RISU 学び相談室

2025/06/02
ママ、パパからのご相談

早期教育に弊害はある?正しい早期教育について教えてください

4歳の子ども数に興味があるようなので算数を教えたり、将来のために英語にも触れさせたりしたいと考えています。ただ早期教育や先取り学習はあまり意味がないという話も聞きます。子どもの早期教育には意味がありますか?
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著者からの回答
親としては、早期教育で少しでも我が子の力を底上げし、将来の可能性を広げたいと考えるのは自然なことです。

しかし、早期教育を誤った方法で進めると、親子関係やお子さんの人間形成に悪影響を及ぼしかねません。

この記事では、早期教育の弊害やメリット・デメリットについて解説し、論文に基づいた効果的な早期教育のポイントを紹介します。

子どもの将来の学力や人間力につながる早期教育をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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いつからが早期教育?定義と目的

早期教育とは、0〜6歳の幼児期に、読み書きや計算・暗記力・運動・音楽・英語などの能力を高める教育をおこなうことを指します。

人間の脳の8割は3歳までに完成し、6歳までに9割が完成するといわれています。

0〜6歳は、脳の急成長にともない、効率よく知識や技術を習得できる時期です。

しかし、現状では小学校に入学する6歳から学習がはじまります。つまり、脳が大きく成長する時期を過ぎてから学習がスタートするため、知識や技能を習得しやすい時期を学習に生かせないという問題があります。

そのため、脳が大きく成長する就学前に早期教育をおこない、子どもの可能性を最大限に引き出そうとする狙いがあります。

一方、早期教育は、親の教育計画が優先されやすく、本人の意思に反しておこなわれたり、詰込み型の教育になったりするため、注意が必要です。

早期教育の弊害とデメリット

早期教育の弊害とはなにか、具体的にみていきましょう。

無理な先取りで学習にストレスを感じる

子どもの発達を考えずに先取り学習をすると、子どもは学習にストレスを感じるようになります。

最初は楽しく学習できていても、先取り学習で問題の難易度が上がると、できない経験や怒られる経験を積み重ねてしまうためです。

また、「この問題ができるなんてすごいね」と結果に着目して褒められた子どもは、できないときに「自分はすごくないんだ」と自己否定するようになります。

自己否定感によって、難しい学習に直面すると大きなストレスになり、勉強が苦手になる子どもは少なくありません。

自由時間が減り非認知能力が育たない

間違った早期教育によって、非認知能力が育たない弊害があります。

非認知能力とは、協調性・自制心・向上心など、数字では測れない生きる能力のことです。

幼児期は、自由な遊びのなかで非認知能力が育っていきます。

しかし、先取り学習や習い事などで決められたスケジュールをこなす生活になってしまうと、自由な時間は減ります。

極端な早期教育で、子どもから主体的に活動する時間を奪うと、非認知能力の発達を妨げてしまいかねません。

親子の信頼関係が悪くなる

早期教育をするうえで、子どもに過度な期待や干渉があると親子の信頼関係に影響を及ぼします。

早期教育を進めていると、つい他の子どもと比べたり、できないことに苛立ったり、焦ったりする場面は少なくありません。

そういったなかで、「できたことを褒める」「できないときはイライラする」を子どもに対して繰り返していると、子どもは無意識のうちに「両親から愛情をもらうには、〇〇しなくてはいけない」と感じるようになります。

本来であれば、無条件の愛情が親子の信頼関係の土台です。

「できないと愛されない」という条件付きの愛情は子どもを萎縮させるため、熱心すぎる早期教育は、親子の信頼関係が揺らぎかねないデメリットがあります。

早期英語教育はダブルリミテッドの可能性がある

早期英語教育では、英語と日本語がどちらも年齢相応に達しないダブルリミテッドが懸念されています。

ダブルリミテッドに陥ると、言語習得の遅れから学習や思考力に問題が生じます。

早期教育における「子どもの可能性を最大限に広げたい」という本来の目的から遠ざかりかねません。

ただし、母国語を年齢相当に習得している場合は、ダブルリミテッドになる可能性が低いといわれています。

英語のために母国語を禁止にするといった行き過ぎた早期英語教育の場合は、ダブルリミテッドになる可能性が高いため注意が必要です。

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早期教育のメリット

早期教育は、デメリットばかりではありません。学習習慣ができる・基礎学力がつくといった早期教育のメリットをみていきましょう。

学習の習慣ができる

早期教育は、机に向かう学習習慣が身につきます。

学習習慣がない子が、小学校に入学していきなり45分座って授業を受けるのは難しいものです。

さらに、学校から帰宅すると、今度は宿題をこなさなくてはいけません。

早期教育によって毎日勉強する習慣がついていると、就学後の学習がスムーズにこなせます。

生活習慣を身につける幼児期に、学習習慣も一緒に取り入れると無理なく定着します。

学力の基礎がつく

早期教育は、正しくおこなうと学力の基礎がつきます。

子どもの興味や発達に合わせて早期教育に取り組むと、就学後の学習に必要な数の概念や聞く力・思考力・集中力・語彙力が育まれます。

また、知的好奇心や意欲など学習に欠かせない要素も身につくのがメリットです。

とくに数の概念・お話を聞き理解する力・読み書きの能力は、就学後にすぐ必要となります。就学に備えて、幼児期のうちから少しずつ早期教育をおこなっておくことが望ましいでしょう。

自信がつく

早期教育は「できた!」と実感しやすいため、自分に自信がつきます。

数を数えられた、簡単な足し算ができるようになった、ひらがなが読めるようになったなど小さな成功体験が「自分はやればできる」という自己肯定感を育てます。

自分に自信がつくと、「やってみよう」「もっと知りたい」という気持ちが育ち、学力面だけでなく、学校生活がいきいきとしたものになります。

保護者の安心につながる

早期教育は「勉強で困らないようになってほしい」という保護者の不安に寄り添う一面もあります。

早期教育はあくまで子どものためであり、親の安心のために早期教育を取り入れる必要はありません。

しかし、「あのとき勉強好きになれるように関わればよかった」「小さい頃に学習習慣を身につけさせてあげればよかった」と大きくなってから後悔しないよう、今できる働きかけをしていくことは大切です。

また、早期教育をおこなうと、子どもの発達の遅れや個性に早期に気付けるメリットもあります。

子どもの個性を理解し、その子に合った教育をおこなうと、将来への漠然とした不安が解消されます。

早期教育に関する研究・論文

早期教育を長い目でみた場合の効果をみていきましょう。

ペリー就学前計画(プロジェクト)

ペリー就学前計画は、アメリカ・ミシガンで1960年代におこなわれた、就学前教育に関するプロジェクトです。

当時3〜4歳の幼児に対し、「質の高い幼児教育プログラムに参加したグループ」と「参加しなかったグループ」に分け、40年以上にわたり追跡調査がおこなわれました。

ペリー就学前計画の具体的なプログラムは以下のとおりです。

教育には、子どもが主体的に学ぶハイスコープカリキュラムが組まれました。ハイスコープカリキュラムは、自分で何をおこなうか決め、実行し、振り返るというもので、単なる詰め込み教育ではありません。

結果「質の高い幼児教育プログラムに参加したグループ」は、「参加しなかったグループ」に比べ、その後も学業成績がよく、高い収入を得られ、逮捕歴なども少ないということが分かりました。

幼児期の教育的介入は、学力だけでなくその後の人生に大きな影響を及ぼすとされています。

アベセダリアンプロジェクト

アベセダリアンプロジェクトは、アメリカのノースカロライナで1970年代におこなわれた早期教育プロジェクトです。

このプロジェクトでは、乳児期に早期教育介入群と非介入群に分け40年以上追跡調査をおこないました。

アベセダリアンプロジェクトの内容は以下のとおりです。

このようなプログラムがおこなわれた結果、早期教育介入群のIQは非介入群より高く、小学校・中学校での算数や読解テストでも高得点であると分かりました。

また、アベセダリアンカリキュラムを受けた子どもは大学進学率が高く、10代で親になる確率や薬物依存になる可能性、うつ病になるリスクも低いという結果が分かっています。

プロジェクトへの1ドルの投資は、所得の増加や医療費の削減、社会サービスの需要低下などにより、2.5ドルの経済利益を生むとされています。

アベセダリアンプロジェクトによって、早期教育は費用対効果が高いと明らかになりました。

お茶の水女子大名誉教授による研究調査

国内での研究調査もみていきましょう。

お茶の水女子大名誉教授の内田伸子氏は、3〜5歳の子ども3,000人を対象に臨床面接調査をおこない、語彙力や読み書き能力を調べました。

結果、文字指導や計算など一斉保育をうけた子どもより、子ども中心の自由な保育で育った子どものほうが、語彙力や読み書き能力が優位に高いと分かりました。

また、内田伸子氏は、しつけ方法による学力の違いについても調査しています。

子どもに寄り添った声かけをおこなう共有型しつけで育った子どもは、強制型しつけを受けた子どもより学力および語彙力が高いことが判明しました。

子どもには自由な時間と、親の関わりが重要であることが、内田伸子氏の研究から分かるのではないでしょうか。

論文の重要点:効果のある早期教育は詰め込み型ではない

上記で紹介した追跡調査から、子どもが後伸びする条件として以下の特徴がみえてきます。

ペリー就学前計画やアベセダリアンプロジェクトでは、主体的な学びや一人ひとりに合わせたプログラムがおこなわれていました。

内田伸子氏の研究からも、自由な遊びを主体とする保育が、子どもの学力を伸ばすと判明しています。

つまり、研究が示す早期教育の効果は、詰め込み型の教育によるものではないのです。

効果のある早期教育は、子どもの発達に応じた柔軟さや主体性が重要であり、無理な先取り学習ではありません。

また、ペリー就学前計画・アベセダリアンプロジェクトのどちらも親への支援や家庭との連携を重視していました。

内田伸子氏の研究では、しつけ方法(共有型・強制型)の違いが学力に影響すると明らかにされており、効果のある早期教育には親の関わりが大切であると考えられます。

無理のない効果的な早期教育のポイント

早期教育の弊害や研究結果をふまえて、効果的な早期教育のポイントをみていきましょう。

主体的に学べるようにする

早期教育の効果を高めるには、子どもが主体的に取り組めるように意識する必要があります。

「今日は足し算、明日はひらがな」と両親が決めず、子どもが何を学びたいのか確認しましょう。

例えば、車に興味がある子どもであれば、車の数やタイヤを数える計数に興味を持つかもしれません。車の名前を知りたがるのであれば、ひらがなの学習に興味を持つ可能性もあります。

子どもの興味関心や意欲に沿った学習ができるようにしましょう。

早期英語教育は母国語を優先する

早期英語教育は、母国語を疎かにしないことがポイントです。

英語教育のために英語のDVDしか見せなかったり、両親が英語で話しかけたりなど、母国語を封印するような極端な英語教育はやめましょう。

英語と母国語の両方が中途半端になると、思考力が磨かれません。

母国語の発達を妨げない範囲で英語教育をおこないましょう。

読み聞かせで読書好きに育てる

効果的な早期教育の代表が、本の読み聞かせです。

読み聞かせは、とてもシンプルで簡単にでき、聞く力・話す力・語彙力・集中力などの学習の基礎となる能力が育ちます。

また、読み聞かせによって読書好きになると、自然と本をたくさん読むようになり、読解力が育ちます。

読解力は、国語のほか算数でも重要視される力です。

読み聞かせを通して読書への興味関心を引き出すようにしましょう。

アベセダリアンプロジェクトでは、とくに会話型読書をプログラムに取り入れていました。

会話型読書では、大人が一方的に読み聞かせるのではなく、子どもに問いかけたり絵本の内容について会話する方法です。

会話型読書は、思考力や親子の信頼関係を育めるため、ぜひ取り入れてみましょう。

算数の楽しさを具体物で学ぶ

算数がおもしろいと気付けるように、早期教育では具体物を中心にして算数を学びましょう。

算数は、「計算ができる」ことが重視されやすく、ドリルやプリントなどを用いた詰め込み教育になりやすい教科です。算数は確実な積み重ねが重要なので、理解が曖昧なまま詰め込んでしまうと、どこかでつまづきます。

算数の力を後伸びさせるには、幼児期に具体物を使用して、数や形・量の感覚を身につける必要があります。

ブロックや買い物ごっこなど、遊びながら数を意識してみましょう。

プリントやタブレットを用いて学習する場合は、実際の数を意識できる教材を用いることがポイントです。

算数教材のRISUきっずでは、イラストやアニメーションを用いて実数を意識した算数教育が可能で、楽しみながら算数の力を育てられます。

自由な遊びで非認知能力を育む

自由遊びで非認知能力を育むことも、早期教育の大きなポイントです。

ルールにとらわれず、子どもが自由な発想で遊びをつくったり工夫を重ねたりすると、自制心・粘り強さ・向上心・探求心・好奇心などの非認知能力が育ちます。

非認知能力は学力そのものに直接関わる能力ではありませんが、学ぶ力の土台として重要です。

難しい問題を解くには粘り強さ、学習を深めるには好奇心や探求心が必要といったように、非認知能力は学力と深く結びついています。

子どもの生活スケジュールや遊びを両親がコントロールしすぎず、自由に遊べる時間をつくって、非認知能力が育つようにサポートしましょう。

親が意識改革し共有型のしつけをおこなう

保護者は強制型のしつけではなく、共有型のしつけができるようにしましょう。

強制型しつけとは、禁止や命令を用いたしつけ方法です。

共有型しつけとは、子どもに考える余地を与え、褒めたり励ましたりして子どもに寄り添うしつけ方法です。

早期教育をすすめているうちに、「テレビは禁止」「プリントをやりなさい」といった禁止・命令指示が多い強制型しつけになっている場合があります。

強制型のしつけは子どもの学力に悪影響を及ぼすため、「プリント1枚終わったら何をしようか?」と子どもに寄り添う共有型しつけを心がけましょう。

早期教育の弊害に関するよくある質問

早期教育の弊害について、よくある質問をみていきましょう。

早期教育の問題点は何ですか?

無理のある「詰め込み教育」が大きな問題点です。
早期教育は、本人のやる気や興味に寄り添っておこなうと効果的であるため、すべての早期教育に問題があるわけではありません。
しかし、発達段階や本人の意思を無視した詰め込み教育では、学ぶ意欲が失われ、本質的な理解が疎かになる問題があります。

早期教育は何歳から始めるべき?

早期教育は、脳が大きく発達する0〜6歳の間にはじめると良いとされています。
早期教育が、将来の学力や収入を高めるという結果を報告したペリー就学前計画では、3〜4歳の子どもに早期教育を施していました。
同じく早期教育の効果を報告したアベセダリアンプロジェクトでは、平均4.4か月の乳児を対象に早期教育をスタートさせています。
絵本の読み聞かせなどの簡単な早期教育は0歳から、3〜4歳からは子どもの興味に合わせて数や文字に触れてみましょう。

早期教育の長所は?

早期教育は、学習習慣ができ、学力の基礎が身につく長所があります。
また、「できた!」の繰り返しで自己肯定感が高まり、就学後の学校生活に自信を持てるのもメリットです。

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まとめ:効果が高い早期教育をしよう!

早期教育とは、脳が大きく成長する0〜6歳の時期におこなう教育を指します。

この時期の学びは、将来の学力や社会的な成功につながる大切な土台となります。

一方で、詰め込み型の学習など熱心すぎる早期教育は、条件付きの愛情によって親子の信頼関係が崩れるといった弊害が起きかねません。

早期教育の効果を高めるためには、子どもの心に寄り添い、子ども自身が主体的に学習できるように取り組みましょう!

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