
「年中で学力を高める方法を知りたい!」
年中になるとお子さんは保育園や幼稚園にも慣れ、友達との交流が広がってきます。
おうちの方もママ友同士のネットワークができつつある中で、お子さんの学力が気になってくる方も増える時期です。
結論からズバッと答えると、お子さんの学力を気にする必要はありません。
年中は個人差がとても大きい時期だからです。
とはいえ「皆と同じレベルのことができないと子供が困ってしまうかも・・・」という、親御さんの不安も理解できます。 そこで今回は年中で注目してほしい「2つの学力」と「伸ばすコツ」を解説していきます。
ぜひ最後まで読んでいただき、年中のお子さんの学力をどんどん伸ばして上げていただきたいと思います。
目次
年中に必要な2つの力:認知能力と非認知能力

学力には大きく2つの面があります。
一つは「数字で表せる力」、もう一つは「数字では表せない力」です。
数字で表せる力は認知能力と呼ばれ、偏差値、点数、正答率、通知表の評価・評定、IQなどテストなどで数値化できる力です。
数字で表せない力は非認知能力と呼ばれ、集中力、継続力、忍耐力、興味関心、意欲など、数値化できないけれども、人のの一生に大きな影響を与えると考えられる力です
年中の時期はよく、「勉強の基礎固めをする時期」と言われ、「鉛筆でひらがなが書けた!」「1~10まで数えられた!」という認知能力の面が重要視され始めます。
ただ認知能力にばかり注目してしまうと、親御さんに
「うちの子はひらがなが読めない。」
「ワークなどで勉強をさせた方がいいかも。」
という不安が募り、焦ってお子さんに勉強をさせがちです。
また年中で認知能力に偏った勉強をさせてしまうと、学力のもう一つの面である勉強への興味関心・意欲(非認知能力)を失う可能性があります。
興味や意欲が無ければ、どんなに知識を詰め込もうとしてもなかなか身につきません。
ぜひ親御さんには、お子さんの認知能力と非認知能力をバランスよく伸ばす意識をもってもらいたいです。
2つの学力を年中の時期にバランスよく伸ばすポイントは次の3つです。
・勉強のベストタイミングを生かす
・文字や数への興味関心を高める
・お子さんの感性を大切にする
勉強のベストタイミングを生かす
年中は身体面・精神面でお子さんが大きく変化する時期です。
トイレトレーニングが完了して自分でできることが増えたり、文字や数への関心が高まったりと、心身の成長に伴い一気に子供の世界が広がるのが年中の時期の特徴です。
脳が急激に成長する時期
有名なスキャモンの成長曲線によれば、4~6歳の時期に脳の90%が完成するといわれています。
乳児期から幼児期にかけて子どもがどんどん言葉を覚え、発するのも、脳の成長期に支えられているからです。
人間の発育において、4~6歳の時期は脳が急速に発達している時期です。人間の脳には、ニューロンと呼ばれる神経細胞が網の目のように張り巡らされていて、このニューロンによってさまざまな情報が伝達処理されているのですが、4~6歳は最もニューロンが伸びて広がっていく時期なのです。
ベネッセ教育情報「4~6歳は脳が最も発達する時期。心身のバランスを整えて入学を迎えよう!」より引用
まさに年中は脳が急激に成長するド真ん中の時期。
脳の成長期に言葉や数の感覚を養うことで、さらに成長を促進していくことができます。
知的好奇心が旺盛な時期
知的好奇心がとても高い年中のお子さん。
「なぜなぜ期」とも呼ばれ、「何で〇〇なの?」「これ何て読むの?」など、所かまわず何でも聞いてきます。
忙しい中だと、ついお子さんの質問を面倒だと感じたり、適当に答えたりしがちかもしれません。
しかし、この無条件に湧いてくる知的好奇心こそ、認知能力と非認知能力を高める大事なタネです。
なかなか全ての質問に答えるのは難しくても、
「本当に不思議だね!」とお子さんの疑問に共感したり、
「何でだと思う?」と逆にお子さんに質問したりして、お子さんの好奇心が育つような声がけを心掛けましょう。
遊びから勉強への移行期
保育園や幼稚園でも、少しずつ小学校入学を意識し始め、「お遊びからお勉強へ」と移行していきます。
年中では遊びと勉強の割合が半々になるイメージ。
遊びと勉強のちょうどよい塩梅が、お子さんの勉強への関心・意欲をどんどんと高めていきます。
幼児教育においては、幼児期の特性から、この時期に育みたい資質・能力は、小学校以降のような、いわゆる教科指導で育むのではなく、幼児の自発的な活動である遊びや生活の中で、感性を働かせてよさや美しさを感じ取ったり、不思議さに気付いたり、できるようになったことなどを使いながら、試したり、いろいろな方法を工夫したりすることなどを通じて育むことが重要である。
文部科学省「幼児教育部会における審議の取りまとめ」より引用
ひらがなや数への興味関心を高める

年中はひらがなや数への関心といった「認知能力の土台」が育つ時期です。
ひらがなや数はお子さんがこれから生活をするための必須アイテム。
ひらがなや数を上手に扱えるようになると、自分の考えを表現できるようになっていきます。
ひらがなや数の理解は、年長や小学校1年生の勉強の土台であり、小学校中学年以降の思考力や表現力を高める素地になります。
年中では、お子さんにひらがなや数へ興味関心をもってもらうところから始めてみましょう。
年中さんからの通信教育についてはこちらの記事をお読みください。
ひらがなへの関心を高める
年中でのひらがな学習のポイントは、生活の中で自然にひらがなに触れさせ、ひらがなの形や音に慣れさせていくこと。
(ひらがな50音表を目の前に広げ、ひたすら覚えさせるのはお子さんにとって苦痛ですし、親御さんも大変ですよね)
たとえば、部屋の中や、散歩道などにあるひろがなを指して、「なんて読む?」「部屋の中に”あ”が隠れています。探してみよう!」など、ゲーム感覚でひらがなに親しむように心掛けてみてみましょう。
そして、「ひらがなを書いてみたい!」という気持ちがお子さんから芽生えたら、年中の時期としては100点満点です。
まずは自分の名前をひらがなで書くことからすすめていきましょう。
「自分の名前をひらがなで(書けたではなく)書いた!」という経験が、お子さんの自己肯定感を高めていきます。
数への関心を高める
年中のレベルとしては、1~10まで数えられるようにしたいところです。
有名な「すうじのうた(すうじの1はなぁ~に?こうばのえんとつ!・・・)」や市販ワークなどの教材も活用しながら勉強できますが、数字も生活の中で触れさせていきたいです。
「この絵の中にお馬さんは何匹いるかな?」
「車にはタイヤがいくつあるかな?」
「冷蔵庫からミニトマトを5個持ってきて」
など、数に触れさせる機会は多くあります。
お子さんの感性を大切にする
年中のお子さんがひらがなや数などの勉強の基礎を身に付けながら、自ら学ぶ力、集中力や忍耐、意欲などといった非認知能力を高めるコツをここからは解説していきます。
ポイントは次の3つです。
・お子さんの興味関心をから勉強をスタートする
・遊び・ゲーム感覚の勉強スタイルを取り入れる
・お子さんにポジティブな声掛けをする
お子さんの興味関心から勉強をスタートする
お子さんの興味関心が高いものは勉強のきっかけにできます。
電車、恐竜、アンパンマン、ディズニー、スポーツなど、お子さんにはまるで推し活のような夢中になるものがあるのではないでしょうか?
勉強のきっかけはこうしたお子さんの興味関心が高いものがベスト。
例えば、ひらがな50音表を使って、「あんぱんまん」と親御さんが発音したら、お子さんは一文字ずつ「あ・ん・ぱ・ん・ま・ん」と指さすなど、お子さんの興味関心があるものでひらがなに触れさせることができます。
慣れてきたら、絵を見ただけでひらがなを指さしたり、発音しながら指さしをさせたりとバリエーションを変えるとお子さんの意欲も高まってきます。
乗り物が好きなお子さんなら、車や電車の数を数えたり、発着予定時刻掲示板で時計の勉強をすることもできます。
「勉強」というと、「プリントやワークを用意して、机に向かい、椅子に座って、姿勢正しく・・・」というイメージがありますが、必ずしもそれがベストな勉強の形でも、お子さんにとて楽しいわけでもありません(親御さんがよくわかっているのではないでしょうか?)。
現在は、様々な勉強スタイルがある時代。
タブレット教材やオンライン学習などは、近年脚光を浴びている勉強スタイルです。
紙と鉛筆での勉強よりも相性が良く勉強の効果も高まるお子さんもいます。
勉強スタイルもお子さんに合わせることが、年中の学力向上のコツです。
遊び・ゲーム感覚の勉強スタイルを取り入れる
幼児期の生活は遊びが中心で、遊びの中で子どもは学んでいきます。
年中は「お遊びからお勉強への移行期」と捉え、遊びの中にも勉強の要素を取り入れていきたいです。
遊びの延長で勉強できるのが理想ですね。
例えば、かるたやおままごとを通してひらがなや数字に触れさせたり、お絵描きの延長でひらがなや数字を書かせたりできます。
積み木やパズルなどは思考力を高められますし、しりとりなどの言葉遊びは親子のコミュニケーションを増やし、言葉に自然と触れられます。
昔ながらの幼児期の遊びには勉強の要素がたくさんつまっており、現代でも大切にしたいところです。
マンガやゲームなどで勉強をするのも最近ではごく自然になってきました。
マンガやゲームは子どもにとって親しみやすく、夢中になりやすいため、学習まんが、動画教材やタブレット教材などが増加傾向にあります。
遊び・ゲーム感覚の勉強スタイルを取り入れることは、勉強のハードルを下げお子さんが勉強を好きになるために重要な視点です。
RISUきっずではタブレット教材を使用し、ゲーム感覚で勉強できます。
タブレット教材は現代の勉強スタイルの一つ。
「勉強をやらされている感」や「親が教えている感」をお子さんが感じずに、のびのびと勉強するのに効果を発揮しやすいです。

お子さんにポジティブな声掛けをする
子どもでも大人でも楽しいことには夢中になれます。
「気付いたらこんなにも時間が経ってた・・・!」という事が年中のお子さんの勉強で起こったらすごいですよね?
夢中になって勉強するには、「勉強が楽しい!面白い!」とお子さんが思うことが重要です。
そのために、親御さんが「驚き」「喜び」「称賛」のポジティブな言葉を進んでお子さんにかけていきましょう。
驚き・・・「わぁ!こんなにたくさん覚えたの!」「おお!勉強してるね!(エライ!)」
喜ぶ・・・「順番に数えられて、ママうれしい!」「〇〇くんができて、よかった!」
称賛・・・「ひらがなを覚えられて、またお姉さん(お兄さん)になれたね!」
お子さんの頑張りに寄り添い、プラスの言葉をかけていくことで
「ぼくはひらがなが読めるんだ!」
「今日は5まで覚えた。つぎの数字も覚えたい!」
という意欲(=非認知能力)が育っていきます。
「勉強が楽しい⇒勉強ができる(わかる)、たくさん知れる⇒もっとできるようになりたい、もっと知りたい」
という感情のスパイラルが形成されると、お子さんは夢中になって勉強に取り組みます。
他人との比較はNG!お子さんの過去と現在の成長や変化に注目する
幼児期のお子さんの個人差は大きいです。
自分の思いを言葉で伝えられる子もいれば、表現力に乏しい子もいます(言葉に出さなくても、頭の中でとても難しいことを考えている場合も!)。
勉強に意欲的に取り組む子もいれば、勉強よりも体を動かす方が大好きな子もいます。
個人差が大きい時期ですから、
「〇〇くんはひらがなが書けるのに」
「〇〇ちゃんはたし算もできる」
など、お子さんと周囲の子とを比べても意味はありません(認知能力に偏るとこのようになりがちです)。
大切なことは「過去のお子さんと現在のお子さんを比較すること」です。
「1か月前はひらがなに全く興味がなかったのに、今は自分から見つけ出そうとしている」
「以前は数字を見て数えていたけれど、今は数字を見ないで1~10まで言える」
「以前よりもいろいろなことに興味を持つようになった」
というように、お子さんの過去と現在を比較していきましょう。
お子さんの成長を見える化する
お子さんの成長を「見える化」すると、お子さん自身が自分の成長を実感でき、勉強の意欲が高まっていきます。
例えば、
・以前に書いたひらがなと今書いたひらがなを比べる(書けた数や丁寧さなど)
・数字を数える姿を動画にいくつか撮り、数えられるようになった姿を見えるようにする
など、「こんなにもできるようになった!」とお子さんは成長を実感し、
「もっとかっこいい姿になりたい!」という意欲も生まれてきます。
子どもが成長するスピードには個人差があります。
お子さんのペースに合わせて、焦らず、少しずつ成長する姿を見守っていきましょう。
ほどよい距離感でお子さんの勉強を見守りましょう
いかがでしたか?
「自ら学ぶ力」こそ長い人生でお子さんが大きく成長していくために必要な力。
お子さん自身が学びたいことを見つけ、問題を発見し、様々なことに気付いて問題を解決していく力があれば、親や先生の力に頼らず自分の力で生きていけます。
そのためには認知能力と非認知能力をバランスよく伸ばす視点が大切です。
本格的な勉強は小学校から始まりますので、まずは肩の力を抜き、お子さんが楽しみながら認知能力と非認知能力をバランスよく高められる勉強の環境作りをしていきましょう。
そして何より親御さん自身が一緒に楽しみましょう!
お子さんの勉強に干渉し過ぎず、離れ過ぎずのほどよい距離感で、ぜひ温かく見守っていっていただければと思います。
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