①10のまとまりを作る
②具体物を使った繰り上がりの理解
③計算練習を繰り返す
④文章問題で繰り上がりを深く理解する
繰り上がりのある足し算は、算数の最初のつまずきポイント。
本記事では、繰り上がりのある足し算でつまずく原因や苦手克服の方法をくわしく解説しています。
ぜひ最後までお読みください。
繰り上がりのある足し算ができない原因とは?
お子さんが繰り上がりのある足し算でつまずく原因3つを解説していきます。
原因1:10のまとまりを理解できない
10をまとまりとして理解できないと、繰り上がりは難しく感じます。
「8+4では10のまとまりが1つできる」という理解が繰り上がりには大切です。
幼児期に手を使って足し算をしているお子さんを見かけます。
手の指は10本までなので、10のまとまりを作れずに、繰り上がりの学習でつまずきやすいです。
桁数が増えればさらに混乱します。
また、10のまとまりの理解は足し算の計算に重要な
「位ごとに計算をする(=位をそろえる)」というルールの理解に欠かせません。
例えば19 + 13の計算では、
まずは一の位の計算をします。
9 + 3は、10のまとまりが1つ(10)と2で12になります。
つぎに十の位の計算をします。
1 + 1で2。
10のまとまりが2つあるので20。
最後に12 + 20で32になります。
「位ごとに計算をする」のは大人にとっては当たり前のことでも、子どもはそうではありません。
10のまとまりが作れなければ、十の位を計算するという方法にはたどり着けません。
原因2:数(10)の合成と分解が苦手
1年生の前半で学習する数の合成と分解が苦手ですと、繰り上がりのある足し算で苦戦します。
例えば、「4は10まであといくつ?」「4にいくつ足すと10になる?」といった問題です。
どうしたら10になるかの理解が不足しているため、繰り上がりのある足し算でつまずきやすくなります。
原因3:視覚的に繰上りをイメージできない
「繰り上がり」という言葉を1年生がわかるように説明できますか?
おそらく大人でも難しいです。
辞書的に説明するとしたら、「足し算で、ある位の数の和が二桁になったとき、一つ上の位に数が加わる」です。
これを聞いてもやはり難解。
そもそも「位(くらい)」の説明自体が難しいのではないでしょうか。
抽象的思考の未発達な低学年では、言葉での理解には限界があります。
そこで必要なのが視覚的なイメージ。
「繰り上がりはこうだ!」という視覚的なイメージをお子さんに持たせて上げましょう。
繰り上がりを視覚的に理解できると、計算も容易にできます。
小学校低学年の算数では、どの単元でも視覚的な理解が重要なポイントになります。
小学生の子どもにうまく算数を教えたい!守るべきポイントや上手な教え方とは?
繰り上がりのある足し算ができるようになるためのポイント
ここからは繰り上がりのある足し算ができるようになるポイントを具体的に解説していきます。
ステップ1.「10のまとまり」を作る
まず、10のまとまりを作れるようにしましょう。
10のまとまりを作るために小学校で推奨されている「さくらんぼ計算」。
「さくらんぼ計算って何?」「昔と今では足し算の教え方が違うの?」
といった戸惑われた方は多いかと思います。
参考サイト:小学校算数の「さくらんぼ計算」に戸惑う声 文科省の見解は?
「さくらんぼ計算」は学習指導要領の改訂によって2010年前後から広まり、10のまとまりを理解するための手段として推奨されるようになりました。
まとまりの考え方ができると、例えば600を「10が60個」「100が6個」「30が20個」というように、数をさまざまな形で表現できます。
「まとまり」は十進法という数の基本を理解するのにも重要です。
さくらんぼ計算のポイントは3つです。
- 小さい方の数をさくらんぼする
- 大きい数に足した時に10になるようにさくらんぼをする
- 「10」とあといくつ
8 + 4の式で実際にやってみましょう。
8 + 4の、小さい方の4をさくらんぼにします。
大きい数の8を10にするには、4を2と2に分けます。
8と2で10のまとまりができます。
「10とあといくつ?」で、2が残っていますので、10と2で12になります。
さくらんぼ計算は、図のように10のまとまりを作る手段として使われています。
そして、さくらんぼ計算でできた10のまとまりこそが繰り上がりを意味し、小学1年生が学習する繰り上がりの第一歩になります。
次に、足す数が大きい場合の7 + 9で計算してみましょう。
小さい方の数をさくらんぼにするので、7をさくらんぼ計算します。
さくらんぼ計算の方法は理解できたでしょうか?
図にするとよくわかりますね。
さくらんぼ計算で重要な点は、「10になる足し算」と「10とあといくつ?」を確実に理解しておくことです。
1 + 9、2 + 8、3 + 7…、10になる足し算の組み合わせは多くありません。
慣れてくると暗記できる範囲です。
繰り上がりがある足し算の学習前に身に付けておきたいです。
繰り上がりのある足し算をさくらんぼ計算でも、筆算でも解くと、「10とあといくつ?」に必ず出くわします。
これは、10のまとまりを作ると必ず残りの数が出てくるためです。
ステップ2. 具体物を使った繰り上がりを理解
10のまとまりを具体物を使って視覚的に理解できるようにします。
さくらんぼ計算を含め、視覚的に10のまとまりを理解できるようになると、繰り上がりを理解できた状態になります。
代表的な具体物には、ブロックや数え棒などがあります。
ブロックは親御さんにもなじみがある算数教材ではないでしょうか。
1のブロックが10個集まると10のブロックに、10のブロックが10個集まると100のブロックになります。
ブロックを使うと、10のまとまりごとに桁が増えること(=位があがること)がよくわかり、十進法の理解に役立ちます。
十進法のしくみがわかると、お子さんは「数字には位(お部屋)がある」ことを自然と学んでいきます。
1年生や2年生の算数では、こうした具体物を進んで活用し、言葉では難しい内容を視覚的に理解してもらうことが重要です。
ステップ3. 計算練習で定着
10のまとまりを視覚的に理解できたら、計算問題を繰り返し解きます。
2 + 9や6 + 7などの1桁同士の繰り上がりのある足し算は限りがあります。
繰り返し問題を解き、ほぼ答えを暗記できるレベルまでできるとGoodです。
1桁同士の足し算に慣れてきたら、2桁+1桁の計算に移行していきましょう。
しかし、繰り上がりのある足し算が身に付くまでに必要な問題や量はお子さんによってバラバラです。
ステップ4. 文章問題で理解を深める
計算問題を繰り返し解き、繰り上がりのある足し算ができるようになったら、文章問題に取り組みます。
文章問題に取り組むと、お子さんが繰り上がりのある足し算を本質的に理解できているかが判断できます。
以下の問題文を例に解説します。
お母さんはりんごを9個買いました。お父さんはみかんを5個買いました。りんごとみかんを合わせると何個になりますか。 |
式は9 + 5、答えは14個になります。
繰り上がりが正確に理解できていないお子さんは、答えが9よりも小さい数字になってしまうことがあります。
繰り上がりを理解していれば、
「あれ?足し算なのに9より小さくなるのはおかしいな」
と気付くはずです。
他にも文章問題を解くことで身に付く力はたくさんありますので、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
算数の文章問題が苦手な子への教え方は?文章問題でつまずく原因と教え方のコツを知りたい
「今」できるようになることが大切
「繰り上がりの足し算は自然と身に付いた」という感覚が大人にはあるでしょう。
たしかに小1で繰上りのある足し算ができなくても、1~2年後にはほぼ全員が理解できます。
しかしそれでは遅いのです。
なぜなら算数は積み上げの教科だから。
繰り上が分からなければ、その先の学習でも必ずつまずいてしまいます。
ようやく繰上りのある足し算ができるようになった頃には、また新たな算数のつまずきがある可能性が高いのです。
そんないつも算数につまずいている状態では、子供が算数嫌いになってしまうのも自然です。
子どもが算数を好きでいるためには、
・つまずかないこと
・つまずいでもすぐにリカバリーすること
が大切です。
繰り下がりや掛け算の学習のつまずきにも
繰り上がりのある足し算では10のまとまりが重要であることを述べてきましたが、繰り下がりのある引き算でも10のまとまりの考え方が重要です。
例えば21-9であれば、10のまとまりを作って10-9=1をします。
引き算の場合は「あといくつ残っている?(残っている数は?)」という問いをします。
残っている数は21の数から10のまとまりを作った(借りた)ので11です。
1 + 11をして12という答えを導き出します。
また、小学2年生で学習する掛け算も「まとまり」の考え方が重要です。
掛け算の場合、例えば3×4は「3のまとまりが4つ分」、16×31は「16のまとまりが31個分」というように考えるからです。
「まとまり」は小学校低学年の算数で必ず身に付けたい考え方なのです。
中学年・高学年の算数に影響する場合も
繰り上がりは小学校中学年・高学年の学習にも影響します。
学年が上がるにつれて桁数が多い足し算が登場します。
例えば、789 + 478や98031 + 999など。
桁数が増えた分、たくさんの繰り上がりが発生したり、位に0が入っていたりと、複雑な計算になっていきます。
42.89+19.54など小数の足し算にも繰り上がりがあり、苦手なお子さんにとっては算数の時間がつらい時間になります。
4年生になると億や兆などの大きな数を学習します。
その際にも、低学年で学習してきた「まとまり=位(くらい)」の考え方が重要です。
このように、繰り上がりのある足し算の学習は、算数の学習全体に大きな影響を及ぼします。
繰り上がりのある足し算に限らず、算数のつまずきはほったらかしにせずに、すぐに対応しましょう。
「RISU算数」ならつまずきなく算数の理解が積み上がる
算数専用タブレット教材のRISU算数には、計算問題も文章問題も良質な問題を豊富に収録。
わかりやすい解説動画もあるので、視覚的にイメージを掴みながら算数を理解することができます。
またメールや動画メッセージ機能では、お子さんのつまずきをフォローしたり、保護者に学習進捗を報告。
忙しいおうちの方も安心してお子さんの学習を見守ることができます。
つまずきなく着実に算数力が身に付くRISU算数の3つの特長をご説明します。
特長1.スモールステップ&無学年制カリキュラム
4歳から中学数学基礎の問題まで、約10000問を収録。
スモールステップで少しずつ先に進むので、つまずきにくく自然にステップアップしていけます。
またRISU独自の無学年制カリキュラムでは、
学年を超えてどんどん先取り学習を進めることも、つまずいた分野では学年を遡って復習することもタブレット一台で完結します。
紙のドリルやワークのように何冊も用意する必要はありません。
特長2:文章問題や図形問題が豊富
RISU算数には、文章問題や図形問題など幅広い算数の問題が収録されています。
基礎から中学入試や算数オリンピック問題まで幅広い問題に触れることで、思考力を大きく伸ばすことができます。
計算問題だけ何学年も先取りしているけれど、文章問題が苦手、というお子さんは珍しくありません。
RISU算数なら基礎的な計算問題から応用問題まで、バランスよく算数に取り組むことができます。
公文(くもん)式のメリットとデメリットは?塾や他の教材との違いを詳しく知りたい
特長3.一人ひとりにベストな問題が届く
RISU算数では、タブレットを通じて利用者ひとりひとりの学習データを常に収集・分析。
得意分野・苦手分野を把握し、利用者の実力に合った問題となるよう、お子様に合わせて問題が変わっていきます。
難しすぎてついていけなくなったり、簡単すぎて飽きてしまうこともないのです。
一人ひとりのペースに合わせて、効率よく実力を伸ばすことができるのがRISU算数の大きな特長です。
ほかにもお子さんにもおうちの方にも嬉しい機能がたくさん。
くわしくはこちらをご覧ください。
RISU算数を活用した中学受験のリアルな体験談はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
【RISU算数で中学受験】入塾前から志望校合格までリアルな体験談&口コミをご紹介
RISU公式ブログでは「全国模試の成績優秀者」や「算数検定合格者」など、たくさん体験談やインタビューを多数ご紹介しています。
ぜひ覗いてみてくださいね!