・一番少ない量を「①」と決めて、線分図を描く。
・普通の数字を引き算(または足し算)して、丸数字だけの状態を作る。
・全体の数字を丸数字の合計で割って、「①」の大きさを突き止める。
この「基準を①とおいて考える」という思考パターンは、これ以降受験算数で登場する「割合」「比」「倍数算」「仕事算」など、あらゆる単元で使い続ける重要テクニックです。
この記事では、和差算との違いから、分配算でつまずく原因、正しい線分図の描き方、基本例題までを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
中学受験算数の「分配算」とは?

分配算がどのような問題なのか「和差算」との違いも含めて整理しましょう。
分配算とは「全体の合計」と「割合(◯倍)」から元の数量を求める問題
分配算とは、ある全体の量(お金、本数、重さなど)を2人以上に分ける(分配する)ときに、「全体の合計(和)」と「それぞれの関係(◯倍、◯個多い・少ない、など)」をヒントにして、1人分の量を求める文章題です。
たとえば、「兄と弟の2人でお金を分けます。合計は800円で、兄の金額は弟の3倍であるとき、それぞれの金額を求めなさい」といった問題が典型的な分配算です。
和差算との違いは?
和差算と分配算は、どちらも「合計から2つの量を求める」という目的や「線分図で解く」というアプローチが共通しています。
ただし与えられているヒントが異なります。
- 和差算:「足すと100、引くと20(差)」のように、普通の数字同士の「違い(差)」がヒント。
- 分配算:「足すと100、兄は弟の3倍(割合)」のように、何倍かという「割合」がヒント。
つまり、和差算が「数字の引き算」を利用するのに対し、分配算は「掛け算・割り算」「比」を利用して解くという違いがあります。
「【中学受験】「和差算」の本質は線分図の書き方!丸暗記に頼らない学習ポイント(学び相談室)」
分配算でつまずく原因3つ
多くのお子さんが分配算につまずいてしまうのには、3つの原因があります。
原因①:元にする量を「①」とするルールが曖昧
分配算の最初のポイントは「丸数字(①、②、③……)」を使った割合の表現です。
算数が苦手なお子さんは「弟の3倍」と言われたときに、何がどれくらいなのかを具体的にイメージできません。
「基準となる一番少ない量を『①(まるいち)』と決めて、それを元に考える」という基本が掴めていないのがつまずきの原因です。
原因②:線分図を正しく描けない
シンプルに「3倍」であれば、線を3本分長く描けばいいだけなので難しくはありません。
しかし、「3倍より100円多い」や「2倍より50円少ない」というように、「丸数字(分配算)」と「普通の数字(和差算)」が組み合わさった条件になると、線分図が描けなくなってしまう子が多いです。
どこまでが「倍」で、どこからが「実際の金額(差)」なのかを、線分図上で描き分ける作業が頭の中でごちゃごちゃになってしまうのです。
原因③:「丸数字(割合)」「普通の数字(差)」をごちゃ混ぜにして計算してしまう
原因②からの延長線ですが、これが分配算で最も多い典型的なミスです。
たとえば「①」と「100円」をたし算するときに、ノートに「① + 100 = ①100」や「101」などと書いて計算を進めてしまうケースがあります。
「丸数字(割合や倍数)」と「普通の数字(具体的な量)」は、単位が全く異なる別物です。
これをごちゃ混ぜにして計算してしまうと、当然ながら答えは支離滅裂になってしまいます。
根本原因はもっと深い可能性も。分配算の土台は「割り算」
ここまで分配算のつまずきの原因を紹介しましたが、実はさらに深いところに原因が隠れている場合があります。
それは「割り算」の考え方がしっかりと身についていないこと。
割り算は、「比べる量÷もとにする量」で表します。
これは「ある数が基準となるもう一方の数の何個分であるのか(等分・倍数)」を求める計算です。
分配算は、割り算でいうところの「もとにする量」を①として考えます。
ただし、分配算の問題文には「いくつに分けることができますか?」とは書かれていないので、自力で「何がもとにする量なのか(基準となる数)」を読み取る力が必要です。
もし分配算の基本問題の解説をしてもお子さんがピンと来ない様子なら、割り算の学習に穴が空いてしまっている可能性が高いです。
とくに計算練習だけ先取り学習をしてきたお子さんの場合、文章題をただしく読み取る力が不十分なケースも珍しくありません。
つまずき対策は急がば回れ。
どうしても分配算をスムーズに理解できない場合は、学年を遡って割り算の文章題を復習することが有効かもしれません。
「小3算数の文章問題が苦手。式を立てられない原因と対策法を教えてください(学び相談室)」
分配算における「線分図」の正しい描き方
分配算の学習で重要なのは線分図を正しく描くこと。
ここでは「正しい線分図の描き方」を、3つのステップで解説します。
次の問題を例に解説します。
【問題】1000円を兄と弟で分けます。兄は弟の3倍より100円多くなるように分けます。兄がもらう金額は何円ですか?
ステップ①:1番少ない量を「①」として基準の線を引く

まずは問題文を読んで、「登場人物の中で、誰が一番少ないか(小さいか)」を見極めます。
そして、その一番少ない量を表す横線を1本引き、その上に「①」と大きく書き込みます。
これがすべての基準(ものさし)になります。
ステップ②:もう一方の量を「◯倍」の長さで描き、あまり・不足を書き込む

次に、もう一方の人物の線を引きます。
たとえば「弟の3倍より100円多い」のであれば、基準である「①」の線を横に3つ分つなげて描き、それぞれの線の上に「①」と書きます(①×3=③になります)。
さらに、その右側に少しだけ線を伸ばして「100円」と実際の数字を書き込みます。
このとき、「丸数字の長さ」と「普通の数字の長さ」をハッキリ区別して書くことが重要です。
ステップ③:「丸数字の合計」と「普通の数字」を綺麗に分けて整理する
最後に、2人の線を合わせた全体(合計)を右側に括弧( } )で囲み、合計の金額(例:1000円など)を書き込みます。
これで線分図は完成です。
図を眺めたときに、「丸数字(①や③)」と「普通の数字(100円や1000円)」が明確に分かれている状態を作ることがポイントです。
分配算の基本例題3つ
ここでは、分配算の基本的な3パターンの問題例をご紹介します。
基本:「兄の持っているお金は弟の3倍」

【問題】お兄さんと弟の2人でお金を出し合って、1200円のおもちゃを買いました。お兄さんの出したお金は、弟の出したお金の3倍でした。弟の出したお金は何円ですか。
普通の数字はなく、「⚪︎倍」のみのシンプルなパターンです。
【解き方】
2人の合計を丸数字で表すと① + ③ です。
丸数字の「④」が1200円にあたるので、①の大きさを求めます。
1200 ÷ 4 = 300(円)
【答え】 弟の出したお金:300円
【確かめ算】
兄は 300 × 3 = 900
300 + 900 = 1200円でピッタリですね!
標準:「兄の持っているお金は弟の2倍より100円多い」

【問題】赤いテープと白いテープがあります。2本の長さの合計は130cmで、赤いテープの長さは白いテープの長さの2倍より10cm長いです。白いテープの長さは何cmですか。
【解き方】
2本の合計は、① + ② +10cm = ③ + 10cm となり、これが130cmです。
ハミ出しているジャマな10cmを、全体の130cmからひき算します。
130 – 10= 120cm
これで綺麗な「③」だけが残ったので、3で割って「①」を求めます。
120 ÷ 3 = 40cm
【答え】 白いテープの長さ:40cm
応用:やりとりが絡む分配算(やりとりしても「全体の和」は変わらない!)

【問題】兄と弟は最初、合わせて500円持っていました。お兄さんが弟に50円あげたところ、お兄さんの所持金は弟の所持金の4倍になりました。2人は最初、それぞれ何円持っていましたか。
【考え方のポイント】
「やりとり」の問題で最も大切な鉄則は、「2人の間でお金をやりとりしても、2人の合計金額(500円)は絶対に変わらない」ということです。
【解き方】
「あげた後」の状態で線分図を描きます。
弟(後):①
兄(後):④
合計:500円(あげる前と変わらない!)
あげた後の「①」を求めます。
① + ④ = ⑤
500 ÷ 5 = 100円 (やりとりした後の弟の金額)
弟は、お兄さんから50円をもらって100円になったのですから、50円を引くと最初の金額に戻ります。
弟の最初 = 100 – 50 = 50円
お兄さんの最初の金額は、合計の500円から弟の50円を引いて求めます。
兄の最初 = 500 – 50 =50円
【答え】 兄:450円、弟:50円
おうちの方の声掛けにもひと工夫
分配算の宿題でお子さんの手が止まってしまったときには、次の2つのアドバイスを試してみましょう。
「一番少ないやつはどれ?」
お子さんの手が動き出さない場合は、「誰が一番少ないかな?」と、どこに注目すべきかをさりげなくリードしてあげます。
そして「その少ない人をノートに『①』って書いて線分図を描いてみよう!」と声をかけてあげてください。
とっかかりとなる「①」が決まれば、スムーズに手が動き出します。
色分けで普通の数字と①を視覚化する
「①+100=①100」のような計算ミスをしてしまうお子様には、「色分け」が効果的です。
- 丸数字(①、②など)➔ 赤色
- 普通の数字(100円、130cmなど)➔ 黒色
ノート上で色を変えさせることで、「赤色と黒色は種類が違うから、直接たし算しちゃダメなんだ!」という意識が視覚的に刷り込まれ、計算ミスが劇的に減少します。
テスト本番ではもちろん色分けできません。
しかし家庭学習ではまずスモールステップで一問一問納得しながら進めていくことが、実は一番の近道です。
「RISU算数」なら中学受験の先取り&復習がタブレット1台でOK!

算数の家庭学習には、算数専用タブレット教材の「RISU算数」がぴったりです。
RISU算数には計算問題から中学受験基礎まで約10000問を収録。
さらに算数ステージを修了すれば、中学数学にも挑戦できます。
無理なく苦手を克服し、算数・数学がどんどん得意になるRISU算数の特長をご紹介します。
「【体験談】RISU算数は中学受験に効果あり?難関校・塾なし受験など合格者たちの使い方を知りたい」
1.「無学年制カリキュラム」で一人ひとりにマッチ

RISU算数では無学年制カリキュラムを採用。
学年を超えて先取り学習をどんどん進めることも、つまずいた分野で学年を遡って復習することもタブレット一台で完結します。
2.「チュートリアル」「解説動画」で疑問を解決

新しい学習は丁寧なチュートリアルからスタート。
特に中学受験の特殊算はイメージできるかがカギ。
RISU算数なら視覚的イメージで理解できるから、初めての勉強内容でも問題をすらすら解くことができます。

分からない問題は解説動画で疑問を解決。
東京大学をはじめとするトップ大学生チューターによる解説動画や、応援メッセージ動画は、「わかりやすい!」と大人気です。
3:文章問題・図形問題が豊富

RISU算数では、文章問題や図形問題が豊富に出題されます。
計算問題だけでなく、段階的にレベルアップしていくことが、算数の本質的な理解につながります。
4:「スペシャル問題」で思考力を鍛える

算数オリンピック問題や中学入試なども「スペシャル問題」として多数収録。
スペシャル問題は通常問題を解き進めるとゲットできる「鍵」を集めることで挑戦できるハイレベルな問題。
「もっと難しい問題を解きたい!」という好奇心旺盛なお子さんはぜひ挑戦してみてください。
5:保護者も安心のサポート体制

RISU算数には、自動採点機能や保護者の方への学習進捗お知らせするメールといった、学習サポート機能が満載。
さらにお子様のつまずきを検知すると、ベストなタイミングでヒントの解説動画を自動配信。
毎日忙しいおうちの方も、お子様の隣でつきっきりになる必要はなく、安心して学習を見守ることができます。
RISU算数を復習に使っています。一旦クリアした単元でもしばらく経つと忘れている場合があります。RISUの問題は単元ごとにまとまっており、非常に見やすいので、ピンポイントでその単元に戻って復習することができます。また、紙ではないのでかさばらず場所をとらないのも良いです。
(小5 A.Oさんの保護者様)
「RISU算数は中学受験に効果あり?塾なしでも合格できる?活用例や体験談を知りたい(学相談室)」
まとめ:分配算のコツは「①」を見つけること!
分配算のポイントは、「一番少ない量を『①』とおき、線分図を正確に描けるようになること。
お子さんが問題文を理解し自力で線分図を描けるように、まずはじっくり見守ってあげましょう。
ただし、もっと前の学習のつまずきが原因となって、分配算の学習が進まなくなってしまっているケースもあります。
その場合は思い切って割り算や掛け算といった前の学習内容に戻り、十分に土台を固めてから、再び分配算にチャレンジしてみてください。
算数は積み上げの教科。
基本を固めながら一つ一つ積み上げていき、お子さんが「わかった!」と感じられる瞬間をたくさん経験させてあげてくださいね。
RISU利用者レビューでは、RISU算数をご利用いただいている保護者様の声をご紹介しています。
中学受験で志望校合格、大手塾模試で成績が大幅アップ、家庭学習の質が上がった、など皆様の参考になるリアルな体験談が多数。
RISU公式ブログでは、算数オリンピックメダリストや先取り学習での算数検定合格者、大手塾主催模試での成績優秀者など、お子様の声を中心にご紹介しています。
ぜひ一度お読みください!





