効活用できるツールがおすすめです。
「タブレット学習で中学受験は可能?活用方法を教えてください(学び相談室)」
ご家庭のサポート体制の見直しも必要
サピックスで成績が下がってしまうと、おうちの方も焦りを感じるのは当然です。
しかし、その焦りが意図せずお子さんに伝わり、学習効率を下げてしまっているケースも多く見られます。
「なんでできないの?」は子供のやる気を奪うNGワード
人はリラックスして集中している時に、最も脳のパフォーマンスが上がります。
反対に「なんでこんな問題もわからないの?」「もっと頑張りなさい」と過度なプレッシャーをかけられると、お子さんは萎縮し脳のパフォーマンスが下がってしまいます。
勉強と「叱られる」「プレッシャーをかけられる」というネガティブな経験が結びつくと、やがて勉強嫌いに繋がります。
どんなに平気そうに見えても、成績が上がらないこと、テストの点数が取れないことに直面し一番苦しんでいるのはお子さん本人です。
おうちの方は叱咤激励のつもりでも、その言葉はお子さんを追い詰めてしまいかねません。
成績が上がらない時こそおうちの方は一呼吸置き、お子さんにかける言葉を慎重に選ぶようにしましょう。
「子どもの集中が続かない原因は?集中力を高める方法を知りたい(学び相談室)」
我が子の「小さな成長」を見つける
サピックスのクラスは相対評価です。
周りも必死に勉強しているため、本人が頑張っていてもクラスが上がらないことはよくあります。
しかし本当に注目すべきは、「先週できなかった問題ができるようになったか」「計算ミスが減ったか」というお子さん自身の成長です。
小さな成長の積み重ねがテストの1点となり、成績アップに繋がります。
ただ小学生であるお子さんは自分自身を正確に評価する力がまだ弱いです。
そのためテストの点数や偏差値、クラス名といった、見えやすい結果だけで自分を過小評価してしまうことも。
だからこそおうちの方が、お子さんの成長をたくさん見つけてあげることが大切です。
おうちの方の温かく落ち着いたサポートを実感できると、お子さんは「見てくれている」という安心感を得て、再び机に向かう力が湧いてくるでしょう。
親の役割を「教えること」から「環境作り」へシフト
成績が上がらない時こそ、おうちの方が無理に教え込むのではなく次のような「マネジメント」の姿勢にシフトしましょう。
- 学習のスケジュールを整える
- 宿題の取捨選択を行う
- 分かりやすい解説ツールを探す
- 集中できる環境を整えたりする
中学受験の算数は独特な内容です。
さらにこの30年ほどで、入試問題が非常にハイレベルに変化し、かつて開成中学で出題されたレベルの問題が今では偏差値50前後の学校で多くで出題されます。
おうちの方が中学受験の経験者だったとしても、今の中学受験算数を教えるのは簡単ではありません。
無理に教えようとするとかえって親子関係を悪化させてしまう恐れさえあります。
おうちの方は焦らず(焦りを見せず)、お子さんが勉強しやすい環境作りに専念しましょう。
子供が「一人で解けた!」という達成感を持てる時間を増やす
難関校受験専門塾であるサピックスの問題は非常にハイレベル。
大人だって負荷の大きな仕事ばかりではつらくなってしまいますよね。
それが子どもならなおのこと、難しい問題ばかり解かされては心が折れてしまいます。
できない問題ばかりでなく、少し易しめの問題で「あ、わかった!」「自分の力で解けた!」という成功体験をしっかり積ませてあげてください。
この成功体験こそ自己肯定感を上げ、難問に立ち向かうためのエネルギーになります。
「RISU算数」ならSAPIXの成績アップを強力サポート

算数の家庭学習には、算数専用タブレット教材の「RISU算数」がぴったりです。
RISU算数には計算問題から中学受験基礎まで約10000問を収録。
さらに算数ステージを修了すれば、中学数学にも挑戦できます。
無理なく苦手を克服し、算数・数学がどんどん得意になるRISU算数の特長をご紹介します。
「【体験談】RISU算数は中学受験に効果あり?難関校・塾なし受験など合格者たちの使い方を知りたい」
1.「無学年制カリキュラム」で一人ひとりにマッチ

RISU算数では無学年制カリキュラムを採用。
学年を超えて先取り学習をどんどん進めることも、つまずいた分野で学年を遡って復習することもタブレット一台で完結します。
2.「チュートリアル」「解説動画」で疑問を解決

新しい学習は丁寧なチュートリアルからスタート。
特に中学受験の特殊算はイメージできるかがカギ。
RISU算数なら視覚的イメージで理解できるから、初めての勉強内容でも問題をすらすら解くことができます。

分からない問題は解説動画で疑問を解決。
東京大学をはじめとするトップ大学生チューターによる解説動画や、応援メッセージ動画は、「わかりやすい!」と大人気です。
3:文章問題・図形問題が豊富

RISU算数では、文章問題や図形問題が豊富に出題されます。
計算問題だけでなく、段階的にレベルアップしていくことが、算数の本質的な理解につながります。
4:「スペシャル問題」で思考力を鍛える

算数オリンピック問題や中学入試なども「スペシャル問題」として多数収録。
スペシャル問題は通常問題を解き進めるとゲットできる「鍵」を集めることで挑戦できるハイレベルな問題。
「もっと難しい問題を解きたい!」という好奇心旺盛なお子さんはぜひ挑戦してみてください。
5:保護者様も安心のサポート体制

RISU算数には、自動採点機能や保護者の方への学習進捗お知らせするメールといった、学習サポート機能が満載。
さらにお子様のつまずきを検知すると、ベストなタイミングでヒントの解説動画を自動配信。
毎日忙しいおうちの方も、お子様の隣でつきっきりになる必要はなく、安心して学習を見守ることができます。
RISU算数を復習に使っています。一旦クリアした単元でもしばらく経つと忘れている場合があります。RISUの問題は単元ごとにまとまっており、非常に見やすいので、ピンポイントでその単元に戻って復習することができます。また、紙ではないのでかさばらず場所をとらないのも良いです。
(小5 SAPIX生 A.Oさんの保護者様)
「RISU算数は中学受験に効果あり?塾なしでも合格できる?活用例や体験談を知りたい(学相談室)」
サピックスの成績が上がらないときこそ、落ち着いて子どもを観察してみよう
SAPIXで成績が上がらないのは、決して「能力がない」わけではなく「やり方」の工夫が必要なだけかもしれません。
とくに算数は、一度コツを掴み基礎の穴が埋まれば、一気に点数が跳ね上がる教科です。
まずはお子さんの勉強の様子をよく観察し、「どこが難しいのかな?」と尋ねてみてください。
「目先の成績がすべてではない」というおうちの方の明るく前向きな姿勢は、必ずお子さんの実力を引き出すことにつながります。中学受験にはたくさんの壁が待ち構えています。
一つひとつ力を合わせて親子の絆を深めるかけがえのない時間にしていきましょう。
RISU利用者レビューでは、RISU算数をご利用いただいている保護者様の声をご紹介しています。
中学受験で志望校合格、大手塾模試で成績が大幅アップ、家庭学習の質が上がった、など皆様の参考になるリアルな体験談が多数。
RISU公式ブログでは、算数オリンピックメダリストや先取り学習での算数検定合格者、大手塾主催模試での成績優秀者など、お子様の声を中心にご紹介しています。
ぜひ一度お読みください!





