
①子どもと塾の相性
②親と塾の相性
の二つをバランスよく検討することです。
塾によって指導スタイルや教材の特色は変わります。
本記事ではお子さんに合った塾を選ぶために押さえるべきポイントを具体的に解説しています。
首都圏の主要塾の特色もご紹介していますので、中学受験に向けた塾選びを始める方はぜひ最後までお読みください。
目次
中学受験塾の特徴をきめる2つのポイント

中学受験を目指すとなったら、まずは塾選びからスタート。
ただ大手塾をはじめ、中小規模塾、個人経営塾などさまざまな塾があり、最近ではオンライン受講できる塾も増えているため、一体どこを選んだらいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。
そこでまずは塾の特徴を決める特に重要なポイントを2つを解説します。
①通っている生徒の学力レベル
どの学力レベル層が多いか(いわゆるボリュームゾーン)、は塾の特徴を作る大きな要素です。
たとえば、最難関校を志望する生徒が多い塾では、精神年齢が高い子や競争心の強い子が多くなります。
このような塾では10クラス以上もあることも。
テストによるクラス替えや席替えを頻繁に行うことで、子どもたちがより意欲的に競い合える環境づくりを重視しています。
一方で、中堅校を目指す生徒の多い塾では、穏やかでアットホームな学習環境を望む生徒が集まります。
このような塾では、講師や生徒同士の関係性を大切にし、質問や相談しやすい雰囲気作りが重視されます。
優れた塾だから生徒の成績が伸びるのではなく、学力の高い生徒が集まるからそれに合わせてハイレベルな授業が行われる、という点に注意しましょう。
②面倒見が良い or 放任主義
塾の面倒見の良さは親御さんにとって重要でしょう。
面倒見の良さは、「講師との距離感」と「システムの柔軟性」の表れ。
講師との距離感に注目すると、塾は2つにタイプに分かれます。
- 講師を中心にクラスに一体感があり、講師と生徒があだ名で呼び合うようなフレンドリーな塾
- 決まった日・決まった時間にしか質問はできず、あだ名呼びは禁止で講師と生徒の距離が一定以上保たれる塾
システムの柔軟性では、次の2つのタイプに分かれます。
- いつでも質問でき、宿題も細かくチェックされる。宿題が未提出なら居残りをさせ「勉強をさせるまでが塾の役割」という管理型の塾
- 宿題は義務ではなく、たとえやってこなくても怒られない。勉強するかしないかは自由だが「成績が下がっても自己責任」という放任型の塾
どちらの方が合うかは人それぞれ。
お子さんの性格やどんな環境でやる気が出るタイプなのかの見極めが大切です。
塾による宿題やカリキュラムの違い
他にも、上記の2つのポイントから派生した、塾による特色があります。
「【中学受験】低学年でやるべきことは?中学受験準備に必要なことを教えてください(学び相談室)」
宿題の量
宿題の量は塾やクラスによって変わります。
子供の限界の120%の宿題量を出す塾もあれば、そもそも宿題自体がない塾もあります。(ただし宿題提出の義務がないだけで家庭学習用の教材は配られます)
小規模塾では、生徒一人ひとりに合わせて宿題の内容や量を指定することもあります。
ちなみに、最上位層の生徒たちは通常の宿題では物足りないことも珍しくありません。
その場合個別にプリントをもらったり自主的に副教材に取り組んだりするので、どの塾であっても最上位層は通常カリキュラムを上回る学習をこなしています。
カリキュラムの速さ
中学受験塾の中には、特にカリキュラムが速いと言われる塾もあります。
学習範囲が早く終えることで、入試に向けた実践演習に多く時間を割くためです。
高い合格実績を誇る塾の多くはこのタイプです。
ただし、速すぎるカリキュラムについていくのはかなりハード。
毎回授業と宿題をこなすだけで精一杯、しっかり復習して知識を定着させるところまで手が回らないというケースも非常に多いです。
分かること、出来ること、が増えなければ当然成績は上がりません。
速ければいいと限らないので、お子さんに合った学習ペースをしっかり見極めましょう。
失敗する塾選びのパターン3つ

一度塾に入ると、気軽に塾を変えることは難しいです。
教材やカリキュラムが塾によって異なり、新しい環境に慣れるのは子供にも親にも大きな負担だからです。
ここでは塾選びで失敗しやすいパターン3つをご紹介します。
失敗1:合格実績だけで塾を選ぶ
「A中学に合格するにはB塾に通わないと無理」と考えてしまう親御さんは多くいます。
しかし「御三家何名合格」といった合格実績は、どの学力帯の生徒が多く集まっているか、ということを表しているにすぎません。
特定の塾に偏差値を20も30も伸ばすノウハウがある、ということではないのです。
お子さんの学力レベルや性格に合わない環境では、力を伸ばすことはできません。
どんな環境であればお子さんのやる気を引き出し目標に向かって頑張れるのか、という観点で塾選びをしましょう。
失敗2:子どもの性格や親の余裕を考えない
子どもの性格は一人ひとり違います。
負けず嫌いの性格の子は、穏やかな塾ではやる気を失ってしまうかもしれません。
頻繁なクラス分けテストがストレスとなって、毎回テスト前に体調を壊してしまう、というお子さんもいます。
親御さんも、中学受験のために割ける力は人によって違います。
仕事や家庭の事情、体力や性格など、条件は家庭によってさまざま。
たとえば弁当持参や宿題・教材が多い塾に通う場合は、親のサポート負担は大きくなります。
中学受験は何年もかけて入試を目指すいわば長距離走。
最後まで走り切るためには「子どもとの相性」や「親の負担の大きさ」といった観点も塾選びで大切です。
失敗3:「塾にしてもらうこと」に期待しすぎる
誰にとっても完璧な塾というのは存在しません。
面倒見は良いけれど、そのぶん授業時間が長く費用も高い。
合格実績は高いけれど、塾についていくための親のサポート負担も大きい。
といったように、塾によってメリットデメリットがあります。
「いい塾に通えば成績が伸びるはず」と期待しすぎると、もし成績が低迷したり子どもがやる気を失った時に「塾が合わないから」と転塾を繰り返すことになりかねません。
大切なのは学んだことをを着実に身につけていくこと。
お子さんがしっかり学ぶことが志望校合格への一番の近道ということをしっかり押さえ、そのための環境として塾選びをしましょう。
子どもの性格やタイプから考える塾選びのポイント3つ
塾選びの際、知り合いに情報を聞いたり塾の合格実績を確認したりする方は多いと思います。
しかし、他の子に合う塾だからといって我が子に合うとはかぎりません。
塾選びをする際に注目してほしい、子どもの性格やタイプに関する3つのポイントをご紹介します。
①応用にどんどんチャレンジしたい or 基礎から丁寧にみてほしい
塾やクラスによって授業のレベルはさまざま。
基礎から丁寧に解説してくれる場合もあれば、基本の解説は飛ばして応用問題にたくさん取り組む場合もあります。
どちらが合うかはお子さんの基礎学力や性格によります。
慎重な性格のお子さんは一つひとつ丁寧に確認しながら先に進むことで自信がつきますし、難しい応用問題にチャレンジしたいお子さんは丁寧な解説授業では退屈してしまうでしょう。
お子さんの性格や学力レベルに合った授業スタイルかは、授業の理解度や定着度に大きく影響します。
②競争心が強い or マイペースに頑張りたい
大手の中学受験塾ではテスト結果によるクラス替えがあります。
クラス昇降がモチベーションになるような競争心の高いタイプのお子さんには、良い刺激になるでしょう。
ただクラス替えが過度のプレッシャーになったり、人見知りで講師やクラスメイトに慣れるのに時間がかかるタイプのお子さんには逆効果かもしれません。
お子さんが頑張れるのはどんな環境なのか、おうちの方だからこそ分かることも多いはず。
お子さんの性格やタイプを見極め、冷静に塾選びをしましょう。
②仲間と一緒に頑張りたい or 自分ひとりで頑張りたい
休み時間が無かったりクラス替えが頻繁だったり、友達が作りにくい塾もあります。
こうした塾では、友達と一緒に頑張りたいタイプや、友達ができないことが辛く感じるタイプのお子さんには、大きなストレスになるでしょう。
逆に、講師との距離感が近かったりクラスの仲間意識が強かったりするタイプの塾もあります。
こうした塾では、受験勉強で必要以上に人と関わりたくない、マイペースに頑張りたいというタイプのお子さんにはストレスになる可能性があります。
心地よいと感じる距離感は人それぞれ。
余計な負担を抱えず、お子さんが勉強に集中できる環境を選択するようにしましょう。
親の性格やライフスタイルから考える塾選びのポイント3つ

中学受験では親のサポートが重要。
しかし共働き家庭が増え、入試問題の難化も進む現代の中学受験は、親御さんの負担も非常に重くなっています。
お子さんへの適切なサポートを続けるためにも、親御さんが過度に負担を背負い込まないことは重要です。
ここでは親御さんと塾との相性を考える際のポイントを3つご紹介します。
①親のサポート量
塾によって親に求められるサポート量は大きく変わります。
「塾は授業をするだけ、あとは家庭学習で頑張ってください」と考える塾もあれば、「宿題のサポートも塾がします」という塾もあります。
いつでも質問対応してくれる塾もあれば、授業後のわずかな時間にしか対応しない塾もあります。
弁当持参の塾も不要な塾もあります。
どの程度の負担なら大丈夫かは家庭の事情や人によって変わります。
親御さん自身にとってお子さんのサポートをしやすい塾や、相談しやすい塾を選ぶことも大切です。
②送迎負担
小学生が電車に乗って通うことも多い中学受験。
都心部では車送迎禁止の塾も多いので注意が必要です。
また学年が上がると通塾日数も多くなるので、送迎や通塾時間の負担は想像以上に大きくなります。
どんなに評判の良い塾でも、週に何日も送迎できるか、お子さんが一人で通える距離か、といった点をよく考えて塾選びをしましょう。
③教材のスタイル
塾の教材は大きく分けて、半年分の分厚いテキストタイプと一週間分のプリントタイプの2つのタイプがあります
「テキストタイプのメリット」は、一度にまとめて配られるので整理整頓が楽で、復習する際にも該当ページをすぐに開きやすいということ。
一方のデメリットは、教材が重いのでお子さんが塾へ毎回持っていくのが大変ということです。
「一週間分のプリントタイプ」のメリットは、身軽に塾に通えることと、教材の改訂がしやすく最新の入試情報が反映されること。
デメリットは、授業のたびに毎回教材が増えていくので、家での整理が大変なことです。
塾が遠かったり、小柄なお子さんには重い教材は大きな負担かもしれませんし、紙の整理整頓が苦手な親御さんにはプリントの整理は大きなストレスになる可能性があります。
主要な中学受験塾の特徴
首都圏の大手4大塾をはじめとする、主な塾の特徴をまとめました。
ただ同じ塾でも校舎や地域によって変わる点も多いですので、体験授業や季節講習などに実際に足を運んで、塾の雰囲気を親子で確かめるようにしましょう。
首都圏の四大集団塾と特徴
ここでは4つの塾の特徴をまとめました。
大手塾の中での比較ですので、個人塾や小規模塾にはさらに手厚いサポートを行っている塾も多くあります。
まずは塾選びを始める際の基準にしていただくとよいでしょう。
SAPIX | 早稲田アカデミー | 日能研 | 四谷大塚 | |
ボリュームゾーン | 難関校〜最難関校 | 中堅校〜最難関校 | 中堅校〜難関校 | 中堅校〜難関校 |
面倒見の良さ | 放任主義講師との距離がある。 | 面倒見が良い体育会系。 | 面倒見が良いアットホーム。 | 面倒見が良いアットホーム。 |
教材タイプ | プリント | 冊子 | 冊子 | 冊子 |
カリキュラム | 非常に速い | 速い | ふつう | 速い |
宿題の量 | 非常に多い | 非常に多い | 多い | 多い |
その他の特色 | 質問は授業後の「質問教室」のみ。 宿題チェックなし。 自習室なし。 | 講師との距離が近く質問しやすい。 体育会系。 自習室あり。 | 学生アルバイトがいないので落ち着いた講師が多い。自習室あり。 | 講師との距離が近く質問しやすい。自習室あり。 |
その他の中学受験専門塾(首都圏)
4大塾よりも校舎数は限られますが、通える範囲にあればこれらの塾もおすすめです。
- グノーブル:SAPIX創立メンバーが独立して立ち上げた進学塾。SAPIXとシステムはよく似ているが、SAPIXをも上回るカリキュラム進度とハイレベルな指導内容で合格実績を伸ばしている。
- ジーニアス:少人数制で細やかな指導が特徴。他塾には無い志望校別対策講座が豊富で、特に渋渋や駒東といった、御三家以外の難関校で高い合格実績。
- エルカミノ:算数の指導に特に力を入れている進学塾。算数好きの生徒が自ら伸びる環境を提供する。筑駒・御三家で非常に高い合格実績あり。
新興塾と呼ばれるこれらの塾は、規模が小さいゆえに個性が強いのが特徴。
魅力的な塾ばかりですが、お子さんや親御さんとの相性は慎重に見極める必要があります。
親御さんが塾に惚れ込んだ場合でも、実際に体験授業に参加し、お子さん自身の意見に耳を傾けましょう。
首都圏で展開する関西系の集団塾
関西の中学受験は首都圏とは異なる点も多く、塾のカリキュラムやコース編成など関西で独自に発達した文化があります。
首都圏では次の2つの塾が展開しています。
- 駿台浜学園:「灘中合格者数トップ」で有名な浜学園が首都圏で展開する中学受験専門塾。中堅校から御三家や筑駒といった最難関校まで合格実績を伸ばしている。
- 希学園:浜学園から分岐したエリート進学塾。ハイレベルな算数の授業に定評あり。御三家をはじめとする難関校に高い合格実績あり。
関西の塾は「全て塾にお任せ」が特色で、授業後の自主学習までがカリキュラムの一貫。
徹底した面倒見の良さは首都圏の塾と一線を画します。
その分、塾での拘束時間が長く、小6になると22時終了というのも一般的。
家庭での学習サポートをなるべく少なくしたいというご家庭には、関西系の中学受験塾も選択肢におすすめです。
そのほか、中学受験専門の個別指導塾や、大手集団塾が運営する個別指導塾ブランドなど、様々な塾があります。
つまずきが生じた場合や、志望校対策を強化したい場合など、個別指導塾や家庭教師を併用することもあります。
「RISU算数」なら中学受験準備にぴったり
中学受験の要と呼ばれる算数は、入塾前の準備が重要です。
算数専用タブレット教材の「RISU算数」は小学校の基礎固めから中学受験準備まで幅広く対応。
中学受験準備に役立つRISU算数の特長を3つご紹介します。
特長1:学習習慣が自然に身につく
RISU算数は1回が10分前後の問題設計。
登校前の朝学習、放課後の自主学習などにぴったりです。
短時間だから集中でき、無理なく毎日取り組むことができます。
またRISUには豊富な解説動画があるので、親御さんが隣でつきっきりになる必要がなく、忙しい共働き家庭でも安心。
疑問を自分で解決できるから「分かるから楽しい」が続き、自然と学習習慣が身につきます。
特長2:基礎学力がしっかり定着
RISU算数では無学年制カリキュラムを採用。
学年を超えて先取り学習を進めることも、学年を遡って復習することもタブレット一台で完結します。
RISU算数ではデータに基づき、お子様の学力に合わせた出題。
難しすぎることも簡単すぎることも無いので、楽しく着実に基礎力を固めることができます。
特長3:思考力が身に付く
RISU算数では、基本問題だけでなく、算数パズルや算数オリンピック問題、中学入試問題など思考力を鍛える問題が「スペシャル問題」として多数収録されています。
スペシャル問題は、「鍵」を集めることで挑戦できる特別な問題。
「絶対に正解を出したい!」と子どもたちがワクワクするような問題が満載です。
他にも子どもが勉強したくなる仕掛けが豊富
「がんばりポイント」は問題に正解したり、毎日ログインすることで貯まるポイント。
様々な景品と交換したり、スペシャル問題に挑戦できる鍵と交換したりすることができます。
「バッジ機能」は学習を進めることで獲得できるバッジコレクション。
タブレット上でいつでも確認できたり、獲得ごとにお祝いのメッセージをもらえたりするので、モチベーションアップに効果的です。
がんばりポイントが貯まるとすぐにスペシャル問題のための「カギ」に交換している娘。スペシャル問題に毎回うなりながらも、粘り強く考えていた経験が好成績につながっていると思います。「できた!!!」という子供の笑顔が、RISU算数の良さを物語っているなと思います。
(四谷大塚「全国統一小学生テスト」全国2位 小学2年生NMさんの保護者様)
「算数の学習に毎日取り組む」ことを幼少期から習慣化できたことが、とてもよかったです。難しい問題が出てきても、前回の学習内容を振り返り、あきらめずに取り組む粘り強さも育ったように思います。新小学4年生で通塾を始める段階で、算数の基本的な知識を身につけていたので、通塾開始後も算数はずっと得意科目でいられました。
(合格校:開成・海城・本郷・市川・函館ラ・サール HRさんの保護者様)
中学受験で失敗しない塾選びまとめ
中学受験の塾選びで一番大切なのは、お子さんが楽しく勉強でき、親御さんが気持ちよくサポートできる環境を用意すること。
どこの中学受験塾でも中学受験に必要なカリキュラムを用意していますから、塾の違いにこだわりすぎないことも大切です。
実際に足を運んで、お子さん声に耳を傾け、ご家庭に合う塾を選びましょう。
RISU算数を活用した中学受験の体験談についていはこちらの記事で多数紹介しています。
「RISU算数は中学受験に効果あり?受験準備から合格までRISU算数の効果的な活用法が知りたい」またRISU公式ブログでは、中学受験合格者・算数検定合格者・模試の成績優秀者など、RISU算数を活用した学習体験談を多数ご紹介しています。
お子さんの勉強の参考になる記事がきっと見つかるかと思いますので、ぜひ一度覗いてみてくださいね