
不登校の子供にはどのように接したらよいのでしょうか?
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子どもが不登校になると、どうしても親は「怠け者」「社会不適合者」になってしまうのではないかと心配してしまいますよね。
また不登校児の親は、自分の育て方が良くなかったのではないかと考え、自分を責めてしまいます。
そう考えてしまうと、他人に相談することが恥ずかしいと思ってしまい、一人で抱え込んでしまいがちです。
「誰でも不登校になりえる」ということを知り、「不登校になる理由」と「どのように対応すべきなのか」と正しく理解することが大切です。
本日は、不登校になってしまう、代表的な5つの理由と親が取るべき6つの行動についてお伝えしたいと思います。
子ども達にとって、親御さんは安心できる存在ですから、慌てることなくどっしりと構えるためにもぜひ参考にしてみてください。
◆不登校になってしまう、代表的な5つの理由とは
ところで皆さんは、学校にどうして行きたくなくなってしまうのかをご存じでしょうか。
不登校になる際、必ずしもはっきりとした理由があるわけではありません。自分でも理由がわからないのに、学校に行きたくないと感じてしまう子ども達は大勢います。
大人はどうしても「学校に行きたくない理由」を追及し、その原因を排除すれば登校できるようになると考えがちです。しかし問題はそれほど単純ではありません。
かえって子ども達を精神的に追い詰めてしまうことになってしまう恐れもあります。
大切なのは原因の解明ではなく、子ども達自身を理解してあげることです。
ここでは不登校になってしまう、代表的な例についてご紹介していきましょう。
理由①環境の変化についていけない
小学生になると、それまでの生活環境とは大きく変化します。
- 親と長い時間離れて生活しなければならない(母子分離不安型)
- 授業中は席に座ってじっとしていなければならない
- 多くの先生や新しい友達と接しなければならない
- 集団生活のルールを守らなければならない
これらのことは、大きなストレスとなって子ども達を襲ってきます。
大人にとって当たり前の環境と思えることが、子ども達にとって今までに体験したことのない環境の変化であることを忘れないであげてください。
理由②担任の先生やクラスメートとの人間関係
「いじめ」という行為まで発展しないとしても、悪口や暴力にさらされたり、嫌がらせを受けたりすることは起こり得ます。
高学年になれば思春期に入り、自我が芽生え、人間関係は複雑化していくことになります。
担任の先生にも相性はあります。
「話し方が怖い」と感じてしまえば、ストレスにさらされ続けます。
人見知りで、人間関係を常に意識する必要がある子ども達にとって、学校は必ずしも楽しい場所ではないのです。
理由③勉強がわからない、ついていけないこと
小学校3年生になると、急に勉強する内容が広くなり、より難しくなります。
授業の内容がわからなくなってしまえば、ずっと座り続けること自体が苦痛になります。
テストの点数が悪かったり、宿題ができなかったりということが繰り返し起こると、負い目を感じ、自己肯定感が下がり、周りの人と自分を比べて劣等感を感じ、友達と積極的に関わりたいという気持ちがなくなってしまいます。
また中学受験を見据えるなら小学3年生のうちから始めるべきです。
ぜひこちらのページもご覧ください。
3年生からの受験準備
理由④うまくできないことが増えてくる
勉強以外にも、音楽(楽器の演奏や歌唱)、図工、体育、家庭科など、得意不得意のある授業が増えていきます。
学芸会や音楽会、展覧会などでは、他人との評価にさらされることとなります。
大人にとって、「そんなことが苦手だったとしても気にすることない」と思うようなことでも、子どもにとってはストレスに感じる原因となります。
理由⑤発達障害などが原因
今までに理由として挙げてきた
「環境の変化についていけない」
「人間関係がうまくいかない」
「誰もがふつうに出来ることができない」
といった事象が起こる原因として、お子様に発達障害やHSPといった特徴が見つかる場合があります。
発達障害は先天的な「脳のエラー」と言われており、育て方やしつけ、愛情不足などとは全く関係がありません。
現代の医学でも詳細がまだ解明されていないため、治すことは難しいです。
子ども達はそれぞれに症状が違いますので、児童精神科や小児神経科などで診察をしてもらい、子どもが持っている「個性」を理解し、受け止めてあげましょう。
・ASD(自閉スペクトラム症)
こだわりが強く人の気持ちを汲み取るのが苦手なので、対人関係が不得意になりやすい。
予想外の予定変更や環境の変化に弱く、パニックを起こすことがあります。
結果として、仲間外れにされやすく、いじめに発展する心配も抱えることになります。
・ADHD(注意欠如多動性障害)
落ち着きがなく、していることに注意が向けられない。
計画・順序をたてることが出来ず、ルールを守ることも苦手。約束なども忘れてしまう。
結果として、常に叱られたり責められたりするので、うつや不安障害になりやすい。
・LD(学習障害)
理解をするスピードがゆっくりで、読む、書く、計算が苦手
脳機能の一部がしっかりと発達していないために上記のような状態が生じています。
皆と同じようにできない体験を重ねてしまうので、無気力になりがちです。
また、発達障害ではなくてもHSP(Highly Sensitive Person)であることも考えられます。HSPは、生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人のことを指す単語として、最近耳にすることが増えています。
全人口の15~20%がHSPに該当すると言われています。
生まれつき繊細で感受性が強かったり、神経質な子ども達は、実はHSPだったと考えられるわけです。
他人の表情や態度から相手の気持ちを敏感に察してしまったり、人が気付きにくいような細かなことにも気付くことができるので、集団生活の中では常に緊張した状態で生活することになります。
また、周囲の物音に過敏だったり、他人が怒られている時も自分が怒られているように感じてしまったりするために、ストレスを感じやすく、疲れやすい状態にあります。
ストレスが溜まってしまい、へとへとになるほど疲れてしまうわけですから、そのような環境(学校生活)には行きたくないと感じてしまうのは当然だと言えるでしょう。
発達障害については以下の記事も参考にしてみてください。
発達障害の子ども達にぴったりの教材はありますか?
◆親が取るべき6つの行動とは
本当は学校に行きたいと思っているにもかかわらず、学校に行けなくなってしまった子ども達は、それまでの過程において一人で悩み、苦しみ、頑張りぬいて来ています。
親として、まずはねぎらいの言葉をかけてあげてください。
焦らず、子ども達の様子を見ながら、少しづつ進めていきましょう。
行動①まずはしっかりと子どもの話を聞く
自分の感じたことや身の回りに起きた出来事を言葉にして伝えることは、子ども達にとってとても難しいことです。
また大人にとっては「甘えている」「怠けている」「たいしたことではない」「我慢すべきだ」と感じることも多いでしょう。
しかし、子ども達にとっては深刻な問題なわけですから、頭ごなしに否定したり聞き流したりせず、耳だけでなく全身で訴えを聞き取ってあげてください。
行動②無理に登校させようとしない
話をじっくりと聞いてあげた後は、「無理に学校には行かなくても良い」ということを伝えてあげてください。
「親は自分の味方である」「親は自分のことを理解してくれている」と感じることが安心感につながり、気持ちを楽にしてくれます。
行動③好きなことをやらせる、無理に勉強させない
不登校になったということは、心身ともに疲れきって、エネルギーが不足し、気力が出ないということですので、学校や勉強のことはまずは忘れて、ゆっくり休ませるようにしましょう。
どんなことでも良いので、子ども達が積極的に取り組みたいと思うことをやらせてみてください。趣味や遊びなど何でも構いません。
これがエネルギーの充電につながります。
エネルギーの充電が終わり、気力が回復するまで優しい目で見守ってあげましょう。
勉強の再開は、自信が回復するまで待っていても充分間に合います。
行動③学校の先生やスクールカウンセラーと連携する
子ども達の身に何が起きているのかを把握する意味でも、学校の先生と密に連絡を取るようにしましょう。
文部科学省は、平成7年度から「心の専門家」として臨床心理士などをスクールカウンセラーとして学校に配置する方針を定めていますので、一度相談してみるのも良いでしょう。
大切なことは原因や責任の追及ではなく、あくまでも状況の把握と共有です。
行動④保健室登校や家庭学習を提案してみる
学びのスタイルは様々存在しており、学校に登校することだけが唯一の方法ではありません。
保健室登校(別室登校)とは、学校には登校するが、教室で学ぶのではなく保健室(別室)で学ぶ仕組みのことを指しています。
不登校の子どもは、「学校に行けないことに対して罪悪感」を感じていますので、「学校に行っている」状態は、気持ちを和らげる効果があります。
スクールカウンセラーの先生などと前もって相談した上で、子ども達の気持ちを確認しながら進めていくようにしましょう。
また、学校の授業についていけないことが、新たな不登校の理由になってしまわないためにも、担任の先生と相談しながら、必要な事項に関しては家庭学習などを進めていくことも大切です。
今は紙の教材以外にもタブレットなど様々な家庭学習の方法があります。
子ども達が取り組みやすいと感じるツールを見つけてあげると良いでしょう。
RISU算数は無学年制の教材のため、最適な単元から学習を始めることができます。
行動⑤不登校の子どもを支援する団体に頼ってみる
不登校の子ども達を支援しようという団体や仕組みは今、様々な形で広がっています。
地方自治体が行っている「ひきこもり地域支援センター」や「発達障害支援センター」などといった施設以外にも、民間が行っている「フリースクール」などが存在しています。
学校の校長先生の承認があれば、上記のような施設・団体に通った日数を学校の出席分としてカウントすることもできるようです。
親御さんにとっては、豊富な経験によって蓄積された専門知識やノウハウを持っている方と相談して、具体的なアドバイスを受けることもできますので、心のよりどころになり得る存在です。
子ども達にとっても、自分と同じような仲間の存在に触れることで安心感につながり、やがて自己肯定感が復活するようになります。
このように、学校以外にも第三者と接して成長できる機会を得る場所は存在しています。
ぜひ「○○市 不登校 相談」といったキーワードでインターネット検索してみてください。
◆まとめ
不登校になってしまったからといって、親御さんがあたふたしてしまっては、子ども達はますます不安になり、ストレスを感じてしまうことになってしまいます。
子ども達にはそれぞれ個人差がありますが、必ず次の一歩を踏み出す時が訪れます。
- 子ども達の状況をしっかりと把握する
- 子ども達の「個性」を学術的な知識の基に理解する
- 子ども達にとって安心感を与える味方になり、寄り添う
- 一人で解決しようとせず、プロフェッショナルの力を借りる
ゆったりどっしり構えて、親子一緒にそれぞれのペースで前に歩いていきましょう。