RISU 学び相談室

Q

小3の子供への分数の教え方を知りたい!家庭で簡単にできる方法はありますか?

Q RISU算数スタッフの回答
「子供に分数を分かりやすく教えたいけど、何をすればいいの?」

現在では小学3年生から分数を習うため、このようなお悩みをもつ親御さんは多いのではないでしょうか。
分数は日常でもよく使うので大人にとっては当たり前のことですが、
いざ子供に説明しようと思うと案外難しいもですのよね。

結論から言うと分数の理解は身近な具体例を使って、頭の中にイメージさせることがポイント。

そこで本記事では、家庭でできる小学3年生への分数の教え方を具体的にを紹介していきます。
お子さんへの分数の教え方に迷っている親御さんはぜひ、内容をご確認ください。

小学3年生で習う分数

小3で習う分数は、基本的な概念分母が同じ分数(真分数)の足し算と引き算です。

たとえば、

といった計算です。

通分や約分は小4で学習するので、小3ではまだ扱いません。

①分数の概念(=イメージ)をしっかり理解する

小3になると、いよいよ割り算や分数が登場し、より本格的な算数の勉強へ進みます。

分数が登場するのは、足し算と引き算、掛け算、割り算の四則演算の学習を一通り終えた後。

まず習うのは、分数の概念です。

・分数を使うと1より小さな数字を表すことができる

・整数と分数、小数との関係性

・分数の大小の比較

「分数とは何か?」という基本概念を学んだ後に、分数の足し算・引き算を習います。

②分数の足し算・引き算をできるようにする

小学3年で習う分数の計算は、通分の必要の無い足し算、引き算。

分子同士を計算するだけなのでとても簡単です。

【※注意】計算がスラスラできても概念をよく分かっていない子は多い

高学年の算数の中で、特につまずきやすい単元のトップ3は、「割合」(5年生)、「分数の計算」(5~6年生)、「速さ」(6年生)と言われています。

※ベネッセ総合教育研究所「小学校の算数、苦手TOP3の家庭でできる克服法」より引用

小3の分数では、計算自体は簡単でも概念をしっかりと理解していないと、小4以降で習う約分や通分、仮分数や帯分数の計算でつまずく原因になります。

割合、速さ、濃度(水溶液)など高学年で扱う単元は、どれも分数を使って計算します。

算数が苦手になってしまう子の多くは、小3での分数の理解が不十分なことが多いのです。

まずは「分数とはなにか」をしっかり理解した上で、計算練習に取り組むようにしましょう。

※「RISU 学び相談室」には分数に苦手意識を持ってしまったお子さんに関するお悩みも寄せられています。

料理や食事で分数の概念(=イメージ)を教える

分数の概念を教えるなら、身近な料理や食事の時間を使うのがおすすめです。

手伝いをしてもらいつつ分数の勉強になるため、親御さんにとって一石二鳥。

料理や食材を使いながら分数の基本概念を教える3つのステップを紹介します。

食べ物を半分(2分の1)に分けてみる

食べ物をもっと細かく等分してみる

いろいろな形の食べ物を分数で表す

①食べ物を半分(2分の1)に分けてみる

分数の基本を教えるには、子供にとって身近な食材を使いましょう。

おすすめは「1枚」をイメージしやすいピザのような円形の食材です。

・1枚のピザを半分に切る

・2枚のうちの1枚が2分の1

2分の1の2枚を合わせると1になる

2分の1が半分、半分を足すと1になる、という基本的な分数の考え方はピザのような円形の食材を使えば分かりやすいです。

模型のような教材で教えるのも良いですが、実際にピザを食べながら教えるとイメージの定着がよりはかどります

②食べ物をもっと細かく等分してみる

整数を分数にする、という考え方もピザのような円形の食材を使うと理解しやすいです。

2分の1=半分、2分の1と2分の1を足すと1になる、という考え方が理解できたら、家族分のピザを切り分けて、例えば4分の1の概念や、4分の1を4つ足すと1になるという考え方も教えてみましょう。

勘の鋭いお子さんだと、「2分の1」と「4分の2」が同じであること(約分や通分)や、ピザ「2枚」は「1分の2」であること(仮分数や帯分数)に気づくかもしれません。

これは、高学年で学習する分数ですが、もし理解できるようであれば、続けて教えてあげるとお子さんは効率よく理解することができます。

③いろいろな形の食べ物を分数で表す

料理では、棒状のものや粉末、液体など、さまざまなものに分数の概念が使われています。

「大根を3分の1本使う」

「塩を小さじ2分の1入れる」

「お鍋の3分の2まで水を入れる」

など、目にみえる形で分数をイメージできます。

ピザのような円形の食材に慣れたら、料理の色々な工程で分数を使っていきましょう。

勉強のほかに手伝いの習慣もつけば親御さんとしては一石二鳥ではないでしょうか。

【※注意】分数のイメージがつかめてから用語を教えよう

分子や分母などの用語は、分数のイメージが理解できた後に教えても遅くはありません。

算数の用語はとっつきにくいものも多いのが特徴。

先に教えてしまうとかえって苦手意識を持つ原因になりかねません。

分母や分子を教えるときは、文字のイメージ通り、分母のお母さんが分子の子供を支えている、という具合に伝えると理解してくれるでしょう。

分数の足し算・引き算に挑戦

分数のイメージがしっかりできるようになったら、次は計算練習です。

分数の足し算・引き算計への3ステップを紹介していきます。

①分数を言葉で表す

分数を言葉で説明できれば式に直しやすくなります。

例えば

・「2分の1」は「1つのものを2等分」にしたものが「1個」

・「4分の2」では、「1つのものを4等分」にしたものが「2個」

と、最初はおうちの方が声に出しながら数字を書いてあげましょう。

次にお子さんが同じようにやってみると分りやすいでしょう。

これは後々複雑な文章問題を解くための基礎にもなります。

②分数を式で理解する

言葉を式に当てはめると、式が完成します。

分数とは1つのものをいくつかに等分したことを表すものです。

例えば、4分の1を式に分解すると、以下のような式になります。

1つの塊(かたまり)を4等分(÷)したうちの一つ(×1)という意味です。

4分の2の場合は×2になります。

分数を式で表すのは、分数の概念の理解とともに掛け算と割り算の十分な理解も必要。

これまでの学習内容がしっかりと積み上がっているかの確認にもなります。

算数は積み上げ式の教科

やや難易度は高いですが、ぜひ挑戦してみてください。

③計算問題を解く

ここまで丁寧に分数のイメージを積み上げたら、分数の足し算・引き算へ挑戦しましょう。

実際の手順は分子同士を足したり引いたりするだけですので、特に難しいことはありません。

小3で習う分数の理解度チェックポイント

足し算・引き算がスムーズにできたら、再度お子さんの分数の概念理解度をチェックしましょう。

繰り返しになりますが、小3の分数で重要なのは概念(=イメージ)をしっかりと掴むことです。

一通り小3の分数学習が進んだら、下記の5つのポイントに沿って、お子さんが分数の概念を理解できているかを確認していきましょう。

①何個に分けられているのか

一つの物が何個に分けられているか、をお子さんに質問してみましょう。

分母の理解度をチェックするためです。

一見、誰がみてもわかるような質問にも見えますが、分数の根本的な概念をおさえるには大切なチェックポイントです。

高学年の算数の文章問題でありがち「分母と分子が逆になっている」という間違いは、分母の理解が不十分なことが原因の場合も多いです。

②分数は1よりも小さい

一つのものを~等分に切ったときに、そのうちの一つを分数で表すとどうなるか」、をお子さんに質問をしてみましょう。

分子と分母のイメージが正しくできているかを確認します。

もし「1分の~」「1」と答えてしまうようであれば、「分数は1よりも小さい数を表す」という根本的な理解が不十分と判断できます。

③細かく分けても同じ大きさ

円いケーキを「二等分した1切れ」と「四等分した2切れ」ではどちらが大きいか、をお子さんに聞いてみましょう。

勿論答えは「どちらも同じ大きさ」。

異分母同士の量の比較は、数字だけをみてもあまりイメージがつきませんが、円形の食材や模型などをつかうと簡単に理解できます。

小5になれば約分を習いますが、その前に頭の中で異分母のイメージすることで思考力が鍛えられ、この先の学習に大いに役立つでしょう。

④分子が同じ分数の比較

「2分の1」と「3分の1」ではどちらが大きいか、をお子さんに聞いてみましょう。

答えは勿論「2分の1」。

しかし、「3のほうが2よりも大きいから3分の1のほうが大きい」と、間違ってしまうお子さんが意外と多いのです。

もし間違ったら①に戻って、おうちの方と一緒に分母の理解を再度確認してみましょう。

⑤分母の異なる分数の比較

「3分の2」と「5分の2」ではどちらが大きいか、お子さんに聞いてみましょう。

分母が異なる分数の比較は、算数を苦手とする小学生の代表的なつまづきポイントです。

小5で習う通分を使えばすぐにわかりますが、小3のうちに簡単な数字でイメージを捉える練習をしておくとよいでしょう。

分数の概念をしっかりと掴めていれば「3分の2のほうが半分よりも大きいから、半分より小さい5分の2よりも大きい」と分かるはずです。

水のように重さが計測しやすいものを使って実験するのも、イメージをつかみやすくおすすめです。

通分や約分、仮分数や帯分数は小学4年生以降で習うので、まだ難しいければ小3で無理に理解を進める必要はありません。

しかし「分母が違う分数を比べるにはどうしたらいいんだろう?」「2分の5はどういうイメージなんだろう?」という疑問を持ち、自分なりに考えてみることは、思考力を鍛えることに繋がります。

【チャレンジ】小学4年生以降で習う分数を先取り

もし余裕があれば、ぜひ高学年で習う内容にも挑戦してみましょう。

仮分数・帯分数の性質

仮分数は、次のような分子が分母以上の分数のことです。

分数だけをみると、いったいどういう状況を表しているのかイマイチイメージできません。

しかし、実際の生活で例えるとだいぶイメージしやすくなります。

例え話を一つ考えてみました。

「ホールケーキを2個買って、お父さん・あ母さん・お兄さん・妹の4人家族で食べるために、それぞれ半分(2分の1)に切りました。

お父さんは仕事で帰りが遅いので、1切れ冷蔵庫に保存しています。

半分(2分の1)のケーキを3人がそれぞれ食べたから、食べた分は、

そして、ケーキは元々2個あったから、3/2は1よりも大きいとなります。

このイメージが仮分数です。

抽象的な概念はなるべく身近な例を挙げてみると、頭で考えるよりもだいぶわかりやすいのではないでしょうか。

帯分数は次のように、仮分数を「整数と真分数」に分けたもの。

小3では1より小さい分数を学習しましたが、帯分数を学習することで、整数と整数の間を1より細かく分割できるのが分数」と、分数の意味が拡張されます。

約分と通分

通分は小学4年生、約分は小学5年生で学習します。

通分は分母の異なる分数同士を比べるために分母を揃える作業です。

形式的に通分を覚えても問題は解けますが、小3で分数の概念を教える流れで、根本的な通分の意味を教えると先々の理解に役立ちます

通分の概念を教えるためのたとえ話をご紹介します。

AさんとBくんが、ピザを食べた時の話をしています。

Aさん:「わたしは3つ食べたことあるわ。」

Bくん:「ぼくはいつも1つだよ。」

Aさん:「じゃあわたしの方がたくさん食べるのね。」

一見B君の1つよりもAさんの3つの方が多そうです。

しかしよくよく話を聞いてみると、Aさんはの3つは3切れ、Bくんの1つは丸々1枚を指していました。

それなら丸々1枚の方が多いですよね。

単位を合わせる通分の過程を話しことばにすると以下のようになります。

Aさん:「わたしは8分の3枚食べたことあるわ。」

Bくん:「ぼくはいつも8分の8枚だよ。」

Aさん:「私より5切れも多く食べるのね!」

計算のために1切れに単位を合わせて比べようとする考え方が通分です。

約分は、2分の1は4分の2、8分の4、16分の8といった、無限に存在する分数の答えを一つにまとめるために存在します。

約分は算数から数学にいたるまで、あらゆる計算式や答えを書くときのルールの根底をなすものです。

小学5年生でならう概念ですが、早めに知って損はありません。

小3でピザやりんごなど円形の食べ物を分割するついでに「4分の2こ2分の1こって同じかな?」など、おうちの方と一緒に考えてみるといいでしょう。

まとめ 小3の分数はおうちの人と身近な料理から勉強スタート

小3で分数の基本的な概念を理解せずに形式だけ覚えて計算問題を解いていると、高学年で内容が難しくなってきたとき、特に文章問題でつまづく可能性が高まります。

初めから完璧に理解できなくとも、どこかタイミングで基本的な概念を正確に理解しなくてはなりません

小学3年生で習う分数は、家庭の料理で覚えられることが多いです。

家族の対話を通して、お子さんの理解度を確かめながら分数の学習をすすめてみましょう。

お子さんが興味を持てば、学年を超えて先取り学習にチャレンジしてみるのもおすすめです。

興味を持ったことには、子供は自分でどんどんチャレンジし知識を吸収していきますよ。

算数が好きになるのには、理由があります。
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