理由は、1年生の時と比べて復習の重要性が一気に高まるから。
小2の算数は小1の内容をベースにした学習内容となり、学習量が増え難易度も上がります。
そして、小2で学習する内容は中学年以降の算数に大きく影響しています。
小2の時期に、復習と先取り学習で学習ペースを確立することがとても大切です。
本記事では、小2の算数でつまずきやすい単元や対策法を詳しく解説しています。
お子さんの算数学習の参考になる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
小学2年生算数の重要単元
小2の算数は小1の学習内容を拡大した内容になり、一気に複雑化します。
足し算や引き算などのすでに学習した内容と、掛け算九九や長さ、図形などの新しく学習する内容が混在し始め、復習と先取り学習が大切になる状況にお子さんは初めて置かれます。
足し算・引き算
足し算・引き算は桁数が増え、2桁の計算を学習します。
繰り上がり・繰り下がりをする回数が増えるので、小1で学習した繰り上がり・繰り下がりの理解が不十分だとつまずきやすい単元です。
掛け算
掛け算は小2の算数で最も重要な単元です。
掛け算は足し算の延長線上にある計算です。
学習の初期段階では、3×3の答えを「3+3+3」「3×2+3」というように足し算をもとにして求めていきます。
足し算がスムーズにできないと、掛け算の答えを求めるのも苦労するでしょう。
ただ掛け算の答えをいつまでも足し算で求めていては、時間もかかり、計算間違いも起こりやすくなります。
そこで、掛け算九九の登場。
掛け算九九を覚えることは小学校算数で最も大切な学習と言っても過言ではありません。
しかし、掛け算九九を覚えるのに苦戦するお子さんは多いです。
掛け算九九を覚えるとは、「五一が5、五二10・・・」と順番に言えることではありません。
最初は順番に九九を唱えて練習をしますが、最終的には中学年以降の算数で掛け算を自由自在に扱えるようにランダムで九九を答えられるようにします。
長さと量感
小2では1㎜、1㎝、1mといった長さの単位を学習します。
それまでは、モノを直接並べて長さを比較したり、「机の横は筆箱5つ分の長さ、縦は筆箱3つ分の長さ」というように間接的に比較して、長い・短いを判断します。
子どもたちはあまり身近でない「単位」というものを初めて学習するので、長さの単位はつまずきやすい単元です。
また、「単位」の理解だけでなく、「量感」を小2から養うことも大切。
量感とは「物の量や重さを感覚的に捉える能力」です。
長さの学習では「鉛筆の長さは? 15▢」という問題があり、量感があれば▢には㎜でもなく、mでもなく、㎝が入ると判断できます。
量感を身に付けることで、「自分の足の長さが約20㎝」「おにぎりが約100g、辞書が約1kg」といった長さや重さの目安を覚え、日常生活での応用ができます。
小学二年生の算数は中学年以降の学習の基礎
小2の算数は中学年以降の算数に大きな影響があります。
特に掛け算や単位の学習は以下の表にあるように、多くの学習が関わってきます。
中学年以降の掛け算や単位に関係のある学習
掛け算の学習が関わる単元 | 単位の学習が関わる単元 | |
小3 | 2桁以上の掛け算掛け算のきまり | 長さ(km)重さ(g、kg、t ) |
小4 | 小数の掛け算面積(長方形、正方形) | 面積(㎠、㎡、a、ha、㎢) |
小5 | 面積(平行四辺形、三角形、台形)体積(直方体・立方体)比例速さ(単位量あたりの大きさ) | 体積(㎤、㎥) |
小6 | 通分・約分円の面積・円周分数の掛け算拡大図 |
小2の算数は基礎固めをする大切な時期です。
基礎的な内容の理解が不十分ですと、中学年以降の算数にマイナスな影響があります。
どのような影響が具体的にあるかをここからは解説していきます。
影響1:計算ミスが増える
小2で初めて学習する掛け算。
掛け算ができないと、算数嫌いや学習意欲の低下といった致命的な影響が出てきます。
小3になると、2桁×1桁、3桁×1桁、2(3)桁×2桁の掛け算を学習します。
桁数が増えた掛け算でも、小2で学習する掛け算九九と繰り上がりの理解が重要です。
小4からは小数の掛け算が加わります。
小数点の移動が加わるため子どもたちは混乱しがちですが、基本的には掛け算九九で対応できる範囲です。
「小数の掛け算・小数の割り算の分かりやすい教え方を知りたい。小数点はなぜ動くの?」
また、面積を求める学習が小4で始まります。
面積は縦×横(長方形)、底辺×高さ(平行四辺形)などのように掛け算を中心に求めます。
面積は式を立てやすいですが、掛け算ができないために減点になってしまうお子さんは多いです。
小5の算数では体積の学習。
体積は底面積×高さというように掛け算で求めます。
桁数の大きい掛け算になる場合も多く、小2・小3の掛け算の学習がとても重要です。
また、円の面積は半径×半径×3.14、円周は直径×3.14。
ここでも掛け算が・・・。
円周率の3.14を掛ける計算はミスが多い単元です。
小6では通分や約分が登場。
分母が異なる足し算・引き算は「通分」をします。
例えば、1/2+1/3では分母の2と3を通分して分母を6にし、3/6+2/6にして計算します。
この過程にも掛け算がありますね。
高学年の関門である「約分」も掛け算の理解が重要。
分数の答えは、一番小さい数字になるように約分するというきまりがあります。
例えば、答えが14/35の場合、最も小さい数字(約分)にします。
14と35ともに7で割り切れるので、2/5という答えになりますが、掛け算九九をマスターしていれば「14と35は7の段の答えだから、7で割り切れる!」と考えることもできます。
このように、小2で学習する掛け算は小3から小6のほとんどの学習に登場します。
新しいことを学んで意味を理解できても、計算ミスが多発すると、テストの点数が一気に下がってしまいます。
すると「自分は算数が苦手なんだ・・・」と自信を失い算数嫌いに。
算数を好きになるには、まずは小2で掛け算九九を完璧にマスターすることが重要です。
影響2:割り算でつまずく
小3で割り算を学習します。
「割り算に小2の学習は関係はないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、割り算の計算過程には、掛け算が含まれています。
例えば、9÷3の答えは3×3から求めることができます。
また、割り算の筆算には「たてる、かける、ひく、おろす」という過程があり、掛け算が含まれています。
上の48÷3の筆算では、3×1、3×6の掛け算で答えを求めています。
小2で学習する掛け算は小学校算数全体に関わっているため、確実な理解が必要です。
影響3:高学年の算数や他教科の成績が下がる
小2から長さの単位を学習します。
その学習の中で、1㎝=10㎜、1m=100㎝というような単位換算を学んでいきます。
あるところまでの長さになったら単位が変わるという理解はとても重要です。
なぜならば、単位換算は中学年以降に頻出するから。
加えて、単位は長さだけでなく、重さやかさ(量)、面積や体積があります。
小3では「1km=1000m」、小4では面積の単位が加わり「1㎠=1㎝×1㎝」、「1㎡=10000㎠(100㎝×100㎝)」、「1㎢=1000000㎡(1000m×1000m)」と複雑化した単位換算を小6までに学習していきます。
計算が得意でも単位換算でつまずくお子さんは非常に多いです。
さらに社会の地理や、理科の化学・物理分野など、「単位」は他教科の学習にも大きく影響します。
単位換算のスタートは小2の「長さ」の学習。
親御さんは長さの計測だけでなく、単位換算の単元も念頭に置いてお子さんの学習を見守りましょう。
小学二年生の算数でつまずかないために
小2の算数でつまずくと中学年以降の算数でもつまずく可能性が高いです。
また、つまずきは算数嫌いの原因にもなるため、早めに対応することが大切。
ここからは「小2の算数でのつまずき」に対応するためのポイントを5つ解説していきます。
ポイント1:基礎の復習(1年生の復習)
小2の算数は小1の学習を拡大させた内容です。
小1で学習する「1桁の足し算・引き算」や「繰り上がりのある足し算・繰り下がりのある引き算」を復習することで、桁数が増えた小2の足し算・引き算に対応します。
また、繰り上がり・繰り下がりを理解するための「1が10個で10」「10が10個で100」といった「10のまとまり」の復習は、3桁以上の大きい数や小数の学習にも役立ちます。
とまりで考える大切さを低学年のうちに実感させておくとよいです。
「繰り上がりのある足し算が苦手な子。分かりやすい教え方が知りたい」
小2の内容理解に不安がある場合は、思い切って小1の内容に戻ってみましょう。
ポイント2:実生活の中で数や図形に触れる
長さや時計などの学習は実生活と密接に結びついています。
算数で学習する内容と生活の関係に、お子さんが気づけるように働きかけましょう。
例えば、「5時まで遊ぶ」「9時に寝る」などの時刻、「2時から3時は勉強の時間」などの時間をお子さんに意識させ、時計に慣れるようにするとよいです。
また、「三角形・四角形探し」と題して、家の中や街中にある図形探しも、算数と生活の結びつきを実感する算数遊びです。
身近なものの長さやかさ(量)の計測を家庭でも取り組むのもよいです。
ポイント3:身近なものから「量感」を養う
「だいたい1mの長さ(高さ)」と聞いて思い浮かぶものには何がありますか?
野球が好きな人はバットの長さが思い浮かぶでしょうし、大型犬を飼っている人はペットの体長が思い浮かぶかもしれません。
身近なもので量感を身に付けられると、長さやかさ、重さを理解しやすくなります。
約20㎝の靴を5個分と考えることもできますし、「電車(約20m)を20等分した一つ」と捉えれば自然と分数の先取りにもなります。
さまざまな視点で1mを見ることができると、1mの量感が掴めてきます。
以下は、各単位の量感の参考です。
1mの長さ…ボーリングレーンの幅、ギターの長さ
10mの長さ…路線バス1台、普通自動車2台分
1㎏の重さ…1Lの牛乳パック、Lサイズのキャベツ1玉
1㎠の広さ…親指の爪ぐらいの広さ、5㎜方眼ノート1マス
1㎡の広さ…一人用のバスタブ、スーツケース
身近にあるものが「このくらいの長さ(重さ、広さ)なんだな」と認識できると、長さや重さ、広さの解像度が高まります。
また量感を養うと、文章問題から導き出した答えがどれくらいの長さ(重さ、広さ)なのかを確認でき、誤答が少なくなります。
「教室の縦の長さが12m? 路線バス1台分くらい入るかな?」「学校の校庭が50㎡? 狭すぎじゃないか?」と、量感を働かせて問題に対応できるようにもなり、算数の力が向上します。
身近なものからお子さんの「量感」を養うことを意識しましょう。
ポイント4:具体物を使って五感で学ぶ
小1、小2の算数では数え棒、おはじき、図形などの具体物がお子さんの理解を補助してくれます。
掛け算の式を数え棒で表したり、おはじきをつかって掛け算の答えを求めたりし、具体物を操作して視覚的に学んでいくことが重要です。
また、テープ図は小2の算数では大切な具体物です。
「かくれた数はいくつ?」の問題では図(テープ図)を使うと、求める答えがわかりやすくなります。
問題バナナを6本もらうと10本になりました。はじめは何本ありましたか。 |
テープ図は中学年以降の算数でよく出てきますし、中学受験対策ではより抽象化された線分図を扱います。
小2のうちから慣れ親しみ、テープ図の意味を理解しておくとよいですね。
最初は具体物を使ってしっかり理解し、最終的には頭の中でイメージを使って解けるようにしていくとお子さんの抽象的思考力が育ち、算数の力を大きく伸ばすことができます。
ポイント5:先取り学習をする
算数は積み重ねの教科。
復習も大切ですが、自然な形での先取り学習は学習の質と量を向上させます。
先取り学習を行うことで、お子さんは学習内容をより早く理解できるようになります。
学校の授業でも余裕を持って応用問題に取り組むことができ、学習意欲と自信の向上が期待できるでしょう。
「取り学習や公文に反対派が多いのはなぜ?正しい先取り学習の方法やおすすめ教材を知りたい」
また、早期に基礎を固めができるので、より複雑な内容もスムーズに理解でき、つまずきにくくなります。
復習と先取り学習の両輪で、つまずきに対応していきましょう。
「RISU算数」なら先取り学習も復習もぴったりのペースでできる
算数専用タブレット教材のRISU算数では、先取り学習と復習が一人ひとりに合わせて効率よくできます。
またメールや動画メッセージ機能で、お子さんのつまずきをフォローしたり、保護者に学習進捗を報告。
忙しいおうちの方も安心してお子さんの学習を見守ることができます。
つまずきなく着実に算数力が身に付くRISU算数の3つの特長をご説明します。
特長1:無学年制カリキュラム
RISUでは独自の無学年制カリキュラムを採用。
どんどん先取り学習を進めることも、つまずいた分野では学年を遡って復習することもタブレット一台で完結します。
紙のドリルやワークのように何冊も用意する必要はありません。
特長2:一人ひとりにベストな問題が届く
RISU算数では、タブレットを通じて利用者ひとりひとりの学習データを常に収集・分析。
得意分野・苦手分野を把握し、利用者の実力に合った問題となるよう、お子様に合わせて問題が変わっていきます。
難しすぎてついていけなくなったり、簡単すぎて飽きてしまうこともありません。
特長3:文章問題や図形問題が豊富
RISU算数には、4歳から中学数学基礎の問題まで、約10000問を収録。
特に文章問題や図形問題など幅広い算数の問題に対応しています。
計算問題だけ何学年も先取りしているけれど、文章問題が苦手、というお子さんは珍しくありません。
RISU算数なら基礎的な計算問題から応用問題まで、バランスよく算数に取り組むことができます。
公文(くもん)式のメリットとデメリットは?塾や他の教材との違いを詳しく知りたい
ほかにもお子さんにもおうちの方にも嬉しい機能がたくさん。
くわしくはこちらをご覧ください。
小学二年生の算数は学習習慣を確立する大事な時期
小2の時期は学習サイクルを作る大切な時期。
この時期に先取り学習と復習のサイクルを確立できれば、その後も楽しく「わかる!」「できる!」を積み重ねていくことができます。
まだ「低学年だから・・・」と後回しにせず、先手必勝でお子さんの学習サイクルを作っていきましょう!
RISU算数を活用した中学受験のリアルな体験談はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
【RISU算数で中学受験】入塾前から志望校合格までリアルな体験談&口コミをご紹介
またRISU公式ブログでは「全国模試の成績優秀者」や「算数検定合格者」など、たくさん体験談やインタビューを多数ご紹介しています。
ぜひ覗いてみてくださいね!