
とくに、算数が得意になってほしい方や、中学受験を視野に入れている方は、年長算数の目標を知りたいのではないでしょうか。
この記事では、年長算数の目標・学習方法・年長で算数を学習するメリットデメリットなどを解説します。
年長さんに算数を教えたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
年長さんの学力はどのくらい?5~6歳の脳発達
人の脳は3〜5歳までに80%が完成するため、5〜6歳の年長児は学習のスタートにちょうどいい年齢です。
また、5〜6歳では5〜10前後の数の概念を獲得し、簡単な足し算引き算ができるようになります。
6歳ごろには数字の読み書きも習得できるため、数式で計算することも可能な年齢です。
年長算数の目標
小学校1年生で学ぶ算数の単元は以下のとおりです。
(※学習時期は学校や採用教科書によって前後します)
1学期 | 10までの数の大小と合成・なんばんめ(数の順序)・時計(何時/何時半) |
2学期 | 20までの数の系列・二桁と一桁の繰り上がり、繰り下がりのある計算 |
3学期 | 100までの数の系列・時計(何時何分)・平面図形の構成・分解 |
これを踏まえ、年長児が勉強しておくといい算数の目標をまとめたので、参考にしてください。
10までの数の理解と合成

1年生の1学期で習う、「10までの数の大小・系列・数の合成」は、年長のうちに学んでおきたい算数です。
数の理解は複雑なため、10まで数唱できれば数を理解しているかというと、そうではありません。
年長児では、とくに後半の数の理解があやふやなため、「7と9はどちらが多いか」と聞くと、7と答える子も多くいます。
数が規則正しく並んでいることを教え、数字と実際の数が結びつくようにおやつや積み木を使って数を正しく理解することが、年長児の最初の目標です。
また、10の合成をしっかり理解させましょう。
10の合成では、1と9で10・2と8で10といったように、いくつといくつを足すと10になるかを学びます。
繰り上がりや繰り下がりの理解やさくらんぼ算の理解に、10の合成の理解は欠かせません。
小学校1年生の授業で習う「さくらんぼ算」とは、10のまとまりをつくるために数字を2つに分けて計算する方法です。
例えば6+7の計算では、7を4と3にわけ、6+4で10のまとまりをつくってから残りの3を足して13と計算します。
保護者の方が子どものころにはなかった「さくらんぼ算」ですが、数を自由自在に操作する応用力・10進法・数の三項関係が身につくため、現在の算数教育では重要視されています。
このさくらんぼ算でつまずかないよう、数の理解と10の合成の理解を年長児の算数学習の目標にしましょう。
簡単な足し算引き算ができる

繰り上がり・繰り下がりのないひと桁同士の計算にも慣れておきましょう。
2+3は5、3+4は7など、素早く計算できるようにしておくと、就学後の学習がスムーズです。
とくに5以上の数になると、計算に慣れていない子は指を使って計算します。
指を使って計算する1年生は多いですが、繰り上がりや繰り下がりのある計算になると、指が追いつかなくなってしまい、算数のつまずきにつながります。
年長のうちにひと桁の簡単な計算をたくさんこなし、年長の終わりにはなるべく指を使わずに計算ができるようにしましょう。
図形認識・空間把握能力を育てる

年長では、おもに三角形や四角形を中心に図形認識を深めましょう。
図形認識力や空間把握能力が自然と身につく折り紙やタングラム、マグネットブロックなどでたくさん遊ぶことを目標とします。
図形は、机上のペーパーで学ぶより遊びを通して学び、頭の中で自由自在に図形を操作できるようにします。
平面図形の構成・分解は1年生3学期に習う単元で、図形問題の基礎です。
高学年以降で面積や体積を求めたり、中学生で図形の証明問題を解くのに欠かせない力なので、遊びながら学べる幼児のうちに図形をたくさん頭の中にインプットしておきましょう。
中学受験をする場合の算数目標
中学受験が視野にある場合は、上記の目標よりも少し先取りをしておきましょう。
中学受験では5年生の後半には小学校範囲を終えるため、1年先取りすることを目標にします。
ただし、5〜6歳の脳の発達上では、数の理解は10までです。
あくまで10までの数をしっかり理解していることを確認した上で、20までの数の繰り上がりや繰り下がりも教えてみましょう。
算数パズルや推理問題で試行錯誤する力も養うと、中学受験算数に必要な粘り強さや思考力が磨けるので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、九九を少しずつ覚えるのもオススメです。
九九は2年生2学期の範囲ですが、つまずきやすいポイントでもあるため、2の段や3の段など前半の九九に取り組んでおくと、その後の学習がスムーズになります。
中学受験算数では、とくに読解力が重要なため、数字の読み書きのマスターと、絵本の読み聞かせ・自力読みにも取り組んでください。
年長さんへの算数の教え方
年長の子に算数を教える方法をまとめました。
5〜6歳は集中できる時間が10分前後とまだ短いため、机上での勉強時間を長くとらず、短い時間で数回勉強したり、遊びの時間を通して教えましょう。
「幼児への算数の教え方は?算数センスを磨く学習法を知りたい(学び相談室)」
遊びや日常生活を通して学習する
算数が学べる遊びは以下の通りです。
- 折り紙・タングラム・パズルなどの図形遊び
- お買い物ごっこやおままごと遊び
- あやとり・おにごっこなど空間認識能力を鍛える遊び
タングラムやパズルは算数教育の定番ですが、図形認識能力を鍛えるのに欠かせません。
折り紙やあやとりなど日本の伝統的な遊びは、少ない道具で移動時間にも遊べるのでおすすめです。
お買い物ごっこやおままごとでは、「にんじんを2つください」「たまねぎ3こと、じゃがいも2こ買うと、おやさいは全部でいくつ?」「3つ買うと残りはいくつ?」といった声掛けをします。
簡単な足し算や引き算や数字と実数の関係が学べるごっこ遊びやおままごとは、たくさん遊んでおきましょう。
日常生活での算数学習のチャンスは以下の通りです。
- 買い物で学ぶ
- 料理で数に触れながら学ぶ
- おやつを数えて学ぶ
買い物では、値札を読ませてどちらが安いか比べたり、「じゃがいもを3つ袋に入れたけど、5つほしいんだ。あといくつ必要?」「3つパックの納豆を2つ買うと納豆はぜんぶでいくつ?」など、子どもの理解力に合わせて声をかけてみましょう。
料理では「1回切ると半分(2つ)になったね」「卵を2つとってくれる?残りはいくつ?」といった声掛けで算数が学べます。
また、おやつは子どもが積極的に算数を学べるアイテムです。
「あなたとお友達、あわせて4人ね。4つのお皿にクッキーを2枚、チョコレートも2つずつのせてね。」「クッキーは何枚必要?おやつは1人あたり全部でいくつ?」など、おやつ時間は算数の宝庫なので、ぜひさまざまな声掛けをしてみてください。
100玉そろばんを使って教える
算数では、数をイメージする力が必要なため、具体物である100玉そろばんを使用して算数を教えるのもおすすめです。
100玉そろばんは、10個の玉が10列並んだもので、文字通り100玉あります。
1と9で10、2と8で10、3と7で10…と10の合成を勉強でき、100までの数の足し算引き算を視覚的におこなえ、100の数量感覚が身に付きます。
絵本や児童書を読み聞かせる
算数では、数の理解と同時に読解力も重要です。
たとえば、以下の2つの問題をみてみましょう。
「Aさんは前から3番目、うしろから4番目です。ぜんぶでなんにんですか。」
「Aさんの前に3人います。うしろには4人います。ぜんぶでなんにんですか。」
Aさんをふくめるかどうかで引っ掛かりやすい問題ですが、文章を理解し、脳内でイメージ化できないと、こういった問題の違いに気付けません。
文章の理解やイメージ化に欠かせないのが、絵本や児童書の読み聞かせです。
読解力は一朝一夕に身につくものではないため、とくに中学受験を目指す場合、読解力を幼い頃から意識しましょう。
年長秋〜冬にかけておこなわれる、大手中学受験塾の新1年生入室テスト(さんすう)では、読解力を試す問題が多く出題されます。
中学受験塾も、幼児から読解力を身に付けている子が将来的に伸びると考えているのです。
タブレット・プリント等の教材で問題を解く
タブレット教材やプリント、ワークなどを通して算数の問題や数式に慣れさせましょう。
より実践的な問題にチャレンジし、「できた」を繰り返すと算数への自信がつきます。
ワークやプリントなどの紙教材をやりたがらない子には、効果音やアニメーションで楽しく学べるタブレット教材がおすすめです。
タブレット教材は、答えを入力するとすぐに自動採点し、間違った問題は解説するなど、子どもが自分で取り組めるようになっています。
子どものやる気を引き出し、できる問題はどんどん進められるため、気付いたら1学年先取りしていた、なんてことも。
タブレットやプリントは学習の習慣づくりの意味もあるので、1日10〜15分を目安にぜひ取り組んでみてください。
年長さんの算数学習のポイント
5〜6歳で算数の学習をスタートするにあたり、抑えておくべきポイントを解説しますので、参考にしてください。
算数を楽しむ
遊びが学びのメインとなる幼児期の学習では、「楽しい!」が子どもの原動力です。
「数っておもしろい」「計算が楽しい」と思えると、大人が口を出さずとも自分から学んでいけます。
おやつで算数を学ぶのが楽しい子、パパ・ママと計算で競争するのが楽しい子、タブレット学習が楽しい子とさまざまなので、楽しく学べる学習方法をメインにしましょう。
怒られたり強制されたものには、子どもは苦手意識を持つようになります。
「なんで簡単な問題を間違えるの」「あと5問かならずやりなさい」と、子どもを責めたり学習を強制しないよう注意してください。
詰め込み学習に注意する
問題が解けるからと、算数学習を次から次へと進める詰め込み学習は、算数嫌いの原因となるため控えましょう。
5〜6歳の発達では10前後の数を理解できますが、算数が得意な子の場合、繰り上がりや繰り下がり、20以上の数や簡単なかけ算わり算など、年齢以上に理解できることもあります。
しかし、子どもは記憶力がいいため、実数を理解しないまま暗記で問題を解いてしまうケースはめずらしくありません。
暗記算数になると応用力や思考力が育たず、算数学習が進んで抽象的な内容になっていくと対応できなくなります。
無理な詰め込み学習は避け、理解度に合わせた学習を心がけてください。
年長さんで算数学習をおこなうメリット・デメリット
算数学習は、小学校入学後に授業で教われば十分と考える方も多くいるため、幼児にそんなに算数を教えて大丈夫?と気になる方もいるのではないでしょうか。
年長さんで算数学習をおこなうメリット・デメリットをみていきましょう。
メリット
5~6歳の年長さんが算数を学ぶメリットは以下のとおりです。
- 算数に自信が持てる
- 算数に興味がでる
- 入学後の授業がスムーズになる
- 論理的思考力が磨ける
簡単な計算問題で、「できた!」と成功体験を積み重ねることで、「自分は算数が得意なんだ」と自信が持てます。
算数は主要教科の1つなので、算数が得意な意識を持って1年生になると、授業や宿題がスムーズです。
また、算数学習では論理的思考力が鍛えられるため、学校生活や日常生活で、自分で考えて対応する力がつきます。
詰め込みすぎない算数学習であれば、子どもにとってメリットが多いのです。
デメリット
5〜6歳の年長さんが算数を学ぶデメリットはこちらです。
- 算数に苦手意識が芽生える
- 入学後の授業がつまらなくなる
- 理解できないまま先取りが進んでしまう
理解力を超えた算数に取り組むと、「わからない」「できない」という経験が増え、子どもの自信を奪います。
とくに、子どもにやる気がないにもかかわらず算数学習を進めてしまうと、算数に苦手意識が芽生え、簡単な問題もやりたがらなくなることも。
算数は積み重ねの学問なので、理解できないまま先取りが進むと、必ずどこかでつまずくため、無理な先取りには注意が必要です。
また、子どもの理解度が高い場合も、小学校入学後に算数の授業が簡単すぎてつまらなくなる可能性があります。
年長さんの算数でよくある質問
年長さんの算数でよくある質問をまとめたので、参考にしてください。
Q:算数でつまずくのは何年生からですか?
A:算数は小学校4年生でつまずきやすく、学習面における9歳の壁ともいわれます。
1個2個とすぐに計数できない分数や少数同士の四則演算など問題の抽象度が高くなり、より思考力が求められるため、小学校4年生の算数はつまずきやすいといわれています。
4年生のほかにも、1年生では繰り上がり繰り下がり、2年生では九九と、各学年でつまずきやすい単元はあるので、子どもがつまずいていないか学習状況を確認しましょう。
Q:年長の勉強はどれくらいやればいい?
A:5〜6歳の集中力は10分前後で切れてしまうため、年長さんは1日あたり10〜15分を目安に学習しましょう。
また、簡単な足し算や引き算を指を使わずできるようになると、入学後1学期は困りません。
Q:5歳児の計算能力レベルはどのくらいですか?
A:5歳児の発達では、5〜10までの数の足し算や引き算ができます。
算数が得意な子であれば、繰り上がりや繰り下がり、九九の前半を口ずさめる子もいます。
Q:年長さんはいくつまで数を数えられますか?
A:数唱は歌のようなものなので、100まで数えられる子もいます。
数を実数と結びつけて数える計数では、10以上になると、どこまで数えたか分からなくなったり、数をとばしてしまうなど正確に数えるのが難しいことがあります。
Q:年長で足し算を理解できないのですが、どうしたらいいですか?
A:足し算を理解できない場合、数の概念がまだあやふやかもしれません。
- 数・数字・数字の読みが一致していない
- 1つの数に対し数字は1つである1対1対応の理解が不足している
- 数は順番が前後せず規則正しく並んでいるという数列の理解が不足している
こういった場合、足し算の理解が難しくなります。
まずは積み木やおやつの数だけトランプなどの数字カードを置くなど、実数・数字・数字の読みを一致させましょう。
また、一直線上に数列を書いて、数字が前後しないことを教えたり、積み木で1個2個3個と階段をつくり積み木が1つ増えると数字も1つ増えることを教えてください。
焦らず、数の概念を丁寧に教えましょう。
年長から算数を始めるなら「RISU算数」がおすすめ

算数専用タブレット教材のRISU算数(幼児向けは「RISUきっず」では、年長のお子さんにも勉強を続けやすい仕組みが充実しています。
特長1:楽しく小学校入学準備ができる

RISUでは数の数え方、足し算引き算、時計の読み方など、算数の基礎を親しみやすいイラストを用いてしっかりと学べます。
またRISUきっずには問題の読み上げ機能のありますので、まだひらがなに自信の無いお子さんでも安心です。

RISU算数では文章問題や思考力を試す算数パズル問題も充実。
計算練習だけでなく、中学受験で必要な試行錯誤する力を伸ばしていくことができます。
こちらの他にも、RISUユーザーからの嬉しい声はRISU公式ブログでご紹介しています。
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RISU算数には他にも、自動採点機能やメールで学習進捗をお知らせする機能など、保護者の方にも嬉しい機能が満載。
共働きや小さいお子さんがいるなど、毎日忙しい親御さんも安心してお子さんの学習を見守ることができます。
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ネイティブ先生に加え、安心の日本人先生のガイドも付いています。

RISUきっずで学習した単元に合わせて英語動画を配信していきます。
算数の復習にもなり文章として英語に慣れることもできます。
他のキッズ向け英語レッスンには無い「算数×英語」のレッスンです。

年長さんへの算数の教え方まとめ
ここまで、年長さんの算数目標や、年長さんに算数を教える方法やポイント、年長さんに算数を教えるメリットやデメリットをお伝えしました。
10までの数の理解と合成は算数の基礎なので、年長さんの算数学習の目標としましょう。
中学受験を考えている場合は、無理な先取りとならないよう理解度に気を付けながら、繰り上がりや繰り下がりのある20までの数の足し算・引き算、九九を口ずさむなどを目標にします。
算数には読解力も重要なので、読解力を助けるイラストが描かれた絵本や児童書を読み聞かせ、自力読みも少しずつ進めましょう。
算数に自信が持てると、小学校入学後の授業や宿題がスムーズなので、ぜひ無理なく算数学習をすすめてみてくださいね。
RISU公式ブログでは、成績優秀者へのインタビュー、算数検定合格者、中学受験合格の声を多数ご紹介しています。
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