RISU 学び相談室

Q

人の話を聞かない子供は、どうすれば話を聞くのでしょうか?

Q RISU算数スタッフの回答
お子様が小さかった頃は、何を言ってもよく話を聞いてくれていたのに、最近はちっとも話を聞かなくなってしまったと不安に感じていませんか。それではどうしてお子様は話を聞いてくれなくなってしまったのでしょうか。

その理由は、もしかしたらお子様ではなく、保護者の皆さんがお子様に取っている態度に原因があるのかもしれません。 保護者自らが「子どもたちの話を聞く」姿勢を見直すことで、お子様も「話を聞こう」と感じて、態度が改善されてくるはずです。 今回は「最近、子どもが話を聞かなくなってしまった」と感じている保護者の方へ、「話を聞かない原因」3つと、「お子様が話を聞くようになる対策」3つについてご紹介していきたいと思います。

もし最近の話ではなく、乳児期早期から既に人の話を聞くことが苦手だったとしたら、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)の可能性もありますので、一度専門医に診てもらっても良いでしょう。 その場合は、症状に合わせて絵などの視覚を利用したコミュニケーションを取るといった、周囲のサポートが必要となってきます。

参考サイト:参考サイト:ASD 自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群について(厚生労働省 e-ヘルスネット)

話を聞かない3つの原因

原因1:親がきちんと話を聞いていない

お子様がせっかく話しかけてきたのに、スマホやTVを見ながら適当に答えてしまったことはありませんか。
忙しいからといって、話を聞いてあげなかったり、後でと言ってそのままにしてしまったことはないでしょうか。
大人は「今この人に話しかけても大丈夫かな」と考えた上で話しかけてくるわけですが、子どもはそういう訳にはいきません。
保護者側に事情があったとしても「話を聞いてくれない」と感じてしまえば、子どもも同じような態度を取ってしまうようになってしまいます。

人と人とのコミュニケーションは、内容を言語で伝えることよりも、態度や仕草、声量や声質といったような、非言語で伝わることの方が多いようです。

参考サイト:メラビアンの法則とコミュニケーション(医療法人社団 平成医会)

言語上でいくら対話をしたとしても、話を聞く態度を示さなかった場合、態度の印象が優先されるため、子どもには「親は話を聞いてくれない」「無視された」と伝わってしまうのです。
また、相手が自分の話を聞いてくれているかを判断する材料の1つに相槌があります。相手の相槌がない中で話をする実験を行うと、多くの人が途中で話せなくなってしまいます。相手の相槌がない中、話を続けることは非常に難しいのです。

お子様と一緒にいるときだけはせめて、話しかけられたら全集中で、しっかりとうなずいたり相槌を打って聞いてあげるようにしましょう。

原因2:いつも怒って、文句を言っている

お子様が自分の意に沿わないような何かをしてしまった際、理由を聞かずに注意したりしていませんか。

東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授によりますと、「強く叱りすぎたり、不適切な言葉がけを繰り返すことは、子どもの脳に悪影響を与えるのは間違いない」と指摘しています。
常に怒られたり、文句を言われたりしている子どもは、何を言っても意味がないと思ってしまって、自己防衛本能として保護者の言うことを聞き流してしまうようになるわけです。

ついイライラしてしまい、常に不機嫌な態度でお子様に接してしまっていないでしょうか。
イライラして怒ってしまいそうな時には、1度大きく深呼吸をしてみてください。怒りと向き合う心理トレーニング法「アンガーマネジメント」によれば、6秒待つことで怒りの感情は落ち着くと言われています。
言葉は一度発してしまうと戻りません。少し落ち着いてから、お子様の手を握って大好きであることを伝えたり、時には謝ったりしてみてください。

話を聞かない原因3:やりもしない脅しをする

子どもが話を聞いてくれないとき、手っ取り早く言うことを聞かせることができるのが「脅し」の言葉です。特に幼い子供には効果を発揮します。

しかし、気を付けないと、ついつい言いっぱなしになってしまいがちです。ゲームを捨てるといったのに捨てなかったり、おやつをあげないといったのにあげてしまったり、言動と行動との整合性がとれない行為を繰り返していると、子どもはどうせ「脅し」だと理解し、言うことを聞かなくなってしまいます。

また、言うことを聞かない子どもに対して「もう勝手にしなさい。どうなっても知りませんよ」などと言ってしまうこともあると思いますが、こちらも良い対処ではありません。

これをダブルバインドというのですが、子どもは言うことを聞かなくてもどうせ「勝手にしなさい」と言われるだけだから聞かなくてもいいや、となってしまいます。

保護者は本当に突き放すわけにはいかないのですから、こういった矛盾が生じてしまうような言葉を投げかけるのは止めたほうが良いでしょう。

ここまでは話を聞かない原因について紹介してきましたが、それではどうすれば話を聞くようになるのか、その対策についてご紹介します。

話を聞くようになるための3つの対策

対策1:「聞く」姿勢の良い見本となる

お子様から話しかけられたら、見本となるような正しい「聞く」姿勢を取りましょう。

・今やっていることをやめる
・子どもの目を見て話を聞く
・途中でさえぎったり、先回りしたりしない
・否定的なことを言わない
・表情豊かにすることを心がける

「子どもが育つ魔法の言葉」の著書で知られるドロシー・ロー・ノルト博士によれば、子どもは親の鏡だと言います。
お子様に「話をきちんと聞いてくれている」ということが伝わると、自分もそうしようと感じ、同じようにしてくれるはずです。

参考サイト:ドロシー・ロー・ノルト博士の詩「子ども」「子は親の鏡」

お子様の行動すべてが親の責任ではありませんが、大きく影響を与えていることは間違いないでしょう。「きちんと話を聞く子どもになってほしい」のであれば、「きちんと話を聞く保護者になる」必要があります。
保護者が「話を聞いたふり」をしているのであれば、子どもも「話を聞いたふり」をして、理解しようとしません。

対策2:聞けたことを褒める

お子様がしっかりと話を聞くことができたとき、褒めてあげていますか。
子どもが小さいうちは特に、褒められることで良いことを認識しています。

相手に自分の伝えたいことを伝えられた際には「ちゃんと言えたね」と褒められるのに、相手の話を聞いた際には褒められないわけですから、話を聞けることは素晴らしいことだという認識が出来ていないのかもしれません。

お子様にはぜひ「話を聞いてくれてありがとう」「話を最後まで聞けてすごいね」と褒めてあげてください。

対策3:話を聞きやすい工夫をする

お子様に話をする際、話を始めた時には聞いていたのに、だんだん聞かなくなってしまうというようなことはありませんか。

集中力とは注意機能の一つであり、これは加齢によって上達していくものですので、子どもが小さい内に集中力がないのは、当たり前のことなのです。
ですから、お子様の集中力が切れてしまわないように、保護者は気を付けて話をするようにしましょう。

話すことはいくつだよと先に言っておく、結論から話をするなど、どこがポイントなのかを先に伝えることで聞きやすくなります。
また、途中で話した内容をまとめてもよいでしょう。少し慣れてきたお子様には、話の内容を要約してもらうとより定着を図れます。
話を要約することは読解力の獲得にもつながります。また、それをアウトプットする際、内容を整理して順立てて話そうとすることで論理的思考を鍛えることができます。

RISU算数では、算数でありながらも1学年分の問題に、国語の教科書1年分の文章量を収録しています。計算だけでなく文章題も豊富に出題され、読解力もしっかりとつけることができます。読解力がつくとより相手の話を聞けるようになります。相手の話が理解できるようになるから話を聞ける、また話を聞くから内容の理解力が深まるようになり、途中で話を切り上げてしまうこともなくなるでしょう。

最後に

人の話を最後まできちんと聞くことは、忍耐力も必要なため、実は大人でも難しいことです。職場やママ友、夫婦間で多くの方が「話を聞いてもらえない」と悩んでいるのが実情です。

成功哲学の草分け的存在であるナポレオン・ヒルは「自分がして欲しいと思うことを、何よりもまず他人にそうしてあげることだ。」という言葉を残しています。
これは多くの宗教でも、黄金律(ゴールデンルール)と呼ばれてきたものです。

参考サイト:「思考は現実化する(ナポレオン・ヒル)」の名言まとめ

自分が相手の話を聞いてあげることができれば、相手も話を聞いてくれるようになります。そうすることで人から好かれ、信頼される存在になることは学校の勉強だけではなく、お子様の将来にも活きてくることでしょう。

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