「文章問題ができない原因を把握する」
「文章問題を解く方法を実行する」
文章問題ができない原因はお子さんによってケースバイケース。
「問題文をちゃんと読んで!」では、なぜ文章問題ができないのかお子さんにはわかりません。
まずはつまずきの原因を明らかにした上で、お子さんの合ったレベルや方法で文章問題に取り組みましょう。
文章問題を解く方法を「テストの時にお子さんの力で」実行できるようにすることが、今回の記事の最終目標です。
本記事では、算数の文章問題を解決し、テストの点数アップ・成績アップする方法をわかりやすく解説していきます。
「子どもがなぜ文章問題につまずいているのかがわからない。」「『問題をよく読んで!』と伝えているんですが……」
といった悩みを抱えている親御さんは、ぜひ最後まで読んでください。
目次
「なぜ文章問題ができない?」原因を把握する
算数の文章問題ができないお子さんは以下の原因が考えられます。
これらの原因が複合的に絡まっているケースが大半。
まずはお子さんの文章問題が苦手な原因を分析してみましょう。
①語彙の不足
文章問題では、キーワードから「何を求めるか」を判断する力が必要になります。
そのため、文章問題を解決する以前にそもそも言葉を知らなかったり、言葉の意味がわからなかったりと、語彙が不足している場合があります。
②読解力の不足
読解力と聞くと国語をイメージする人が多いでしょう。
しかし、読解力は全ての教科の土台となる学力です。
「何が、どうした?」という主語・述語の関係や「て・に・を・は」などの助詞の理解が不足していると、「何と何を比べるのか?」「何から何を引くのか?」などがわかりません。
算数の文章問題を解くのに読解力は必須です。
読解力がないと国語だけでなく算数も苦手な子に…。文章題を克服する「すぐ実践できる」3つのポイントとは(HugKum)
③長文への抵抗感
文章問題を見ただけで、やる気が落ちるお子さんは多いです。
「なぜ文章への抵抗感があるのか?」
子どもの心の内を代弁すると、次のような感じでしょう。
「文章を読むのがめんどう」
「読んでもわかんない」
「どうせ計算できないし……」
「頑張っても間違えるから嫌だ」
文章問題は嫌なもの、というネガティブなイメージを持っているようです。
しかし文章問題を解く方法を知って、粘り強く解き、正解できると、
「解けると気持ちいい!」「算数て面白い!」
と算数をまるでゲームのように楽しく感じられるようになりますよ。
④問題の読み飛ばし・読み間違い
計算はできるけれど、文章問題ができないお子さんに多い原因です。
計算問題ばかりに取り組んできた結果、速く解くことばかりにこだわってしまい、
「式を立てるためのキーワードに気づかなかった」
「『~ずつ』って書いてあったのを読み飛ばした」
「自分が書いた数字を読み間違えた」
という、いわゆるケアレスミスを繰り返しやすくなります。
文章問題を解く方法を実行すれば、問題の読み飛ばしや読み間違いを防ぐことができます。
⑤教わった方法で解かない
学校や塾で習った方法に従わず、自己流で文章問題に挑もうとする子もいます。
この場合どうしても理解が不十分になりやすく、文章問題の数字や言葉を少し変えるだけで混乱し、誤答になるケースが多いです。
まずは基本の解き方を素直にマスターすることが大切。
「なぜこの式になるのか?」「この式にするよさは何か?」
教えられたことを正しく理解し、解法に至る過程を論理的に説明できると、文章問題が苦手から得意へと変わります。
「もっと効率よく解ける方法がある」と自分なりの解き方を試すのは、基本の解き方をマスターしてからにしましょう。
文章問題の克服で「考える力」アップ!
算数の文章問題を克服するメリットは、テストの点数や成績がアップするだけではありません。
どの教科にも必要な「考える力」のアップにつながります。
理解力が向上する
文章問題を克服すると理解力が向上します。
算数の文章問題は、端的で論理的な文章から成ります。
論理的な文章に多く取り組むことで、情報を整理する力や文章をすばやく読む力が身につきます。
新聞や読書などの活字やデータの読み取りにも強くなるので、物事を速く正確に理解する力が向上します。
読解力が向上する
言葉や文章への理解ができるようになると、文章問題の意図や文章問題にある関係を読み解くことができるようになり、読解力が向上します。
読解力の向上は他教科の文章問題を攻略する力にもなり、学力アップ・成績アップにつながります。
思考力が向上する
理解力・読解力がアップすると、思考力が向上します。
算数の文章問題では、問題を理解し、解決の見通しを立てた上で、解決のプロセスをたどることが重要ですが、文章問題の内容を速く正確に理解して解けるということは、じっくりと思考する時間を取れる、ということです。
こうした、文章問題から問われていることを正確に把握し、必要な解決方法を見つけて選択する思考プロセスは、学習以外にも役立ちます。
問題にぶち当たった時に、どうしたら問題を解決できるかを思考できる力は一生ものの力です。
算数の文章問題を解く方法
算数の文章問題を解く方法を5つ解説していきます。
簡単に取り組める方法から高度な方法まで解説しています。
お子さんが取り組みやすい方法で文章問題を解けるとよいです。
色々試し、お子さんに合った方法を繰り返し取り組み、テスト本番で実行できる力を育てましょう。
【初級】①音読する
まず、文章問題を音読します。
音読する効果は意外なつまずきに気づける点です。
- 語彙が乏しく文章を読めない
- 言葉の意味が理解できない
- 助詞につまずいている
音読すると、お子さんの文章を読む力やつまずきポイントが明らかになります。
「ちゃんと問題を読んで!」という𠮟責するよりも効果的に文章問題を解く方法を教えることができます。
また、文章問題を音読すると注意深く問題を読むことができます。
黙って読むよりも、問題を解くキーワードに気づけたり、問われていることがわかりやすくなったりします。
文章問題を音読させる際は、以下の点をお子さんに意識させるとよいです。
- 主語や述語、助詞の関係
- 文章を指しながら音読する
- テスト中は「心の中」で音読する
主述の関係や助詞の意味を的確に理解できるだけで、子どもの文章問題へのストレスはかなり減ります。
文章を指しながら音読すると読み飛ばしを防ぎ、問題解決のキーワードに気づくことができます。
ただ、テスト中は声を出せないので、「心の中」で文章問題を音読する練習もしてみましょう。
【初級】②文章問題で「何を聞かれているか」をはっきりさせる
文章問題が苦手なお子さんの言葉でよく聞かれるのが、
「何を聞かれているかがわからない」です。
文章問題を解けたと思っても、「自分が出した答えが何か」をわかっていないお子さんも意外と多いです。
まずは文章問題で「わかっていること」と「聞かれていること(=問われていること)」に線を引き、「何を求めればよいか」をはっきりさせましょう。
「わかっていること」を赤、「聞かれていること」を青としてマーキングします。
(※学校から色の指示がある場合には、それに準じてください。)
【問題1】(小学2年生) Aさんのクラスには女の子が21人、男の子が17人います。 クラスは、みんなで何人ですか。 |
この問題の場合は、
わかっていること:女の子が21人、男の子が17人→赤
聞かれていること:みんなで何人?→青
に線を引きます。
「みんなで」というキーワードから足し算であることがわかります。
【問題2】(小学4年生) Bさんはカードを21まい、Cさんは7まい持っています。Bさんの持っているカードのまい数は、Cさんの何倍ですか。 |
この問題の場合は、
わかっていること:Bさんは21枚のカード、Cさんは7枚のカード→赤
聞かれていること:Bさんのまい数はCさんのカードの何倍か?→青
と整理でき、「21(枚)は7(枚)の何倍?」と考える糸口ができます。
このように、文章問題から「わかっていること」と「聞かれていること」をはっきりさせると「何算の式になるか?」「答えの単位はいくつか?」が見えます。
最初は線を引くのに時間がかかって面倒かもしれません。
しかし、「何を求めればよいか」をはっきりさせることは、文章問題を確実にクリアするための基本です。
面倒だと思っても線を引き、「何を求めればよいか」を意識しながら問題を解いていると、次第に頭の中で情報を整理でき、文章問題の内容をイメージできるようになります。
焦らずコツコツと問題に取り組み、基本を身につけましょう。
【中級】③文章問題を図式化する
文章問題から「わかっていること」と「聞かれていること」を明確にしたら、それらを図や表にしてみましょう。
「何を答えるのか?」がより明らかになります。
先ほどの【問題2】を簡単な図にすると以下のようになります。
「倍」という言葉があると掛け算をイメージするお子さんは多いです。
しかし、【問題2】を図に表すと、掛け算の式ではないことに気づき、「Cさんから見て何倍か」と聞かれていることがわかります。
「もし掛け算にしてしまうと、二人が持っているカードの合計より答えが多くなってしまう」と気づけるといいですね。
ちなみに問題2の式は21÷7で、答えは3(倍)です。
このように、文章問題の情報を図に整理して式を立てるという「図式化」ができると、ほとんどの文章問題を解決できます。
少し補足をすると、小学4年生の算数では▢(四角)などの記号を式に入れて式を立てることが多くなります。
問題2の場合、「Cさんの7枚を▢倍するとBさんの21になる」と考えることもできます。
7×▢=21 → ▢=21÷7=3
数学の方程式のようですよね。
高学年の算数が、算数から数学への橋渡しとなっていることが分かります。
このような抽象的な思考法は高学年の算数でどんどん増えますので、必ず中学年のうちに身につけておきましょう。
小学校の授業レベルとしては、ここまでできれば合格。
中学受験を検討しているご家庭やさらに算数を得意にしたいお子さんは、①~③を完璧にした上で、ぜひ④以降にも取り組みましょう。
【上級】④様々なパターンの文章問題に触れる
ここからは少し上級レベルの文章問題を解く方法です。
文章問題に対する基礎力がしっかり固まったら、お子さんにさまざまなパターンの文章問題に触れさせてください。
さまざまなパターンの文章問題に触れると、
- 適切な解法を効率よく見つけられるようになる
- ひっかけ問題にも正確に対応できるようになる
など、実践的な問題解決力が高くなり、テストで高得点を安定して取れるようになります。
例えば以下の2つの問題を比べてみてください。
- りんごが5個あります。料理に使ったので3個減りました。りんごはいくつありますか?
- りんごが5個あります。3個食べました。残りはいくつですか?
どちらの問題も同じ式(5-3)になります。
「減った」や「残りは」は引き算のキーワードです。
表現が少し変わっただけで混乱してしまうお子さんは、様々な文章問題に触れて「式を立てるためのキーワード」をすばやく見つける練習をしていきましょう。
続いて次の3つの問題も比べてみましょう。
- 300mLをもとにすると90mLはいくつにあたりますか。
- 300mLを1とみると90mLはいくつにあたりますか。
- 90mLは300mLの何倍ですか。
3つの文章はいずれも「割合」を求める問題です。
これまでに解説した①〜③を使って式を立てられるようにしましょう。
まず「わかっていること」と「聞かれていること」を把握します。
「〜はいくつにあたりますか」「〜の何倍ですか」という言葉は割合のキーワードです。
割合は「比べる量(比較量)÷ものにする量(基準量)」という式で求められますので、問題文から「もとにする量」がわかれば解決できます。
「〜をもとにすると」「〜を1とみると」「〜の」は割合を求める文章問題のキーワードで、「もとにする量」を表します。
ですから、もとにする量は300、比べる量は90となり、90÷300という式が立てられます。
図にすると以下のイメージができます。
割合の文章問題は出題パターンが複数あり、問題文から具体的にイメージしにくい単元。
多くの小学生がつまずきやすく、算数に苦手意識を持ち始めるポイントでもあります。
様々なパターンの文章問題に触れていくと、言葉が少し変わった文章問題にも対応でき、応用力がかなり高まります。
【上級】⑤人に説明する
これまでに紹介してきた文章問題を克服する方法の総まとめとして、文章問題の内容を他の人に説明してみましょう。
説明できるということは、本当に理解しているということ。
先生や講師レベルということですね。
「問題文を他の人に説明する方法」は文章問題を安定して正解できる(80%以上)お子さんや、中学受験を志望するお子さんにおすすめの方法です。
次の問題は中学受験で有名な旅人算の問題です。
【問題】3600m先を分速35mの速さで歩いているAさんを、Bさんが分速65mの速さで追いかけます。BさんがAさんに追いつくのはBさんが出発してから何分後ですか? |
お子さんがこれまでに紹介した方法を使って文章問題の内容や、解決方法を説明できれば◎です。
「わかっていること」と「聞かれていること」を説明する
わかっていること:Aさんは分速35m、Bさんは分速65m。Bさんが出発する時点で600mの差がある。
聞かれていること:Aさんに追いつくのはBさんが出発してから何分後か?
◆文章問題を図に表す
上のような図が書ければ、「何を求めればよいか」がわかるのでOKです。
そして、図に表すと
「600mの差がすでにあること」
「Bさんが出発してからもAさんは進んでいること」
「1分で二人の差がどれくらい縮まるかがわかれば解ける」
という問題3を解くポイント、つまり多くの小学生がつまずきやすい箇所が見えてきます。
文章問題を図式化すると、解法のポイントに気づくことができ、答えまでの道筋が見えてきます。
ちなみに中学受験対策では線分図を習いますが、より抽象化されているだけで、やっていることはここまでの過程と実は同じです。
◆図から式を立て、解決の過程を説明する
図からわかったことを言葉にしながら、整理して式を立てていきます。
「二人の差は1分経つごとに30mずつ縮まるので、分速30mでBさんはAさんに近づいています。二人の距離は600mで、求めたい答えは時間(何分後に追いつく)なので、時間=道のり÷速さという式で答えを求めます(時間=600÷30)。答えは20分です。」
一見複雑に見える問題3は「600mある距離(差)を分速30mで進む(縮める)と何分かかる?」ということです。
図に表すと複雑な問題がとてもシンプルになります。
このように問題文の内容や解く過程を自分の言葉で説明できると、文章の読み飛ばしや解決のポイントに気づくことができ、正答率がアップします。
ただ数字を並べて何となく式を立てるのではなく、文章問題にある根拠を基にして解決できるようになります。
「RISU算数」なら文章問題に必要なイメージ力と思考力が身につく
算数専用タブレット教材の「RISU算数(幼児向けサービスは「RISUきっず」)」には、
4歳から小学6年生の中学受験レベルの問題まで約10000問を収録。
計算問題だけではない、イメージ力や思考力を伸ばすことができます。
お子さんの算数の学力を効率よく伸ばせる「RISU算数」の特長を3つご説明します。
1:図形問題や文章問題が豊富
RISU算数には、図形問題や文章問題など幅広い算数の問題が収録されており、
中学入試問題や算数オリンピック問題など、思考力を試す問題も多く含まれています。
進学塾に通っているお子さんであっても、
計算力は高いのに文章を読み取るのが苦手で問われていることを正確に理解できないお子さんや、
論理的に考えるのを苦手としているお子さんは多くいます。
RISU算数では、基礎的な計算問題からハイレベルな文章問題まで、
算数の学力をバランスよく伸ばすことができます。
2:無学年制カリキュラム
RISU算数では無学年制カリキュラムを採用。
学年を超えてどんどん先取り学習を進めることも、
つまずいた分野では学年を遡って復習することもタブレット一台で完結します。
紙のテキストのように何学年分も用意する必要はありません。
またRISU算数ではデータに基づき、お子様の学力に合わせた出題がなされるため、
難しすぎて勉強が嫌いになってしまうということや、簡単すぎて退屈するということもありません。
つまり、解き甲斐があり楽しい問題がつづくため、
知らず知らずにうちに苦手克服し、算数が得意になるのです。
3:豊富な解説動画
RISU算数では、東京大学をはじめとするトップ大学生チューターによる解説動画が「とても分かりやすい」と大人気。
分からない問題も、解説動画を見てお子さん一人で解決することができます。
また定期的にチューターからの応援メッセージ動画を楽しみにされているお子さんもたくさんいらっしゃいます。
憧れの大学に通うお兄さんお姉さんからのメッセージは、学習へのモチベーションアップに最適です。
他にも、自動採点機能やメールで学習進捗をお知らせする機能など、保護者の方にも嬉しい機能が満載。
共働きや小さいお子さんがいるなど、毎日忙しい親御さんも安心してお子さんの学習を見守ることができます。
まとめ:文章問題は算数学習の集大成
算数では、今の小さいなつまずきを放置しても「いつか自然に解決する」ということはありえません。
小さなつまずきはやがて算数全体への苦手意識となってしまうでしょう。
しかし今克服できれば、算数の面白さに気づくはずです。
つまずきの原因を丁寧に分析し、ぜひお子さんに合った方法で文章問題を克服していきましょう!
RISU公式ブログでは、成績優秀者へのインタビュー、算数検定合格者、中学受験合格の声をご紹介しています。
RISU利用者のリアルな体験談をぜひお読みください!