RISU 学び相談室

Q

塾には通わず通信教育だけで中学受験はできるのでしょうか?

Q RISU算数スタッフの回答


近年ますます人気が過熱する中学受験ですが、ある調査では、難関校の合格者のうち塾に通わなかった人の割合は約20%でした。中学受験のためには中学受験専門塾に通うのが一般的といえます。しかし最近ではさまざまなサポート体制が充実した通信教育も増えており、塾に通わずに中学受験をするお子さんも中にはいるようです。 もし通信教育だけで中学受験ができれば、経済的負担や時間的負担も大幅に軽くなるはずです。

◆難関校に受かった生徒はいつから中学受験専門塾に通ったか

参考サイト:[アンケート調査]意外に通塾なしの中学受験組も多い?通塾開始時期は「小学4年生の2月〜小学5年生の1月」 が最も多く、23.3%。「通っていない」も20.7%。

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa0ad773889cc5e615a36726d0cb72495a49c3fc?page=1

ここでは実際にお子様が塾通いせずに通信教育だけで都内難関中学に合格した保護者の方の体験をもとに、通信教育だけで中学受験を成功させるための5つのステップで説明していきます。

東京都 都内難関女子中学校(偏差値70)合格 Nさんの保護者の方のお話

仲の良いお友達が塾に通い出したことがきっかけで、小4の春に娘は「中学受験をしたい」と言い出しました。私は中学受験の経験が無かったので、まずは中学受験に関する情報を集めました。すると塾は、授業料の高さ、夜遅くで送迎が必要なことから、共働きの我が家には厳しいと感じ、色々調べた結果、通信教育での中学受験を選びました。

娘は低学年のうちからタブレット学習をやっていて、楽しそうに自ら取り組むので、私がしつこくやりなさい!と言ったことはなかったです。「朝学校に行くまでタブレット」と、勉強が生活の一部になり自分で学習する習慣がついたことは受験にも役立ったように思います。正直、最初はタブレットのゲームっぽさが気になっていたのですが、粘り強く問題が解けるようになり、また不正解を恐れず問題に取り組めるようになっていることに気づきました。

小4からは、受験対策として塾の模試を定期的に受けていました。娘と結果を見て、苦手克服やスケジュール作成に活用しました。過去問は難しい問題も多かったので、通信教育の質問サービスを活用したり、ネットで解説動画を探したり、知り合いの息子さん(大学生)に質問させてもらったりしました。

結果は都内の難関校といわれる第一志望校に合格。低学年からやってきたタブレット学習での学習習慣と基礎学力、そして粘り強さがこの結果に結びついたと感じます。難しい挑戦でしたが、自分で目標を決め努力を続けた娘を親として誇りに思います。

ステップ1:中学受験情報を徹底収集

中学受験とひとことで言っても、学校の種類や試験科目など、学校によって様々です。

中学受験でしか生徒を募集しない学校も多く、中学受験未経験の方にとっては初めて聞く学校名もあるかもしれません。

まずはどんな学校があるのか本やインターネットで学校情報を調べてみましょう。

試験の種類

上の表のように、私立中高一貫校や国立・私立大付属校は算国理社の4科目受験、公立中高一貫校は論述中心の適性検査や作文が一般的です。

しかし最近では得意な1科目のみの試験や英語入試、適性検査型も選択できる私立中学など、複数の入試方法を実施する学校があります。ぜひ本やインターネットで実際に過去の入試問題を見てみましょう。

試験の難易度

たとえば以下は実際の中学入試で出題された算数の問題です。

中学の方程式?と思うかもしれませんが、中学受験ではこれを算数の計算で解きます。

他の教科でも小学校の教科書レベルから大きく離れた知識と思考力が問われます。学習を進めていくと、お子様だけでは分からない問題が出てきますので、おうちの方が答えられそうか、一緒に調べればなんとかなりそうか、お子様の学習にどんなサポートが必要かを具体的にイメージしてみましょう。

ステップ2:塾の公開模試・入塾テストを活用

勉強を進めるにあたっては、お子様の学力を客観的に知ることが大切です。次の3つのポイントにそって、受験勉強スタート後も定期的に学習の定着度を確認していきましょう。

各塾が主催する公開模試や入塾テストを活用

多くの有名中学受験塾では、模試や入塾テストの成績を入塾資格にしていますが、テストを受けても入塾する必要はありません。受験生の中での自分の実力や、「何ができて、何ができないのか」を明らかにするのが目的です。

模試は定期的に受け学習のペースメーカーにしましょう。

説明会や面談で塾に直接質問

模試を受けると塾の説明会や面談に参加できる場合があります。もちろん塾側は生徒を集めるのが目的ですが、ステップ1で調べて疑問に思ったことなどを、受験のプロに直接聞ける良い機会です。

遠慮せずここで解決できる疑問は解決しましょう。

模試の解き直しと結果分析

模試の結果は思っていたほど高くは出ないかもしれません。しかし塾のカリキュラムはそれぞれ異なるので、その塾に通っている生徒の方が模試の偏差値は高く出やすいのです。だから偏差値はあまり気にしなくて大丈夫。大事なのは基本問題や学習した内容がきちんと定着しているか。計算問題や漢字・語句などがしっかりと正解できているか確認してください。

またテスト慣れしていないお子様の場合「分かっていても時間内に解けなかった問題」もあるでしょう。おうちの方と丁寧に解き直しをして、基礎学力の定着度を確認しましょう。

ステップ3:志望校を決める

周りに仲間がいて切磋琢磨し、頻繁にあるテストや先生への相談でその時々で最適な志望校を掴みやすい塾とは違って、通信教育のみの場合には先に志望校を決めてしまうことが重要です。

「憧れの学校に通う自分」をしっかりイメージできれば、ついだらけてしまったり難しい問題に当たったりしたときでも、しっかりとモチベーションを維持することができます。

もちろん後から志望校が変わることもありますが、大切なのは「ワクワクする未来に向かってお子様が頑張ること」。志望校選びには次の3つのポイントを押さえましょう。

教育の特色

各校が行っている特色ある教育に注目してみましょう。次はその一例です。

英語に力を入れていてネイティブによる英会話授業を実施、修学旅行では英語圏にホームステイをする。海外の大学へ進学する生徒も毎年いる。

理数系教育に力を入れており、大学の研究室並みの実験設備を備えている。医学部や理数系学部への進学実績が特に豊富。

大学付属校の特徴を生かして、大学教授による特別授業が開かれたり、高校生のうちから実際に系列大学の講義を受けられる。

どの学校も魅力的に映るかもしれませんが、ご家庭の教育方針やお子様の将来の目標などを軸によく話し合って決めていきましょう。

進学実績

多くの学校はホームページで進学実績を公表しています。難関中学はもちろんのこと、中学入試時点での難易度はあまり高くなくても、入学後の丁寧な進路指導で高い進学実績を出す学校もあります。

難関校で必死についていくことで頑張れるタイプの子もいれば、中堅校でのびのびと学習する方が伸びるタイプの子もいますし、大学付属校で受験を気にせず6年間部活動を頑張りたい、という子もいるでしょう。また大学付属校でありながら、半数以上が外部の大学を受験する学校もあります。

偏差値だけにとらわれず、どのような環境が合っているかを考えることが大切ですね。

校風

男女別学か共学校か、自由か規律か、スポーツ部が盛んか文化部が盛んか、など学校ごとにその校風はさまざまです。またキリスト教系の学校であれば朝の礼拝があったり、仏教系の学校であれば座禅体験があったりします。気になった学校には、文化祭や説明会などへお子様と一緒に足を運んでみましょう。

実際にに通う生徒の様子を見ると、学校ごとの特色がはっきりと分かります。

その他にも、通学時間や制服、学校行事など、ご家庭によって重視するポイントは異なりますので、お子様にはどんな学校が合うのかご家族でよく話し合いましょう。

ステップ4:通信教育を決める

中学受験対策で使う通信教育を選ぶ際のポイントを説明します。ここの3つのステップを踏まえ、お子様の目標にぴったりの方法を選んでいきましょう。

テキストの難易度

最難関校までを対象とした通信教育は、当然教材も難問揃いです。一方で、中堅校を対象とした通信教育であれば、分かりやすさを重視した教材作りをしています。

各社のホームページで合格実績、合格体験記や教材サンプルを確認し、お子様の志望校に合った通信教育を選びましょう。

わが子が勉強を楽しめるか

以前は通信教育といえば紙のテキストが中心でしたが、最近では人気講師の映像授業や解説動画が見られるなど、おうちにいながらお子様が楽しんで学習できる仕掛けが豊富にあります。

サンプル資料や映像を確認し、お子様が「これなら勉強が面白そう」と感じられる通信教育を選びましょう。

サポート体制

分からない問題があった場合の質問方法や受験情報の提供など、どのようなサポート体制があるのかも大切です。メールやアプリ、郵送やFAXなど各社でさまざまなサポート体制があります。

お子様の勉強だけでなく、進路相談など保護者へのサポート体制も確認すると良いでしょう。

ステップ5:わが子を見守る!おうちの方はお子様を徹底サポート

目標も教材も決まり、いざ受験勉強スタート。しかしそれだけでお子様一人に勉強を任せるのはNG。

以下のポイントを押さえ、お子様の学習がスムーズに進むよう、おうちの方は学習環境に気を配りましょう。

学習スケジュールの作成

たとえば下の例のような表を作成してみましょう。インターネットで公開されている無料のテンプレートもありますので、自分の使いやすいものを探してみてください。

①睡眠、食事、風呂、学校、習い事、模試など固定された予定を先に埋める

②各教科ごとに一か月の学習範囲を確認

③一週間の学習範囲を決める

④一日の学習範囲を決める

スケジュールはみっちり詰め過ぎずに余裕を持たせます。体調不良等でその日のノルマが終わらなくても一週間の中で取り戻せるように、週末に「調整日」を設けましょう。

わが子の様子を把握する

小学生はリビング学習が基本です。お子様の勉強する様子に気を配り、集中できているか、一日のノルマをこなせているか、学校行事や習い事などで疲れすぎていないかなどに注意しましょう。またノートの字が乱れていないか、筆記用具は使いやすいかなどもよく確認します。

ささいなことも相談しやすい雰囲気作りを心がけ、親御さんは安心して学習に集中できる環境を整えましょう。

定期的なスケジュールの見直し

1か月に1回は学習スケジュールを見直しましょう。模試を受けたら結果を分析し、過去の学習内容の復習が必要な場合は、復習する時間を含めてスケジュールを組み立てます。

学習は順調に進んでいるのか、教材は難しすぎないかなどお子様の意見を聞き、納得して学習できるスケジュールに改善していきましょう。

注意点:冷静さを失わない!おうちの方に注意してほしいこと

「中学受験は親の受験」という言葉があるほど、おうちの方のサポートが不可欠の中学受験。最後に気を付けていただきたいポイントをお伝えします。

過干渉にならない

学習スケジュールや環境の整理をするのはおうちの方の役割ですが、あまりに厳しく管理してしまうと、かえってお子様のモチベーションが下がってしまうことがあります。

まだ小学生ですから、おうちの方から見ると「なんだかだらしないな」「もっと効率よくできるのに」と感じることもあるでしょう。しかし過度に口うるさくなってしまうと、親子げんかにつながります。

声掛けの際には、まずは一呼吸置き、お子様の立場に立って分かりやすく伝えることを心がけましょう。

課題には柔軟な対応を

たとえば、受験勉強をスタートしたものの教材が難しすぎてうまくいかない、という場合、「難しすぎる問題はいったん置いておき、基本問題を中心に先へ進める」「映像授業が分かりやすい他の通信教育を併用してみる」など、柔軟な対応を心がけましょう。

最近では塾講師やプロ家庭教師による無料解説動画もあります。一つの方法にこだわらず「いいとこどり」でお子様にぴったりの方法を探していきましょう。

情報に踊らされない

インターネット上にはさまざまな情報が溢れていますし、塾に通う人からの情報も入ってくるかもしれません。本当にこの勉強方法でいいのか、この志望校でいいのか、と迷うことも出てくるでしょう。

しかし迷ったときには、「わが子」を軸にシンプルに考えてみてください。

それぞれのご家庭ごとにベストな方法があります。ご家族でよく話し合って納得し、力を合わせてお子様の目標に向かっていきましょう。

まとめ:おうちの方のサポートがあれば通信教育のみでも中学受験は可能。ただし主役は子どもであることを忘れずに!

わが子の受験となると、ついおうちの方が熱くなってしまい、親子げんかが増えてしまうことも珍しくありません。通信教育のみでの受験勉強となると、塾に通う以上に親子で過ごす時間が長くなりますから、なおさらちょっとしたことでも気になってしまうでしょう。しかし受験するのはお子様自身、学校に通うのもお子様自身です。おうちの方は目標に向かって頑張るわが子に寄り添いつつ、温かさと冷静さをもってお子様をサポートしていってほしいと思います。

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