この記事では、以下について解説します。
・幼児に算数教育は必要か
・年齢別の発達と算数の教え方
・算数センスを養う日常生活の取り組みや遊び
2〜6歳の子どもが、無理なく算数に取り組めるヒントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
幼児に算数教育は必要?
小さな頃からの算数教育には、メリットがたくさんあります。
- 算数を楽しめる
- 遊びやおもちゃから算数を学べる
- 自信がつく
- 算数の基礎が身につく
幼児期の算数教育は、遊びやおもちゃで算数を楽しく学べるため、「数っておもしろいな」「算数って楽しいな」と感じやすく、算数好きになるチャンスです。
また、空間認識能力や図形認識力、論理的思考力を幼い頃から養うことで、算数の土台ができます。
就学後の学習がスムーズになるよう、算数教育は幼児のうちから、無理のない範囲でおこないましょう。
年齢別!算数の教え方
幼児が数を理解するには、子どもの発達にあわせて数を教える必要があります。
子どもにとって数は複雑で、3歳で100まで数唱できても、数量の関係や数字の並びを理解しているわけではありません。
10まで数えられる子に、おやつを5個ずつ配ってねと指示しても、間違えてしまいます。
数が唱えられても、実際に計数できる数や、理解している数が年齢や発達によって異なる点を覚えておきましょう。
以下は発達目安の表です。
2~3歳 | 4~5歳 | 6歳(就学前) | |
数学的理解 | 数量:3までの理解数唱:20以下計数:5まで計数の基礎が発達する | 数量:5~10までの理解数唱:20以上計数:10前後数の順序の理解 | 数量:10以上の理解数唱:100前後数の保存性の理解 |
算数の取り組み | 1対1を意識する | 数の合成、順序を意識する | 数の保存性を身につける小学校の算数を意識する |
2〜3歳・4〜5歳・6歳の発達と、発達にあわせた取り組みを紹介するので、参考にしてください。
2~3歳への算数の教え方
2歳ごろから計数の基礎が発達するため、「物を数える取り組み」をたくさんしましょう。
計数とは、物を1つ1つ数えることで、数量の理解に欠かせない動作です。
2〜3歳では、まだ数と物の数が完全に一致しないため、1対1対応(数える物1つにつき1つの数字をあてる)を意識した計数をおこないましょう。
積み木やブロック、おやつを「1、2、3」と数える計数の遊びがおすすめです。
また、ぬいぐるみ1つにおままごとのお野菜を1つ、ぬいぐるみが2つ並んでいたらお野菜を2つ配るなど、おままごとをしながら遊ぶのも計数や数量の理解につながります。
まずは3個までの数をしっかり計数できるようにして、4個5個と少しずつ数を増やしていきましょう。
4~5歳への算数の教え方
4〜5歳の算数の教え方は、「計数の数を増やす」「5の数の合成をする」「数の順序を学ぶ」がポイントです。
4歳ごろには数量と数の一致がすすみ、5の数を理解し、合成分解できるようになります。
また、5歳後半は数の順序が理解でき、たとえば6と8ならどちらが大きいか・小さいかが分かるようになっていきます。
4〜5歳での算数の取り組みでは、まず計数の数を増やしましょう。
積み木やおはじきなどで5以上の数と数量を一致させます。
また、「イチゴ2つに3つを足すと5つになるね」など数の合成も教えていきます。
5個あるおはじきを、いくつか手で隠し、見えているものの数を数えさせ、「手で隠したのは何個だろう?」と考えさせてみましょう。
5は「2と3」「1と4」の合成であると分かると、より数の理解が進み、足し算や引き算の基礎となります。
慣れてきたら、6の合成や7の合成もチャレンジさせましょう。
数の順序を理解する取り組みでは、電車の車両を前から順番に数える・階段をのぼりながら「いちだん、にだん」と数える・絵本のページ数を数えるなど、数が順序ただしく並んでいるものを数えてみてください。
数の順序は、計数と同様に算数学習の基盤となる概念なので、丁寧に取り組んでください。
6歳への算数の教え方(就学準備)
6歳への算数の教え方は、「10の合成を学ぶ」「数の保存性を学ぶ」「就学に向けて学習する」がポイントです。
10の合成では、5の合成と同じように、おはじきや積み木を使用し、「1と9で10」「2と8で10」と、10になる数の組み合わせを経験させてください。
数の保存性とは、「物の見た目が変わっても、物の数や量は変わらない」という数量の不変性のことです。
たとえば、クッキー5枚を重ねたお皿と、クッキー5枚を広げて並べたお皿では、子どもは後者のほうがクッキーが多いように感じます。
また、100mlの水を大きなコップと小さなコップにそれぞれ入れると、子どもは小さなコップのほうが水の量が多いと答えます。
物の集合の形が変わっても、数や量が変わらない数の保存性の理解は、数量感覚の安定に欠かせません。
計数や数の順序とおなじく、算数の重要な基盤となるため、以下のような取り組みで数の保存性を身につけましょう。
- 形が変わっても総数が変わらないジグソーパズルで遊ぶ
- 色んな形・容量のコップやボトルに同じ量の水を移し替えて遊ぶ
- 同じ長さのひもをいくつか用意し、色んな形をつくって遊ぶ
また、6歳は小学校算数に向けて取り組む時期でもあります。
ドリルやタブレット教材をつかい、数式による足し算や引き算に慣れさせましょう。
日常生活でできる算数センスの養い方
算数ができる子は、日常生活での経験を算数に生かします。
日常生活のなかで、算数のセンスを磨く取り組みや声かけをご紹介するので、参考にしてください。
お買い物で算数センスを養う
お買い物では計数や足し算・引き算をおこなうため、算数のセンスを養えるチャンスがたくさんあります。
「キウイ2個とりんごを1個買おうね。果物は全部でいくつかな?」
「おうちのヨーグルトが残り1個になったから、3個買おう。おうちのと合わせると何個かな?」
「おやつは1日1個で、3日分買うよ。何個買えばいいかな?」
「牛乳は3日で1本飲んじゃうよ。6日分買うには牛乳は何本買えばいいかなあ」
など、買い物は簡単な四則演算ができ、色んな応用ができる算数の宝庫です。
算数が得意になってきたら、金額の合計やおつりなどで、大きな数の計算もさせてみましょう。
おやつのやりとりで算数センスを養う
おやつの時間は算数センスを養うチャンスです。
ラムネやグミ・小魚・イチゴといった数の調整がしやすいおやつで取り組んでみましょう。
「ラムネはいくつ食べる?じゃあ5個とってね」
「ママに3つくれる?ありがとう。残りはいくつになった?」
「あと4つあげるね。全部で何個?」
「おやつを2個ずつ配ってね」
こういった声かけで自然と計数や数の1対1対応、数の順序、保存性、足し算や引き算を学習できます。
何個?と答えさせるだけでなく、子どもが実際に指を動かして学べるよう声かけしましょう。
料理やお菓子づくりで算数センスを養う
料理やお菓子づくりは、計数や計量で量・重さを体感できるほか、グラムやミリリットルなどの単位も自然と学べます。
「バターを10g、おさとうを50gはかって用意しよう」
「お水を1カップ入れるよ。1カップは200mlだね」
「これを半分(や4等分)に切ってみようか」
「5分焼くよ。1分は60秒だから、60秒を5回で5分だね」
など、算数のチャンスがたくさんあります。
子どもとの料理やお菓子づくりは、算数のセンスを養うだけでなく、理科や化学、生活常識が学べるので、ぜひおこなってみてください。
幼児の算数センスを鍛える遊びとおもちゃ
日常生活のほか、日頃の遊びでも算数センスを鍛えられます。
- 外遊び(空間認識能力)
- おりがみ(図形認識力、空間認識能力)
- すごろく(計数、数量の一致)
- めいろ(空間認識能力、論理的思考力、問題解決能力)
- つみ木やタングラム(空間認識能力、パターン認識)
- 自由に遊びをつくる(数への興味関心)
これらの幼児期ならではの遊びは、算数のセンスに必要な数量の感覚・図形の感覚・パターン認識・空間認識能力を高められます。
外遊び
外遊びで育つ空間認識能力は、算数での図形認識力や角度、面積の理解に必要な力です。
- 色んな形の遊具で遊ぶ
- おいかけっこや鬼ごっこで遊ぶ
- 砂遊びで遊ぶ
さまざまな遊具で遊んだり、友達と追いかけっこをすることで、物と物(人)の距離や角度を学べます。
また、砂遊びは自由に山などを作るため空間認識能力が育ちますし、バケツやスコップで砂や水を運ぶことで、重さや量を体感できます。
外遊びが苦手な子は、室内の遊び場やお散歩などで体を動かしてみましょう。
おりがみ
おりがみは、正方形から長方形・二等辺三角形・正三角形などの形や、対角線・角度・線対象が学べるため、図形認識力が高まります。
また、おりがみは平面(2次元)から立体(3次元)へ変換する遊びなので、空間認識能力も養えます。
幼児は3〜5回で折れるおりがみから始めてみましょう。
折りながら「長方形だね」「これは二等辺三角形だね」など、図形の名前を伝えると、より形を意識して取り組めます。
すごろく
サイコロを振って、出た目の数だけ進むすごろくは、計数や数の1対1対応、数の順序を学べます。
また、画用紙でサイコロやコマを手作りすると、図形認識力も養えるので、手作りしてみましょう。
親子でつい夢中になってしまうすごろくは、楽しく算数を学べる遊びです。
めいろ
めいろ遊びは、ゴールまでの道を頭の中で考えながら進むため、論理的な思考力や問題解決能力、空間認識能力を鍛えられます。
また、最後までゴールすることで、算数に必要な、やりぬく力も成長します。
算数に直結する遊びではありませんが、算数の土台となる能力をたくさん磨けるため、遊びに取り入れてみましょう。
積み木・タングラム・ブロック
積み木やタングラム・ブロックは、算数センスを養う代表的なおもちゃで、計数や図形認識力、空間認識能力、パターン認識のほか、創造性が育まれます。
また、タングラムやブロックなどで、さまざまな形の変換が頭にインプットされていると、図形を頭の中で自由に操作できるようになります。
算数の学習では、プリントに書かれた図形を立体的にイメージする必要があるため、積み木やブロック遊びはたくさん経験させましょう。
自由に遊びをつくる
数をつかって自由に遊ぶと、数がおもしろく感じられます。
- 車のナンバープレートの数を足し算する遊び
- 今日は月曜日で4日、金曜日は何日?などのカレンダー遊び
- 家族など身近な人の誕生日を足す遊び
- 買ったおやつのバーコード下2桁を足す遊び
このように、身近にある数字をつかって遊ぶと、子どもは数字の楽しさやおもしろさに気付きます。
自分たちで自由にルールを決めるのも、子どもにとっては楽しいポイントです。
子どもが「数って楽しい」「足し算っておもしろい」と思えたら、算数のチカラがどんどん伸びていくので、ぜひオリジナルの算数ゲームをつくって遊んでみてください。
幼児に算数を教えるポイント
小さな子どもに算数を教える際のポイントをまとめました。
- アプリや算数プリントを補助的に使用する
- 好きなものを算数に結びつける
- ワーキングメモリを同時に鍛える
幼児の算数教育がスムーズになるポイントを解説します。
算数プリント・アプリ・タブレットを補助的に使用する
遊ぶなかで習得した数の理解を、算数プリント・アプリ・タブレット教材をつかって定着させると、より効果的に算数学習がおこなえます。
子どもの認知発達の研究者であるピアジェが、「子どもは数を数えられても、本当の意味で数を理解していない」と述べているように、子どもにとって数の理解は複雑で、簡単には習得できません。
算数プリントだけに取り組んでも、数で遊ぶだけでも算数は身につかないため、数の実体験を定着させ、応用する力をつける教材をうまく利用しましょう。
市販の幼児向けワークのほか、算数に特化したタブレット教材である「RISUきっず」は、年中〜年長さんからはじめられます。
子どもの発達にあわせた算数の基礎理解から、小学校算数の先取りまでタブレット1つでおこなえるため、ぜひご検討ください。
好きなものを算数に結びつける
子どもにとって、より身近なものと数を結びつけると、算数への興味関心を引きやすいです。
おやつが好きであればおやつの数、車が好きであればナンバープレートやタイヤの数などを算数に結びつけましょう。
好きなものとなると、子どもの原動力は大きく働くため、あっという間に算数を学んでしまいます。
ワーキングメモリを同時に鍛える
算数が得意な子は、ワーキングメモリが優れています。
ワーキングメモリとは、問題を解くための情報を、一時的に記憶・整理・処理する脳の機能のことです。
算数において重要な機能なので、ワーキングメモリを意識して算数の取り組みをおこないましょう。
日常生活の中でおこなう簡単な足し算(暗算)や、算数センスを鍛える遊びでご紹介した外遊びやめいろなどは、ワーキングメモリをたくさん使用する取り組みです。
運動と思考を一緒におこなうとワーキングメモリを鍛えられるので、おりがみなど手先を動かしながら考える遊びをたくさん取り入れてください。
「暗算が苦手な子の特徴とは?暗算が得意になるコツを知りたいです」(RISU 学び相談室)
幼児の算数教育でよくある質問
幼児に算数を教える際によくある質問に回答します。
- 幼児の算数はいつからはじめるべき?
- 3歳の算数レベルは?
- 5歳はいくつまで数を数えられる?
- 算数に興味を示さない幼児はどうしたらいい?
それぞれ見ていきましょう。
幼児の算数はいつからはじめるべき?
2歳ごろに計数の概念が発達するため、2歳から数を数えるなどの簡単な取り組みをはじめるとよいでしょう。
計数は数の理解に欠かせない要素なので、小さな頃からコツコツ取り組むのがおすすめです。
2歳児は、歌のように数を数えやすいため、数と数量が一致しないことがあります。
積み木など具体物を使用しながら、数と積み木の数が合うように数えてみましょう。
3歳の算数レベルは?
3歳がきちんと理解している数(数の順序がわかり、分解・合成できる)は3までです。
たとえば、2より3が大きく、1個と2個があわさって3個になることを3歳で理解できていても、3と5ではどちらが大きいか聞くと、間違えてしまいます。
算数の発達は子どもによって個人差がありますが、3歳後半で3個の数を理解しているのが目安です。
5歳はいくつまで数を数えられる?
5歳では100以上の数唱ができる子もいますが、数を1つ1つ数える計数ができるのは10〜20前後、数の分解・合成ができるのは5~10の数です。
数概念の発達に関する研究では、幼児が計数できる数は、歌のようにリズムで覚えられる数唱より少ないことが分かっています。
算数に興味を示さない幼児はどうしたらいい?
子どもが算数に興味がない場合、数字や数で無理に遊ぼうとせず、算数の学習に必要な空間認識能力や図形認識力を養える遊びをたくさんしましょう。
たとえば、外遊びやブロック、折り紙、めいろなどです。
2歳や3歳に算数を教えるのは大変ですが、6歳になれば苦労せずとも、簡単な計算はすぐできるようになります。
焦らず、興味が出たときに「やっぱり難しくてイヤだ」とならないよう、算数に必要な能力を遊びから養っておきましょう。
また、算数に興味がなくても、好きなものと関連した数には興味がでる可能性があります。
たとえばプリキュアが好きな子であれば、「プリキュアって何人いるの?」「仲間が増えたの?じゃあ何人になったんだろう?」など声をかけると、喜んで数えるはずです。
5〜6歳で、入学準備として算数を教えたいのに興味を持ってくれないという場合は、タブレット教材での学習がおすすめです。
自分専用のタブレットをもらえると子どもは喜びますし、アニメーションや音声でゲームのように学べるため、算数に興味がない・苦手意識がある子でも楽しく学べます。
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幼児への算数の教え方まとめ
ここまで、年齢別の算数の教え方、算数のセンスを養う取り組みや遊びを解説しました。
子どもが数を理解するには、計数や数の順序、数の保存性といった概念の習得が欠かせないため、発達にあわせて算数の基礎を磨きましょう。
また、外遊びやおりがみ、めいろ、ブロックなど算数のセンスを養える遊びは、幼児期にぴったりです。
体や手を動かして身に付けた算数の基礎を、算数プリントやタブレット教材で定着させると、より数の理解が深まるので、5〜6歳ごろから机上の教材もバランス良く活用してください。
幼児期から算数の基礎を教え、算数が得意になるように取り組んでいきましょう!
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