発達障害の子ども達にぴったりの教材はありますか?
今、発達障害の方を支援する施設では、青年や大人からの相談が年々増えています。
発達障害という言葉が広く知られるようになり、「もしかしたら自分もそうなのではないか」と思って、相談に来られるケースが多いようですね。
学校になじめなかったり、勉強についていけなかったのは発達障害が原因だったのに、そのことに気付かなかったことで、必要以上にストレスを感じ、うつ病、強迫性障害などの精神疾患を併発する二次障害になってしまうことは、絶対に避けなければなりません。
気付くことが出来れば、対処法はあります。
ストレスを感じるのであれば、無理に学校に行く必要はありません。
家庭学習などを工夫すれば、授業に出られなかったとしても学力を向上させることは可能です。
その際、タブレット教材は強い味方になってくれると思います。
そこで今回は、発達障害の代表例3つと、タブレット学習が発達障害の子どもに向いている理由5つをお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
◆代表的な3つの発達障害について正しく理解しましょう
発達障害とは先天的な理由で起こる「脳のエラー」と言われています。
現代の医学でも詳細がまだ解明されておらず、育て方やしつけとは無関係であるため、発達障害になることを避ける手段もなく、治すことは難しいです。
親としては、それぞれの子ども達に現れている状態を「個性」として理解し、適切な接し方をしてあげることが大切です。
ここでは代表的な3つの例についてご紹介していきましょう。
例①ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴
まずはADHD(注意欠如多動性障害)の特徴をいくつかあげてみました。
- 勉強中に不注意な間違いをしたり、相手の話を聞いていない
- 教える人の指示に従ったり、ルールを守った行動ができない
- 課題を順序だてて行動することが難しい
- 忘れ物や紛失をよくしたり、約束したことも忘れてしまう
- じっとしていることができず、本能的に動いてしまう
これらの特徴は、大人と比べて子どもが不得意としている行為であるため、小さな子どものうちに気付くことは難しく、大人になって初めて気付くケースも多いようです。
「意欲がない」「やる気がない」と思われてしまったり、「しゃべりすぎてうるさい」「順番を守れない」といった他人の邪魔をしてしまう行動によって不快に思われたりしてしまいます。
その結果、常に叱られたり責められたりするので、二次障害としてうつや不安障害になりやすいため、早い段階で周囲が気付いてあげることが最も重要です。
例②LD(学習障害)の特徴
学習障害は、文字の読み書き・数字の理解に関わる、脳機能の一部がしっかりと発達していないために生じます。
例えば、似た文字を間違えてしまったり、さかさまに書いてしまったり、似ている字を間違えてしまったりという傾向があるのですが、子どもであれば誰でも起こりうる現象ですので、こちらも気付くのが難しいです。
また計算においては「数字の概念が理解できない」「簡単な計算ができない」「単位の概念が理解できない」といった特徴があり、こちらは少し気付きやすいかもしれません。
例③ASD(自閉スペクトラム症)
自閉スペクトラム症とは、自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群の総称で、下記2つの特徴を持っています。
・円滑なコミュニケーションが取りづらい
身振り手振りや表情など、言葉以外でのコミュニケーションが取れないので、相互で感情の確認をするのが難しく、結果として特に年齢の高い方や立場が上の方との対話が苦手になるという傾向があります。
・物事や環境に対するこだわりが強い
同じ動きや話しをくり返してしまったり、色や材質など同じようなものにこだわってしまうという特徴があります。その結果として興味の対象がかなり狭くなってる傾向になります。
また、音や光に過敏に反応してしまったり、こだわりの強さから予定変更や環境の変化、ハプニングに弱いため、パニックを起こしやすいという「個性」を持っています。
周囲に理解がないと、突然現れる「個性」にびっくりしてしまいますので、生活上のトラブルが増えてしまう傾向にあり、「他人との接触が怖い」と感じるようになっててしまうことも多いです。
◆タブレット学習が発達障害の子どもに向いている5つの理由
一番避けなければならないのは、不得意であることを克服するために行う努力の負荷や、上手くできないことによって感じるストレスで、うつ病、強迫性障害などの精神疾患を併発する二次障害になってしまうことです。
学校などでは不得意なことを強いられているわけですから、家庭ではタブレットを使用して、好きなことや得意なことをすることで、思いっきり学びの楽しさを感じてもらいましょう。
理由①文字を書かなくても学習ができる
発達障害の子ども達の中には、字を読んだり書いたりすることに苦手意識を持っていることが多いようです。
特に字を書くことが苦手であり、鉛筆を持っただけでストレスを感じてしまい、集中力が続かないというような子ども達にとって、字を書かなくても良いタブレット教材はとっても心強い味方になります。
理由②好きな時に休めるので集中力を保つことができる
学校の授業は授業と休み時間が決まっており、皆が同じスケジュールで勉強することを強いられます。
しかし、発達障害の子ども達は長い時間集中できなかったり、クラスメイトの動きに気を引かれてしまったりして、じっとしていることが難しいケースがあります。
タブレット端末は一問一問が区切られており、いつでも休むことができます。
集中することが苦手な子も、周りが気になってしまう子も、自分ひとりだけのペースで、休みたいときに休めることでストレスから解放され、楽しく学ぶことができるようになります。
理由③イラストを多用した説明で理解の補助をしてくれる
発達障害の子ども達は、言語で理解するよりも、視覚を通して理解するのを得意としているケースや、読むことは苦手だけど音声だと理解できるといったようなケースがあります。
タブレットでの学習は、イラストや図が頻繁に使われているだけでなく、動画や音声などが駆使されており、理解を補助してくれるので、集中力を切らすことなく学習に取り組むことができます。
理由④動画などを使って何度も学び直しができる
多くのタブレット教材には、それぞれの単元に対して説明動画がついています。
一度見ただけではわからないことであっても、何度も視聴することで理解できるようになりやすいですし、それでもわからなければ質問をすることもできます。
授業を聞いただけではわからなくて、質問をしたくいてもできないような発達障害の子ども達は特に、何度も同じことを学び直すことができる安心感の中で、自由に学ぶことができるのです。
理由⑤自分のペースで学習することができる
学校は、1年生で学ぶこと、2年生で学ぶこと、といったようにスケジュールが決まっており、理解出来ていなくても授業は進んでいってしまいます。
しかし、タブレット端末の学習は、周囲のスケジュールに合わせる必要がないので、自分のペースで学習することができます。
そこで大切になってくるのは、小さな目標を達成する喜びを感じながら最終目標に近づいていくスモール学習という取り組みです。
周囲の子ども達と習熟度を比較されて、自分が苦手なのだという劣等感を感じることなく、タブレット端末上でひとつひとつの学習をクリアしていくことで、達成感を感じることができれば、苦手意識もなくなり、勉強は喜びへと変わっていきます。
RISU算数は無学年制でお子様に最適な単元からスタートできます。
◆まとめ
発達障害の子ども達は、他の子ども達と同じ空間や手法で学ぶことや、速いスピードで学ぶことが苦手なだけで、学ぶことが嫌いという訳ではありません。
その子に合った学び方やペースを見つけることで、学力が飛躍的に伸びたというケースは多く、例えば東京大学には、発達障害という「個性」を持った学生が多く通っているそうです。
そのような状況に応える形で、大学側はバリアフリー支援室を設けて、発達障害の学生をサポートする体制を整えています。
※参考URL:東京大学バリアフリー支援室 (u-tokyo.ac.jp)
誰もが学校で学ばなければならないわけではありません。学びはいろいろな方法で、いろいろな場所で行うことができます。
今回の記事を参考に、それぞれの子ども達にあった学習方法を探していただければうれしいです。